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自己肯定感の低い日本、高いドイツ

小学校で担任の先生だったら、よかったなあと思いながらいつも読んでいるりょーやんさんの記事で面白いのがありました。

また、タイムリーにYutakaさんの「日本人の謙遜」についての記事で、日本人は褒めるのが下手というコメントもいただいていました。

https://note.com/yutaka967/n/nd0596643a39e

詳しくはどちらも元記事を読んでいただくのがいいのですが、かいつまんでいうと、日本人は自己肯定感が低いという話です。

https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/syukatsu/syukatsu715/

このグラフでは、もちろん日本と比べれば高いですが、他国と比べると大して高くはありません。
これは、戦後教育の賜物だと思います。
最近の若者世代は移民もすごく増えてまた変わってきていると思いますが、私世代(日本でいう第二次ベビーブーム)は、「ドイツが嫌いだ」「ドイツ人でいることが恥ずかしい」という人がとても多かったんです。

もちろん、日本もドイツも侵略戦争をしようとしたことは悪いことです。
でも、次世代がここまで心を折られる必要があるのかと思うくらい痛々しかったです。

今でもうちの子たちの学校でも、手を垂直に挙げる(いわゆる日本の挙手)だけで、校長室への呼び出し確定です。
「ハイル(万歳)ヒットラー」を連想されるポーズは厳禁です。
本当は斜め45度なんですけど、垂直でもダメです。

一度私がにほんごクラブで、「分かった人は手を挙げて」と言って、日本式に手を挙げたら、みんなに息を呑まれました。
「あ!」っと気付いて、「日本ではこうやって手を挙げます」と説明したんだけど、あとから子どもたちに「校長室呼び出しだよ!」と怒られました。
(じゃあ、ちなみにドイツではどう挙手するかというと、人差し指を1本立てて手を挙げます。
段々学年が上がってくると、肘とかはついたまま、1本指です。
わざわざ指をひっくり返してみせる人もいます。
大人になると、挙げてるんだかよく分からない高さで、手をひっくり返して、挙げる人が多いかな・・・)

それから日本の地図のお寺のマーク「卍」も大騒ぎです。
これは何!!と。
正確には、ハーケンクロイツとは向きが違うんですけどね。
それくらいナチ時代はタブーです。
(ちなみにヒットラーはオーストリア人です。)

しかし、お酒が入ると、実はドイツ人という誇りを持っているのが分かるときがあります。
日本人だと分かると、「次はイタリア抜きでやろう」と言われたことがある人は、一人や二人じゃありません。

まあ、それはさておき、戦後の反戦教育で、学校教育で注視されたのは、教員が権限を持たないことだったそうです。
トップダウン時代の終焉とでもいうことでしょうか。
上のいうことを聞くのじゃなく、自分で行動するようにということ。
それから、クラスで例え自分が最後の人になったとしても、Nein(No)と言える人間であるように、と。

ナチ時代はSS(秘密警察)ににらまれないように、普通のドイツ人が告げ口をするということがあったようですね。
正しくないと分かっていても、やってしまう人間の弱さ。
それを子どもたちには、最後まで自分の意見を突きとおせと教えるようにしたとか。
(実際はあんまり感じませんが、先生の権威はないです!)

ドイツも以前は規律を重んじる、日本人ととても共通すところのある民族でした。
でも、それが故に軍国主義になってしまった。
その反省から、いろんなところが緩くなっていきました。

自分への満足度も、「そう思う」は3割しかいないけど、「どちらかというと」と思う人は5割いる。
そして、面白いのは、ドイツ人は「自分は役に立つ」と思っているのですね。

【自分は役に立たないと強く感じる】
=とてもそう思う/まあそう思うの割合

日本・・・47.1%
米国・・・46.7%
韓国・・・50.3%
イギリス・・・53.4%
ドイツ・・・20.9%
フランス・・・29.5%
スウェーデン・・・22.7%

ドイツは昔ながらの徒弟(マイスター)制度が今でも生きていて、いわゆる高卒の人は専門職を実技と理論の二輪で2,3年学びます。
だから、プロ意識が高いと思います。
日本みたいに大学をなんとなく出て、会社もあちこちの部署を経験して、ということはありません。

好きなことをとことんやるのは、幼稚園時代から育まれます。
日本みたいに、「はい、今は折り紙。次は歌。そのあと園庭で外遊び」みたいにどれもこれもしません。
したい子は1日中工作してるし、1日中外にいる子もいます。
ドイツはスペシャリストを育てる。
日本はゼネラリストを育てようとして・・・成功してます?

りょーやんさんは、『ドイツ人はなぜ「自己肯定感」が高いのか』(小学館)を紹介し、その中のドイツ人の特徴を書いてくださっていたんですが・・・

・ノーメイク
・自分軸
・流行を追わない
・子育ても手を抜く
・客と店員は対等
・休みのために働く

どれも納得!
ドイツにもばっちりメイクの人はいるけど、大体東欧系やトルコ系の女性です。
美しくあることが大事という価値観は古い感じがします。
羊何頭と娘を交換するような時代の考え方というか・・・

自分のためのメイクならいいんです。
好きでしてるなら。
でも、身だしなみとか男性の目のためっていうのは、悲しい。
第三者に一生よっかかっていく暮らしを選択したいのかなあ・・・

あ、もちろん、スポーツが得意な人とか、頭脳派とかと同じように、美しいのが特技(?)という人がいてもいい。
芸能系の人とかね。
でも、全員同じじゃなくてもいいと思うんだな。
したい人はする、したくない人はしない。

美醜はどうでもよくて、大事なのは中身だというのがドイツ式かも。
プレゼントも日本みたいな過剰包装じゃなく、中身重視です。
どちらのが豊かな社会かというと、ドイツ式だと思うのは、身びいきなのでしょうか。

労働内容もそうです。
日本なら、「〇〇株式会社御中 ご担当〇〇さま 平素より大変お世話になっております。先般は弊社までお越しいただき、誠にありがとうございました。さて、本日ご連絡させていただきましたのは・・・」で始まるメールも、ドイツなら「Hallo 〇〇、あれ送ってください。」で終わりです。
日本の会社からドイツの会社に転職した人が、同じような仕事をドイツでは4分の1の人数でやっている!と言っていました。

無駄を省いて、あれこれうるさいこと言わなければ、こんな楽なことはないんです。
でも、それは顧客側も我慢しないとなりません。
日本人がその不便さを我慢できるでしょうか??
100m圏内にコンビニが複数あるような国の人たちが?
ドイツなんて日曜日は買い物できないんですよw

ドイツにはドイツの良さがあるし、日本にもあります。
欠点ももちろんそれぞれあります。
違って当然なんだから、日本にドイツになれとは言えません。

でも、もし自己肯定感を高めようとするなら、まずはルールを緩めるところから始めたらいいんじゃないかと思います。

娘がこの秋、日本の中学校に体験入学に行くんですが、
「ピアス、ダメだからね」
「なんで?!」
「髪も結べって言われるかも。みつあみとか決まってるかも」
「なんで?!」
「私服でいいって言われてても、へそ出しは多分ダメ」
「なんで?!」
「ジーンズも穴、あいてないので」
「なんで~!!!!」
という感じでした。
でも、ダメって私は言ってしまったけど、そのまま行かせて、日本の中学生が「これがドイツの中学生なんだ~!!!!!」って思うのもありなのかもしれません。

私は多分二度とルールギチギチの日本には戻りません。。。。



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