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色についての出鱈目(《春暁》のアレンジ)

iteration 1:
春眠不覚の夢から起こされた
落ちた、遠くで響く時雨
秋空を映る灰色の池
薄く琥珀の糸 そよ風によって散った
蚕は泣き止んだ
坊やの乳歯の色を盗んだ
透明な紗の幕
でたらめに大地へ放り出せて
その雨音を隠させた
赤い雨が降る場所は ここではないみたい
日が沈む
墨幕


iteration 2:
(甘鳥が枯れた枝で
葉にしみ込んだ
数滴の酒の雫を集う)
春眠(はるねむ)し、
不覚の夢から
起こされたり
窓際で、外へ見上げると
落ちた、遠くで響く時雨
そしてその雨滴の落ちた
静かな秋空を映る灰色の池
深く息を吸う
頬に掠る
薄く琥珀の糸 そよ風によって散った
蚕は泣き止んだ 多分
それで 誰かが
坊やの乳歯の色を盗んた
それを使って
作った透明な紗の幕を靡く
でたらめに大地へ放り出して
その雨音を隠せた
赤い雨が降る場所は ここではないみたい
森は動じないと知り
鳥が天へ戻る
日が沈む
墨幕


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