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【読書レビュー⑩】尾八原ジュージ「巣」

こんばんは。PisMaです。

少し間が空いてしまいましたね。本日も「巣」の続きから書いていこうと思います。

前回では桃花があの部屋の中で倒れ、目を覚まさなくなってしまいました。桃花は今後どうなっていくんでしょうか。

そのまま桃花と一緒に病院に駆け込んだ美苗。
入院しても桃花の容体は良くなりません。
何も出来ることがなくなった美苗はなす術なく家へと帰宅します。桃花のぬいぐるみなどの持ち物は皆一様に寂しそうで、後悔に苛まれているうちに美苗は眠ってしまいます。

何者かの足音で目を覚ますと、それはあの部屋の中から響いてくる足音でした。足音は桃花のものとよく似ています。扉を開けてしまうと消えてしまいそうで、美苗は扉の外からその足音を聞き続けることしか出来ないのでした。

仕事を休んだ美苗が公園でぼんやりと歩いていると、鬼頭がやってきます。ひどく息を切らした様子で、前にも渡された安物のぬいぐるみを手渡してきます。あの部屋にいるものを一時的に大人しくさせる、かなり効果のあったぬいぐるみの類であるとわかります。
ぬいぐるみを渡すと「私、遅くて、」と泣き出してしまった鬼頭に狼狽える美苗。文句の一つでも言ってやりたい気持ちだったのに派手に泣かれてしまったため、美苗はかなり毒気が削がれてしまったようでした。
美苗は鬼頭と会う回数を重ねるうち、この人がそんなに怪しい人ではないと認識するようになっていました。
鬼頭はあの部屋にいる怪異のことを説明してくれます。「あの部屋にいるソレはすごく人恋しいから、色んな人を呼ぶ。呼ばれた桃花の魂はあの部屋に半分いる」といった旨のことを教えてくれます。今後私はどうしたらいいかと尋ねる美苗に、鬼頭は力強く「あの部屋でお子さんの名前を呼ぶこと、健康でいること」とできることを伝えたあと、私も頑張りますからと鬼頭は答えてくれます。

桃花も目を覚まさなくなってしまった今、心の拠り所がほぼない美苗からしたら鬼頭は小さな希望の光だったんじゃないかと感じました。この異常状態と向き合い、アドバイスをしてくれる人がどれだけ心強いことか。

二人で引っ越すこともできなくなってしまったため、美苗はあの部屋で一人声をかけます。桃花が目を覚ますまでの美苗の戦いが始まったのでした。


本日はここまで。
鬼頭さんの人となりが段々わかってきましたね。彼女の存在は吉と出るか凶と出るか。

お相手は黄緑の魔女PisMaでした。
鬼頭さんは専門外のぬいぐるみを、今回の案件のためにめちゃくちゃ頑張って作っているんでしょうか。

おやすみなさい。

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