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王さまの本棚 67冊目

『リリーのすべて』

デイヴィッド・エバーショフ作/斉藤博昭訳/早川文庫

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いまLGBTq?いろんな言い方があって、どれが正しいのかすらわかっていない事柄を話題にするのは、わたしの手に余ることなので、そういった問題を目にするたび、わりと口をつぐみがちだったのですが、そうでもないか、そうでもないな。わたしのスタンスをはっきりさせておくと、『ほかの人のセクシュアリティに口を出すなんてナンセンス。』です。子どものいない我が家みたいな夫婦とどこが違うんでしょう。わたしの生殖能力については詮索ですら配慮される一方で、持って当たり前の権利をズカズカ踏み荒らされる人がいる。おかしくないですかー。そういう(未熟を自称する)理解者でありたいと思っています。
なんか文句あるなら言ってみろい。ってなもんです。

マイノリティを突き詰めると人間というマイノリティもマジョリティも内包した区分に行きつくので、不思議だなあとも思っています。
わたしは、人間を愛したい。

ところでこの本を、ブックトークオフという夫と出会った読書会に持って行って、何も考えずにふと、『わたしの夫が女性になっていったら、どうするかなあ……。』って言ってしまったのですよ。みんな顔見知りで、なんなら結婚式に来てくれた方もいらっしゃる中で。OH……
でも続きは、もう、惚気るしかないじゃないですか。だっていやだなあ、なんてミジンコほども思っていないわけで……夫むちゃくちゃ苦笑い。ごめんて。

そんなわけで、おおはずかしい!と相成った思い出の本でもあります。

ほんとかわいいんですよ、女子同士のキャッキャシーン。かわいくて悲しくてうつくしい。人間の魂と魂で、彼らは愛し合っているのです。

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