王さまの本棚 72冊目
『幸福な王子そのほか』
オスカー・ワイルド作/西村孝次訳/新潮文庫
このツイート中に気づいた衝撃。ハッピープリンス……謎のプリンス(ハリポタ)と同種の衝撃でありました。
さておいて、わたし、この表題作がとてもとても好きで、いつも涙が出てしまうのです。その町で最も清らかなもの、貴いものは、王子の心臓と死んだ燕だったのですから。神さまによるハッピーエンディングはよく見るものですが、そしてわたしは無宗教のものなので、厳密にこの結末を理解しているとはいいがたいのですが、無宗教だからこその理解もあると思っていて。
それは、神さまという存在への恐怖心のなさ、怖いもの知らずの心なのではないかと思います。唯一神やら絶対神といわれてもピンとこず、時に犠牲を強いる残酷さを知らず、ただ、最も正しく『清らかで貴い』登場人物、そう、登場人物として捉えているところからきているのかと思います。
わたしの燕好きはここから。
幸福を運ぶ鳥……ただ、思い返すたびに、『友人(現在疎遠)が、燕チャームと天然石のアクセサリーを作っていたとき、わたしが幸福の王子の燕みたいだねと言ったところ、webショップでそのすぐ後から幸福の王子モチーフです、と言い始めて、なんか、あなた、自分の作品をパクられるたびに激怒してたわよね……とモニョったこと』を思い出すので、ちょっと困っています。崖の上から捨てたいモニョ。
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