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王さまの本棚 61冊目
『ハイジ』
ヨハンナ・シュピーリ作/矢川澄子訳/パウル・ハイ絵/福音館書店刊
61、ハイジ
— 安野ニツカ (@nienoedda) August 8, 2020
高畑勲のハイジ も好きだし、原作のハイジも好き。別物として好き。たぶんアニメのハイジはペーターと結婚するし、原作のハイジは進学すると思う。どちらも良き。 pic.twitter.com/rIaoTb2MZF
ちょうどNEWな情報なのですが、来月(2021年6月)あたりに光文社古典新訳文庫から『ハイジ』の新訳がでるそうです。ほほう……買う?と思ったのですが、ハイジの翻訳にはそれほど不満も思い入れもないので(読めればよかった)、流します。はらはら~~~
もともと、買うときに福音館古典童話シリーズと岩波少年文庫とで迷ったのですが、訳をインターネットのレビューで比較して、より抒情的なほう、だったかな、を選択したんだったと思います。ちょっと記憶が定かでないのですが。
そしたら、おとなになった今でも見たことのない表現が出てきて焦りました。
「さらでだに」。文脈上、ようするに、さらに言うならば、というような意味だと思ったのですが、未確認。
ただ、こういう知らない言葉との出会いって子どものときにはもっと多かったと思うんです。わたしはずぼらな子どもだったので、いちいち辞書を引くという習慣が全くありませんでした。そもそも子ども用の辞書が我が家にやってきたのが小学生も高学年に入ってからのことで、それまではふっるい広辞苑(第何版だろう、年期のはいったもの)しかなかったのですから。いま、ハイジを少し読んでいたので口調が少し移っています。いやんはずかし。
で、わからない言葉なりに文脈で想像することが多かったし、それでもわからない言葉はほうっておいて、別の本で出てきたときにまた文脈で考える。わたしの語彙はそうやって形成されてきたのでした。
ホームレスより先にこじきという言葉を覚えたし、差別用語と知る前にびっこやめくらという言葉を覚えました。ただ、それらの言葉がちょっと現代にそぐわないということを知ったのは、小学生低学年のころ、三宮でホームレスの人を見かけたときのことです。
現代にもそういう暮らしをしている人がいるということに衝撃を受けて、残酷にも、自分の恵まれた身の上を自覚したのでした。そういうことを教えてくれたのは母だったり、やはり本だったりしたものでした。
ところで、岩波少年文庫版のハイジを訳したのは上田真而子さん。こちら、はてしない物語を佐藤真理子さんと共訳した方なので、ドイツ語の邦訳すごい~~~!!ってなっています。すごい。
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