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【読書レビュー④】春日武彦「恐怖の正体」
こんばんは。PisMaです。
本日も本を読んでいました。
今回読んだのは第4章「娯楽としての恐怖」。
この章ではエンターテインメントとして昇華されるホラーや恐怖について扱っており、私が一番興味のあるテーマでした。
心霊スポットには行きたくないけど、心霊スポットに行った人の話は聞きたい。
呪いの降霊術はしたくないけど、降霊術にまつわる怪談は詳細を知りたい。
そんな私の抱えるホラーへの欲求は、ある種中途半端でなんだかなあと思っていたのですが…冒頭の前提の時点で少々驚きました。
「本物の恐怖なんて、精神衛生上よろしくない。(中略)人々が望むのは甘噛みの恐怖だ。本当に牙を立てて食いついてくる恐怖ではない。」
ホラーが好きな人は「恐怖もどき」、本当に自分に危害が及ぶようなものは求めていないのだとハッキリ綴られていました。
ここの「恐怖もどき」と判別する度合いが人によって違い、怖い話を聞くだけしか許せない私のような者から、心霊スポットへ行きたい人やこっくりさんをやりたい人まで様々なのでしょう。
また「怪談は好きだけど、自分のところに怪異がやってくる怪談は苦手」とか、「知ってしまうと怪異に汚染され、最後に殺されてしまう怪談」など、自分に危害が及ぶとされるタイプのお話は、ネタバレを気にしないものになってくると注意書きがされているものすらあります。
刺激がかなり強いので病みつきになる方もいると思いますが、苦手な方も多いのかもと考えるとこの話にも納得ですね。
甘噛みだと思っていたものが激しく食らいついてくるわけですから。
少し前に見たものだと、台湾の映画「呪詛」がこの類だったかと思います。ネットフリックスに加入している食らいつかれたい猛者はどうぞ。
そして恐怖小説「猫の手」についての紹介もありました。
猿の手という怪談に似たお話で、額に猫の手を押し付けながら願い事を三つ言うとなんでも叶えてくれるというウワサ。主人公となる大学生5人組がこの儀式を遊び半分で行うのですが…、最後はもう獣と人の中間のような生命体に身体を喰われるという、フィクションらしくも凄惨なエンドを迎えます。これはこちらに危害を加えてくるお話でないので好きですね。
恐怖小説の引用がたくさん出てくる本作。
どの話も興味深くて、タイミングがあれば図書館等で借りて読んでみたいところです。
本日はここまで。
感想メインとなってしまいましたが、また続きが読めましたら更新いたします。
お相手は黄緑の魔女PisMaでした。
恐怖は恐怖でも安全圏から。
おやすみなさい。
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