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【早稲田・慶應日本史】「年号を覚えなくても解ける」は通用しない!

年号はただの数字だから全然頭に入ってこない!

おそらく日本史の勉強をする多くの受験生が持つ悩みだと思います。
そして、「流れを覚えれば問題は解けるから」と言って年号暗記から逃げる。その気持ちはよくわかります。確かに、「流れで解けない問題はない」と豪語する予備校講師もいますしね...(ノーコメントにしておきますが)。

しかし、早稲田・慶應の日本史を攻略するために年号の暗記は必要です。
年号の暗記は、他の受験生に差をつける強力な武器になります。

そこで今回は日本史の年号暗記にフォーカスして、

 ⑴ 年号を覚えるべき2つの理由
 ⑵ 文化史の年号暗記は必要?
 ⑶ 日付まで覚えるの?

この3つの点を説明していきます。

⑴ 年号を覚えるべき2つの理由

先ほども書きましたが、年号暗記は早慶日本史の攻略に必須です。
ここではその2つの理由を説明します。

(理由1)因果関係では解けない並び替え問題に対応するため

早慶の日本史では出来事を並べ替えさせる問題が出ます。こういった問題では、因果関係を頼りにしても出来事の順番を判断できない問題が出てきます。こういう時に役立つのが年号なのです。

下の例を見てください。

鎖国に関わる以下の①~⑤の出来事を年代順に正しく並べたものはどれか。

 ① 元和の大殉教が起こった。
 ② スペイン船の来航が禁止された。
 ③ イギリスが平戸商館を閉鎖して退去した。
 ④ 日本人の海外渡航および帰国が全面禁止された。
 ⑤ ポルトガル船の来航が禁止された。 
             

 イ ①→③→⑤→②→④    
 ロ ③→①→②→⑤→④
 ハ ①→③→②→④→⑤         
 二 ③→①→⑤→②→④
 ホ ③→①→②→④→⑤


 2008年 早稲田社学 改



鎖国がポルトガル船の来航禁止で完成したことは、年号暗記をしていない受験生でも知っているでしょう。そのため、⑤が最後に来る選択肢が正解だとわかります。そこでハとホに絞れます。しかし、年号を暗記していないとここから1つに絞れません。①と③のどちらが先か判断できないのです。当然ここに因果関係は見えません。そうして、年号暗記をしていない受験生は勘で答えることになるのです。

ところが年号を覚えていたらどうでしょうか?
 ①:1622年
 ②:1624年
 ③:1623年
 ④:1635年
 ⑤:1639年

早慶頻出テーマである「鎖国の完成」において、この5つは必ず覚えるべき年号です。そしてこの年号を頼りにすれば、上の問題は5秒もかからずに答えがだとわかります。しかも、数字という明確な根拠があるので確信も持てます。ここに年号暗記をした受験生としていない受験生に大きな差が生まれるのです。


(理由2)アウトプットの助けになるから

年号暗記にはアウトプットを容易にする効果もあります。年号と出来事をセットにして覚えておくと、ひとつの出来事を忘れてしまった時、年号が思い出す手がかりになることがあるのです。これができるようになると暗記効率が格段に上がります。

かなり感覚的なことなので、実際にお見せします!下の年表を見てください。

(理由1)でも取り上げた「鎖国の完成」の範囲で、早慶受験生が覚えなければいけない出来事が一覧で載っています。

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実はこの年表には覚えやすい秘密があります。
年号の色をつけた部分に注目してください。まず緑色の部分で、1612・13・14と3年連続で国内の重要な出来事が起きています。
また次に、青色の部分を見てみると、1622・23・24と、これまた3年連続で重要な出来事が起きています。しかしこの3つは、“海外の”出来事とまとめることができます。

※1623年と24年はどっちがどっちか分からなくなってしまいがちですので、覚え方を示しておきます。1613年イギリス平戸に商館を建てています。(同じ紅毛人のオランダは、1609年平戸に商館。“”ギリスは、16“1”3年で、“”ランダは、16“0”9ねんです。このように紐づけてセットで覚えましょう。)
イギリスの退去は、商館を立てたちょうど10年後にと覚えれば、イギリス退去が1623年(=1613年+10)と分かり、23年と24年の順番がグチャグチャになることはありません。

さあこれで、1612~14、1622~24の出来事と年号をセットで覚えることが出来ましたね。

1610年代の「に、さん、よん」は、「直轄領に禁教令、全国に禁教令、高山右近マニラ追放」。

1620年代の「に、さん、よん」は、「元和の大殉教、イギリス退去、イスパニア来航禁止」ですよ。

※1616はスキップします。

最後に黄色の部分。ここでは1631年から+2ずつ(つまり、下1桁が奇数)の年で必ず何か起きています。また、赤い数字の3、5、9のつく年で出された禁止令は、いわゆる「鎖国令」と呼ばれるもので、なんとその名の通り年号も上から「359(サコク)」となっているのです。

これらの出来事は全て、「鎖国の完成」では外せないものです。隣の年号とセットに覚えていきましょう!

こうして見てみると、無理だと諦めていた年号が覚えられそうになってきませんか?

このように、年号に法則や、連続する年の出来事を見つけてセットで覚えることで、万一出来事を忘れた時も年号を手掛かりに思い出せることがあります。逆もまた然りです。もちろん、年号が問われた時も法則から導き出せたりできるようになります。

年号はアウトプットの助けになるということを、少しはお分かりいただけたでしょうか。

以上より、年号はできるだけ早いうちに出来事とセットで覚えてしまうことをお勧めします。

しかし最初はただの数字に見える人もいると思いますので、ある程度流れや前後関係を入れてから、出来事セットで年号を覚えることをオススメします!


⑵ 文化史の年号は必要?

文化史は作品名と作者名を覚えればいいと思っているあなた!
その勉強は危険です。早慶の日本史は作品名と作者名を覚えるのは大前提で、それに加えていつの時代かを覚えなくてはなりません。
では、年号まで覚える必要はあるのでしょうか?

例えば、東進の一問一答のp315の36番、
1901年に刊行された与謝野晶子の歌集「みだれ髪」は初めての女流にのる・・・
のような、書物や雑誌の年号などは覚えないといけないのでしょうか?

基本的に文化史に必要なのは「時代感」です。
与謝野晶子を例に出せば、『君死にたまふことなかれ』を書いていること、平塚らいてう母性保護論争を繰り広げたことがわかれば、彼女がいつ頃の人物なのかつかめますよね。この程度がわかっていれば時代感はつかめていると言えます。

書物や雑誌の年号に関しては、ほとんどがに上の例に当てはまりますが、『キング』『改造』など、その発刊年が問われるものもないことは無いので、こういった類のものは過去問を解いていきながら覚えることになると思います。決して最初から覚えようとしなくて大丈夫です。


⑶ 日付まで覚えるの?

日付について、覚えた方が良いのか?という質問を時々耳にします。
柳条湖事件や国恥記念日、終戦など、教養としての日付は知っていてもいいと思います。 

また、二次大戦周辺の、一年に大きな出来事が複数起こる場合は、日付は知ってると有利だったりします。
例えば、次の問題を見てください。

「1945年6月26日」以降の出来事として、正しいものはどれか。一つ選びなさい。 
 ア.沖縄戦が激しく繰り広げられた。
 イ.東京大空襲で約10万人が焼死した。
 ウ.ヤルタ会談がひらかれた。
 エ.ソ連が対日参戦した。
 オ.ドイツが無条件降伏した。

 2018年 早稲田文化構想 改


この問題はソ連の対日参戦が1945年8月8日であることを知っていれば、悩まずに一発で答えが出ます。この日付ですが、広島原爆投下が8月6日長崎原爆投下が8月9日でこれらに挟まれていることで有名ですし、覚えやすいです。このような日付は教養として覚えとくと有利です。

なお、他の選択肢の出来事が起こった月も、重要ですから、解説していきます。
まず、アの沖縄戦ですが、3月~5月と覚えておきましょう。(厳密な開始・終了の線引は困難ですので、あくまでも受験のため。)

イの、約10万人が焼死した東京大空襲は、3/10ですね。あまりにも有名です。教養として、抑えておきましょう。

ウの、ヤルタ会談は、1945年2月F・ローズヴェルト(米)チャーチル(英)スターリン(ソ)の三者によって行われました。そしてこの会談で結ばれたのが、ソ連の旧領(千島など)の回復と対日参戦(秘密協定)等を決定した、ヤルタ協定でしたね。
ここでは長くなるので省略しますが、二次大戦末期の3つの大きな会談は必ず覚えるように!

オの、ドイツの無条件降伏ですが、これも5月とおぼえておきましょう。ヒトラーの自殺が、沖縄戦で沖縄の人々がボロボロになっている真っ最中であるというイメージをもって、4月と覚えます。その次の月の5月というイメージですね。

そもそも、日付まで書かれている出来事がそう多くないと思います。月でも、1948年のロイヤルの演説と政令201号など、年内での順序が並び替えで問われる(月が直接問われるのではなく、あくまで順序が問われるのみ)ことがごく稀にあるくらいですし、過去問で出会ったら覚えるくらいで良いと思います。

これまで説明した以上の日付の暗記は必要ありません。 


最後に

3つの点から年号の必要性を説明してきました。年号の暗記は、問題を解くときも、普段の通史学習のアウトプットの際も役に立ちます。
最初は覚えるのもつらいと思いますが、逃げずに繰り返して、一つ一つ、出来事とセットに覚えていきましょう!

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しかし、学生側から「もっと本気の指導がしたい」ということを何度か言われ、どこかのタイミングで対応する必要があると思っていました。

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逆に言えば、そこまで本気のアドバイスをしますし、厳しいことを言われるのが苦手な方は参加を見合わせていただくようお願いします。

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<退会ルール>
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④費用に関して

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