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第16回 「日本にも"悪魔崇拝"がある!鹿児島県のクロ教の謎を追う」


ーーー「光の多い所では、影も強くなる。」

ドイツの偉大な作家・ゲーテの言葉だ。では、この世における「光」とは何だろうか。人の精神を支え、世界を平和に導きうるものがそれに値する。そして、長い人類史を鑑みれば、それに最も適しているのは「宗教」であると分かる。

しかし、宗教は光であるとともに、歴史に影を落とし続けた存在でもある。全くゲーテの言う通りなのだ。例えば、キリスト教の信者は今や23 億人に迫る。多くの人を救い続けるキリスト教だが、それだけの強い光には、同程度の強さの影がつきまとう。悪魔崇拝(satanism)である。

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1980年代のアメリカでは、悪魔崇拝に基づく子供への虐待行動の報告が相次いだ。実際には、モラルパニックの類に過ぎなかったのだが、全米を恐怖のどん底に突き落としたことは事実であり、それだけのポテンシャルを抱えているのである。

読者の多くは、こんなオカルト話はキリスト教の浸透したアメリカだから起きた話であって、日本とは無縁であると考えていることだろう。しかし、それは全くもって見当外れである。

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事実、日本にも悪魔崇拝の文化は存在する。その名も「クロ教」。

その異端な文化は鹿児島県の離れ小島・甑島列島(こしきしま・れっとう)に存在すると言われている。鹿児島の西に位置するその島群は、かつての島原の乱の生き残りが、命からがら辿り着いたことで小文明が興ったと考えられている。

つまり、噂の悪魔崇拝・クロ教の起源はキリスト教なのである。ただ、幕府の目が行き届く本土には帰れぬ彼らは、自身の宗教を独自路線で進化させていった。

これは歴史を学べば明らかなことだが、田舎へと持ち込まれた宗教は過激な思想へと変貌することが多い。ロシアの鞭身派などが良い例だ。甑島列島に持ち込まれたキリスト教もその道を辿ったのだ。

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一説には、このクロ教と呼ばれる悪魔崇拝は現在も続いていると言われている。ただ、いまだに信仰を継続しているのは島内でも20戸ほどに過ぎず、悪いことに、徹底した秘密主義のためその真相は今日まで明るみに出ていない。

しかし、ベールに包まれたものほど中身が見たくなるというのが人の性。クロ教の実態を自称する情報は数多く出回っている。例えば、クロ教の信者の今際の際についてである。彼らは信者の誰かが死に瀕すると、其の者の生き血をすすり、臓物を生で喰らうという。いわゆるカニバリズムである。

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おそらくこれはかなり脚色された事実だろう。しかし、実際に信徒・司祭の家から白布で包まれ、血まみれになった遺体を運ぶ姿を目撃した者もいる。あながち、近からず遠からずといったところかもしれない。

この島も現在過疎化が進んでおり、それに伴いクロ教徒の人数も減少していることであろう。こうして人知れず、興味深い歴史の産物がこの世から無くなっていくのだ。いつか、信徒の誰かが暴露本を出版してくれることに賭けるしかない。

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[編集後記]

noteはプラットフォームの土壌的に都市伝説系はウケないかと思っていたのですが、意外と多くの方にご覧いただけているようです。

ちょっと悪魔について興味が湧いてきた方には、この本がお薦めです。さあ、あなたも悪魔崇拝の世界へ・・・

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参考文献

- excite ニュース: 『TVディレクターが語った、鹿児島の離島に伝わる「クロ宗」と"死の儀式"』, 2015年3月16日, https://www.excite.co.jp/news/article/Tocana_201503_post_5984/

- excite ニュース: 『ザビエルの弟子が作った?禁忌の風習が存在する?謎に満ちた「クロ宗」』, 2019年4月14日, https://www.excite.co.jp/news/article/Real_Live_45331/



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