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日本酒の酒器のおはなし(磁器おわん型)

酒器の紹介
今回は磁器のおわん型です。

一献盃 わんぐり
(お椀みたいな形だからだそうです)

こちらは前にも紹介した岐阜県土岐市のカネコ小兵製陶所さんの作品。
https://www.ko-hyo.com/syuki.html

4つの器でそれぞれ味の違いを楽しめる「一献盃シリーズ」です。

ストレート型よりも背が低く、口が大きいです。

そのため舌の上をゆっくりお酒が流れ、ストレート型よりも味をしっかりと感じます。
旨味や甘味を捉えるため、余韻の酸味や苦味を隠してくれます。

話はそれますが、味を捉えるとき3段階で考えいてます。
口に含んで飲み込むまで、時間軸で前中後で捉えます。

前(アタック。強弱)
中(味のふくらみや複雑さを捉えます。)
後(飲み込んだ後の余韻。渋味や苦味、長さ、キレを捉えます。)

この流れを経過図で表すと、こちら。

経過図-コピー

急いで作ったのでざっくりな図ですが、こんな感じで図にすると、水色は膨らみがあり、ゆっくりと余韻を感じるお酒で、オレンジは膨らみがなく、ストンッとキレが良いお酒だなと細かく分析できます。

さらに、中間部分~余韻に米の特性が現れるように感じます。山田錦や雄町など晩稲米は膨らみや複雑味があり、五百万石など早稲米はスッと平坦な感じです。

また、中間部分の複雑味と味の膨らみ方と余韻の渋味のバランスで、熟成度合いを判断しています。
この味の捉え方の話は、いろいろなところで書いてとっ散らかっているので、そのうちnoteにまとめたいなと。

器のはなしに戻りまして、

*こんなお酒に*

香り穏やかな、旨味のある純米酒。(あんまり酸味が強くない方が良いかなと)
ゆっくりのんびり楽しむのに向いた器です。

はなおかでは、喜久酔特別純米、松の司生酛純米などが定番です。
焼き魚、煮魚などに合わせるときに活躍してくれます。


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