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リーダー活動の何が授業に役立っているか

先日、リーダー経験が授業に役立つとは書いたけど、じゃあ実際に何のどんなところが役に立つかは分からないと思われたので、補足!

私が学生のころにしていたのは、いわゆるレクリエーションリーダーとか、キャンプリーダーと呼ばれるもので、子どもたちを指導する立場だ。

私のいた団体は特に「組織キャンプ」の団体として、自分のところ主催のキャンプもしていたけど、キャンプ活動を営利活動、非営利活動の一環として行う企業自治体などから請け負って、プログラムをしていた。

ボーイスカウト・ガールスカウト出身者も多くて(私も!)、結構理念とか目的、目標にこだわるような、固めのところだった。
ところが、そこにYMCAとかYWCA出身の人もいて、こちらは「楽しきゃいいじゃん!」というノリで、全然違うのでとても驚いた記憶がある。

例えば、キャンプで片付けをするというテーマで話していたときのこと。
スカウト出身は「感謝の気持ちで」とか、「奉仕」という切り口で話す。
私も「来た時よりも美しく。残すものは感謝のみ」で育ったので、何も考えずに受けれていた。
すると、YMCA出身のリーダーが
「ただの片付けなんでしょ、じゃあゲームにすればいいじゃん。
『ゴミたくさん集めたら勝ちね、ヨーイドン』って」
と言った。
私的には目から鱗の発言だった。
まあ、競争がいいかどうかは検討の余地があるかもだけど、そこに必ずしも教育的要素がなくてもありなのかなあ、と。

まあ、とにもかくにもそんな固めの団体であったので、プログラムの組み立てなどは、とても勉強になった。
何かプログラムを行うとして、目的は何か、時間構成は、必要な備品は、場所は、危ない要素はないかというのを自然に考えられるようになった。

時間構成は特に、今作文指導でよくいう「初め中終わり」ではないけど、導入があって、中があって、まとめがあります。
盛り上がりをどこに作るかとか、どう終わらせるかとか。
今も基本的にそういう考えで授業をしているし、「めあて」を考えて、達成するという流れにしています。

プログラム(授業)を進行するというのは、「流れ」を見る、俯瞰する目も大切だ。
進行しつつ、時間も見るし(あと〇分だ!)、参加者(生徒)の表情も見るし(分かったかな、つまらないかな、楽しいかな)、盛り上がりすぎて暴走してないかというようなことも見ている。

進行役が別にいるときであれば、同じように観察もしているし、もし進行役が言い洩らしたり、気づいていないところがあればフォローする。
そのときに、「おーい! あれいうの、忘れてるよ!」というように、面子を傷つける言い方はしない。
「質問です! こういうときはどうしたらいいですか?」
という体を装って、フォローするわけ。
そういうリーダー同士の連携というのは、今はない(今は教室に一人~!)ので、懐かしく思う。

一方通行じゃなくて、何か言ったりやったりすれば、参加者(生徒)から反応がある。
予想外の反応のときもある!
参加者は複数なので、面白さとか盛り上がりというのはすぐにうつっていくけど、つまらない場合とか緊張もうつしあっている。
それをどう面白くするか、ほぐすかというのが腕の見せ所なわけだ。
氷がとけていくように、笑顔が見えてくるので、こういう最初の部分をアイスブレーキングと言う。
みんな楽しいことを目的に参加しているので、ちょっと火口があれば、燃え上がりやすいはず。
参加者をどんどん巻き込んでいくのは、とても楽しい。

それから、説明の仕方。
プログラムとかゲームの説明の仕方もトレーニングを受けた。
単純なことだけど、話す前に視線を集めること!

補習校の幼稚部担当だった先生で、いつも太鼓をどんどん叩いている人がいた。
子どもがうるさいから、その上を行こうという作戦?
教室はいつもにぎやかだったそうだ。

その翌年、そのクラスが進級し、次の担任はちょっと年配の先生。
声も大きくないし、すごく笑顔というわけでもない。
でも、その先生が前に出ると、子どもたちがすっと落ち着いて、話を聞く体制になったと、保護者がびっくりしていた。
まあ、それはオーラとか、雰囲気とかマネできるものではないけど、まず耳を傾けさせる、注意を向けるというのは必要。

ドイツの幼稚園では、日本人的に「きつね」に見えるハンドサインをする。
合わさった親指中指薬指が「口を閉じて」を示し、立った人差し指、小指が「耳を開けて!」を示す。
先生がこのサインをしたら、子どもたちもサインを返して、「口を閉じて、耳を開け」ないとならない。
まあ似たような方法は色々あって、最初に約束をしておけば、大きな声で「はーい!! みんな聞いて~!!!!」としなくても済む。

説明の仕方自体も、何の説明をするのか話してから始める
「今からカレーの作り方を説明します」
とか、数字を挙げて説明する
「手順は3つです。1つ、野菜肉を切ります、2つ、炒めます、
3つ、煮ます」
「持ち物は2つです。はさみとのりを持ってきてください」
とか、動く場合の指示は1回になるべく1つ
「手を洗ったら、また席に戻ってください」
(「手を洗って、あれしてこれして、こうしてください」は忘れる!)
などのこつをたくさん習った。
話し方自体も訓練したり、他の人のよいとこを真似たりで、練習したことのない人よりはうまく説明できると思う。

人前で何か話すというのは、絶対に訓練が必要だ。
もし、将来そういう仕事を考えている人がいたら、アルバイトとかボランディアで、訓練しておくと、とても役に立つと思う。


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