あけはら@アップダウン構造

20歳から技術翻訳を始めプロ翻訳数十年。神道を行じつつ、日本語と英語の構造の違いに悩ま…

あけはら@アップダウン構造

20歳から技術翻訳を始めプロ翻訳数十年。神道を行じつつ、日本語と英語の構造の違いに悩まされた結果「日本語アップダウン構造」を発見。「英語ショートカット構造」との比較から日本人の心性を論理的に解明。著書■『日本語は神である』■『日本人の特殊感覚』■『神道読本(一)父と母と産土の神』

最近の記事

万引きの極意は無心にあり?

1. 万引きは犯罪 万引きは犯罪です。しかも割に合わない犯罪です。  万引きなど、決してすべきではありません。  この文章をご覧になるほどの人であれば、万引きなど無縁のことでありましょう。  ところが、かく言うこの私、実は昔、万引きを・・・  いや、正確には、万引きらしき事を・・・  いや、もっと正確には、ほんとの万引きを・・・ してしまったことがあるのです。 2. 紀伊国屋書店で本を見て 今から数十年前、私が三十歳前後の頃でした。  当時の私は、合気道部を卒業して、

    • 南極と北極、どちらが寒い?

      南極も北極も、一年中、氷に閉ざされた世界。 では、南極と北極と、どちらが寒いでしょうか? 答えは、  ↓  ↓  ↓ この記事をお読みください。 北のイメージと南のイメージ「北極」と「南極」ではなく、「北」という言葉と「南」という言葉のイメージからすると、北は寒い感じがします。南は暖かい感じがします。 「極北の地」は寒々しい。南洋の楽園は、あったかい感じがします。 「北」には、厳しく、寒く、心が引き締まるようなイメージがあります。 「南」には、のんびりとして、暖かく、心が

      • 三日月の神

         明日は旧暦の三日です。  旧暦三日の月を、三日月と申し上げます。  それに因んで、三日月の神の話をいたしましょう。  地球は自転しながら太陽の周りを公転しています。  その地球の周りを月が回っています。  月と地球との位置関係が変わるに連れて、月の姿は一定のサイクルで変化します。  新月に始まり、  三日月、  上弦(じょうげん)  満月、  下弦(かげん)  黒神(こくしん)三日月 と形を変えていきます。 (黒神三日月とは、新月の前三日の月。黒神三日月の三日後に新月

        • 明日は立秋祭(祝詞)

          明日(8/7)は立秋。 夏の暑さも、立秋以降は、残暑となります。 立秋翌日(8/8)にはオリンピック閉会式。 何やかやと騒ぎながらも、季節は確実に移り変わっていきます。 何もしなくても、秋はやってくるのでありますが、 その時の流れに、神様の働きが現れます。 秋をもたらす神様がいらっしゃいます。 大穴牟遅(おほあなむち)大神を 「秋をもたらしの大神」と申し上げます。 春をもたらす神様もいらっしゃいます。 少那彦名(すくなひこな)大神を 「春告げの大神」と申し上げます。

          20歳から技術翻訳を始めプロ翻訳数十年。神道を行じつつ、日本語と英語の構造の違いに悩まされた結果「日本語アップダウン構造」を発見。「英語ショートカット構造」との比較から日本人の心性を論理的に解明。著書■『日本語は神である』■『日本人の特殊感覚』■『神道読本(一)父と母と産土の神』

          20歳から技術翻訳を始めプロ翻訳数十年。神道を行じつつ、日本語と英語の構造の違いに悩まされた結果「日本語アップダウン構造」を発見。「英語ショートカット構造」との比較から日本人の心性を論理的に解明。著書■『日本語は神である』■『日本人の特殊感覚』■『神道読本(一)父と母と産土の神』

          今日は満月(旧暦6月15日)。 満月祭をお仕えしました。 あいにく月は雲に隠れて拝することができませんでしたが、月が地球に及ぼす働きに変わりはありません。 満月の日には地球に急激な力がかかるので、それを緩和して調整するということが、満月祭の一義としてあります。

          今日は満月(旧暦6月15日)。 満月祭をお仕えしました。 あいにく月は雲に隠れて拝することができませんでしたが、月が地球に及ぼす働きに変わりはありません。 満月の日には地球に急激な力がかかるので、それを緩和して調整するということが、満月祭の一義としてあります。

          「神様は生の米を食べるの?」と幼い子が

          米、塩、水を供えて神祭りをする。幼い子がそれをみて言った。 神様は生のお米を食べるの? お供えの素饌(そせん、米塩水酒)や五穀は神様がお食べになるのではない。米の力、塩の力、水の力、酒の力をお使いになるのである。 米にはコメの力がある。 一粒の米が出来上がるには、大地の力、水の力、日の力が必要である。 夜には月の光が射す、星が響きを伝える。風が吹く、雨が降る。 そういうもの一切を凝縮して一粒の米となる。 それを神前にお供えして祭りをお仕えする。 神々がその供え物の力を使

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          彼と彼女のテネシーワルツ(男女で歌詞が変わる)

          英語のテネシーワルツは、歌手が男性の場合と女性の場合とで、歌詞が変化するとことご存知であろうか? テネシーワルツは翻訳作業を助けてくれた二十歳の時から翻訳の世界に入り、英文を書き続けて50年を越えた。 翻訳の際にバックグラウンドミュージックとして、ずいぶんとお世話になったのがカントリーウエスタンである。中でもテネシーワルツには格別の思いをもっている。 テネシーワルツは、私の翻訳作業を大いに助けてくれた。 神道を行じ産土を貴ぶ私をみて、友人たちは、「君は3ヶ月と外国生活は持

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          身土不二の深い意味は産土を理解してこそ

           食養の世界で「身土不二(しんどふじ)」という言葉がある。  人間の身体は、土と不二であって異なるものではない。    大地の産物を食べて人間の肉体細胞が作られることから、「身土不二」という言葉が生まれたのである。  しかし、「身土不二」の深い意味を、産土の神に対する感覚を含めて、もう一歩進めて受け止める必要があるのではなかろうか。  「身土不二」である、だから自分の土地の産物を食べましょう、それが自分の身体を調える基本になり、その土地の産業の振興にもなり、郷土の発展に

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          唾液は神液

          ここしばらく、朝昼晩と一日3回、鎮魂を修している。 祝詞を唱えて、呼吸をする。ただそれだけのことであるが、身体の調子が整えられてすこぶる快調である。 夏バテという言葉は、我が家とは無関係である。 ご飯をいただくと、戴いた米が、腹の中でまたおいしく感じられる。 身体が栄養を吸い込んで潤っていくという喜びを感じるのである。 鎮魂中には、とりわけ口中に唾液がこんこんとわき出てくる。 さすがに赤ちゃんにはかなわないであろうが、それにしてもこんなに唾液が湧いてくるのかと思えるほどに

          芥川竜之介『鼻』と整形と儒教精神、そして日本語

          芥川竜之介『鼻』 芥川龍之介の『鼻』は中学高校の教科書にも掲載されているようで、その話よく知られている。念の為にその概略を記す  禅智内供(ぜんちないぐ)というお坊さんの鼻は、長さ五六寸もあって顎(あご)の下まで下がっている。内供は表面上はこの鼻を気にしていない振りをしていたが、内心は深く苦に病んでいた。  ある医者の薦めにしたがって、その鼻を熱湯で茹でて弟子に履ませ、また茹でて、という治療法を施した所、象のような鼻がすっかり短くなって鍵鼻となった。内供は鏡で短くなった鼻

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          最近の野鳥たちは、どんくさい(野鳥の生態の変化)

          どんくさいおチビちゃんたち 川沿いの道を自転車でゆっくりと走向していた。 目前で、おチビちゃんたちが遊んでいる。 おーい、君たち、通してちょうだいね。 ところが、このおチビちゃんたちが、どんくさいのです。 (「どんくさい」とは、京都の言葉で、「鈍臭い」と書くと分かるように、じれったくなるほどのろのろしている様子。) なかなか、道を空けてくれない。 別段、自転車を高速ですっ飛ばしているワケでもない。 ゆっくりとおチビちゃんたちに近づくのですが、このおチビちゃんたちは平気で

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          膝は霊座(ヒザ)

          祝詞を奏上したり、鎮魂して呼吸法を行じたるする際に、両手を合わせて合掌することもあり、両手を左右の膝に置くこともある。 この膝が、神宝となる。 毎朝の朝拝祝詞で、大國魂の神を及び申し上げる際には、両手を左右の膝頭に置く。 大國魂の神は、男神女神二柱に分かれて、大國魂彦の神と大国魂姫の神となるのだが、左の膝が大国魂彦の神の依り代となり、右の膝が大国魂姫の神の依り代となる。 左右の膝に両手を置いて、大国魂彦と姫の神が我が身に降臨なさり、我が身が大国魂の神と化転すると想いつつ、

          人を恐れぬヤブ蚊が恐れるものは

          ヤブ蚊は人を恐れない近くの川の縁を自転車で走行していて、ヤブ蚊の大群に突き当たることがあります。 一瞬、顔面に砂をぶっかけられたような感じがします。 目といわず、口と言わず、どこへでも遠慮なしにぶつかってくる。 目の中に飛び込んでこられると一番困ります。 ヤブ蚊たちは、人が近寄っても逃げようとはしません。 彼らは、人を恐れるということがありません。 もちろん、捕まえようとして追いかけると、逃げるとは思うのですが、基本的に彼らは人間を始め、哺乳動物を恐れて近寄らないと言うこ

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          Tea or coffee? と「確認する」外人妻と「察する」名人の森蘭丸

          織田信長の小姓を務めていた森蘭丸は、日本の「察する」文化の体現者といえます。一方、西洋は「確認する」文化。この対比が面白い。 Tea or coffee? と毎朝聞き続ける外人妻学生時代のフランス語の教師(日本人)が、英国人の奥さんについてぼやいていました。 その英国人の奥さんが毎朝毎朝、判で押したように聞いてくるというのです。”Tea or coffee?" (お茶にしますか、コーヒーにしますか)と。 彼はその度に「コーヒー」と決まって答え続けるのです。朝はコーヒーし

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          産土の神と人の生業(なりはひ)

          産土の 神の靈(みたま)の 無かりせば 本田親徳(ちかあつ)『産土百首』に次の一首があります。 産土の 神の靈(みたま)の 無かりせば 人の産業(なりはひ) 如何にかもせむ 【読み】うぶすなの かみのみたまの なかりせば ひとのなりはひ いかにかもせむ 【大意】産土の神のお働きがなければ、人が生計をたてる仕事が、どうにもなりたたないであろう。 この一首について、解説します。 産土の神と人の生業(なりはひ) 「なりわい」とは生業(せいぎょう)のこと。漁師さんであれば、漁

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