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本当に美味しい台湾の屋台グルメ!夜市で食べ歩きたいディープな台湾グルメ②

4. 臭豆腐

臭豆腐とは、豆腐を野菜などを発酵させてつくった液体に1日ほど漬け込み、独特の風味や香りをつけたものです。この臭豆腐を高温の油で素揚げし、しょうゆベースのタレをかけて、台湾キムチと呼ばれる酢漬けのキャベツと一緒に食べる揚げ豆腐が、いわゆる夜市で食べられる定番の臭豆腐です。どこの夜市も、この臭豆腐の屋台から放たれる独特の香り(”匂い”もしくは“臭い”?)が一帯に漂っています。

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あまりの強烈な臭いで食べるのを敬遠していた人も、カリッと美味しそうに揚げられた実物をいざ目の前にすると、匂いとは裏腹に美味しそうなビジュアルで、意外と食べれてしまうことが多いみたいです。揚げたての臭豆腐は外側の衣はサクッとした食感で中はふんわりとしていて、付け合わせのお酢の効いた泡菜(台湾キムチ)と一緒に食べると絶品です。揚げ豆腐が好きな方にはぜひ挑戦してもらいたいグルメです。臭豆腐の不思議な美味しさに一度ハマってしまうと、色んな夜市の屋台を食べ比べしたくなるはずです。

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5. 豬血糕

豬血糕は名前からしてゲテモノ料理の雰囲気が漂いますが、台湾では日常的に食べられるグルメです。外国人にとっては臭豆腐と同じく、なかなかとっつきにくいと感じる人が多いようです。豬血糕は名前の通り、餅米に豚の血を混ぜて固めて蒸したもので、その見た目の赤黒さはもちろん血由来のものです。世界の奇妙な食べ物10品にもランクインしています。写真は台中の一中街夜市で豬血糕を販売しているおばあちゃんの小さな屋台なのですが、CNNニュースで世界の奇妙な食べ物として豬血糕が取り上げられた時に取材を受けた、知る人ぞ知る有名なおばあちゃんです。一中街夜市のちょうど中心あたりの、道路のど真ん中でいつも販売している名物店です。

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こちらがその有名なおばあちゃんの手作りの豬血糕です。注文すると蒸し器から豬血糕を取り、甘辛いタレを塗って花生粉(ピーナッツ粉)と香菜(パクチー)をたっぷりとまぶして、ビニール袋にくるんで渡してくれます。知らないとパッと見た感じでは、まるでチョコレートにきな粉がまぶされているようにも見えます。外見は真っ黒ですが、食べると中には餅米の白い粒が見えます。お餅のようにモチモチした食感で、更にはまわりのタレが甘辛いのもあって、まさしく五平餅にそっくりです。

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血の臭みなどは全くなく、ついでに味のインパクトもそれほどないので、花生粉と香菜の役割が実はとても重要です。これでもかと花生粉をたっぷりとまぶしてくれるので、かぶりつくと間違いなく口の周りが花生粉まみれになります。きれいにこぼさずに食べるには、ビニール袋をうまく駆使するのがコツです。注文の時にタレの辛さと香菜の有無を聞いてくれるので、苦手でなければ香菜は付けてもらうことをおすすめします。ピーナッツ粉と香菜の味の相性が想像以上にぴったりで、感動の美味しさです。

豬血糕はインパクトのある名前と見た目とは裏腹に、初めて食べてみると、至って普通の味に拍子抜けするはずです。想像するような血生臭さも全くなく、何も聞かされなかったら「黒米で作った餅なのかな?」と思うくらいクセのない味です。豬血糕は滷味(台湾式煮込み)や火鍋にも入っている定番の食材なので、台湾に住んでいると自然と豬血糕を珍味だと思えなくなります。ぜひ一度騙されたと思って食べてみてほしいグルメです。

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6. 鹽酥菇

夜市の揚げ物の屋台の定番と言えば、鶏肉や野菜など様々な食材をその場で揚げてくれる「鹽酥雞」ですが、そこから派生したキノコの揚げ物専門の屋台が「鹽酥菇」です。キノコの種類を選んだら、その場でフライヤーでカラッと揚げて、特製スパイスをたっぷりと振りかけてくれます。日本の唐揚げとは少し違った味わいで、衣にタピオカ粉を使った天ぷらのようなサクサクとした食感で、ピリッとスパイスの効いたスナック感覚です。安くて美味しい庶民の味です。

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キノコの種類は杏鮑菇(エリンギ)、香菇(シイタケ)、金針菇(エノキ)、秀珍菇(ヒラタケ)が定番です。単品の種類で注文もできますし、綜合(全種類ミックス)は一度に色んな種類のキノコの味わいを食べ比べすることができます。注文してから衣をつけてフライヤーで揚げます。すでに揚げたものが店頭に並んでいる時も、一緒にフライヤーで二度揚げしてくれるので、全部が出来立て熱々です。注文後は屋台のそばに立って待ちましょう。混んでなければ5~6分ですぐに出来上がります。仕上げのスパイス粉を振りかける時に、更に唐辛子粉をかけるか聞いてくることが多いので、辛さの好みを伝えましょう。スパイスはかなり豪快にたっぷりとかけてくれるので、私は予めスパイスは少なめにお願いしておいてちょうど良いぐらいです。

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出来上がったら紙カップにこんもりと盛ってくれます。揚げたて熱々を一口食べた時のサクサク感は絶品です。私が一番好きなキノコの種類は杏鮑菇、アワビのようなキノコということで日本でもおなじみのエリンギです。肉厚の杏鮑菇はジューシーで、スパイスの効いたサクサクの衣との相性が抜群です。プリプリの食感で、噛むごとにじゅわっと口に広がるキノコの風味が最高です。絶妙に配合されたスパイスも止まらない美味しさで、ビールとの相性も抜群です。熱いうちに食べるのが美味しいので、紙カップを片手に竹串でつまみながら夜市を食べ歩きするのがオススメです。

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7. 當歸土虱

台湾夜市では薬膳のローカルフードの屋台もあるので、敷居の高そうな薬膳料理にも手軽にチャレンジできます。賑やかなB級グルメの看板の屋台が連なる中、薬膳料理の屋台は何処となく渋い雰囲気を漂わせながら、ひっそりと独特の存在感を放って営業しているイメージです。若者で賑わう夜市ですが、薬膳の屋台に集まるお客さんは年齢層がぐっと高くなる気がします。

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ここの屋台は店頭で大きな鍋で薬膳スープを煮込んでいて、周囲に漂う漢方の香りに惹かれて食べてみました。この屋台の独特の香りの正体は「當歸」で、日本では「当帰」と書き、セリ科トウキ属の植物の根っこを乾燥させた漢方です。効能は女性に嬉しいものばかりで、血行の促進や冷えの解消に効果があるので、肩こり、腰痛、月経痛、月経不順、更年期障害、産前産後の不調、貧血の改善に効くと言われています。独特な香りと色が出ますが、台湾ではスープに入れて肉や魚などを煮込み、そのまま飲んだり麺と一緒に食べたりします。スープ自体の香りが強いので、肉や魚自体にクセがあるものも全て丸め込まれる感じです。

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こちらは當歸土虱です。「土虱」とはヒレナマズ、英語名はウォーキングキャットフィッシュと呼ばれる脂の多い魚です。魚といっても、ドーンと黒光りしたぶつ切りの塊が入っており、見た目のインパクトがかなりある一品です。見た目通りプルプルで、肉厚なボディーに対しても箸がスッと入るほどの柔らかさです。皮は分厚いゼラチン質で、脂っこいのかと思いきや意外と淡白な味わいで、肉質も鯛のようにしっかりとしています。ナマズと言われると泥臭いイメージがありますが、想像するような臭みは全くなく、高級魚のような肉質のしっかりとした味わいです。日本でナマズを食べる機会はあまりないとは思うので、ぜひ興味がある方は台湾の夜市で見つけて堪能してみてください。

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同じ屋台で骨がゴロゴロと入った藥膳排骨も食べました。骨の部分が多すぎて肉が全然ないように見えますが、骨の周りに薄く付いている肉の旨味がすごいです。煮込んである薬膳スープはふんわりと漢方の香りがして、飲むと体の内側からじんわりと温まります。見た目はなかなかインパクトがありますが、体に優しい味わいです。

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ここはスープを無料でおかわりすることができます。空の容器を店員さんに渡すと、すぐに熱々のスープを注ぎ足してくれます。薬膳とお酒のダブル効果で、スープを飲み干す頃には額からジワジワと汗が吹き出てきます。ただし、お酒(台湾の料理酒は米酒を使うことが多いです)がかなり効いているので、お酒が弱い人はほどほどにしておきましょう。周りには當歸土虱をつまみに、台灣生啤酒(台湾ビール)を飲んで一人飲みを楽しんでいるおじさんもちらほらいて、なかなかのローカルな渋い雰囲気に痺れます。

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以上が、台湾に住んでいた私のオススメする、地元民の愛するディープな夜市の屋台グルメでした。知っておかないと食べないであろう、なかなかハードルの高い珍グルメもあったかと思います。ここは食べず嫌いせず、日本では味わえない台湾ならではの夜市グルメに挑戦してみてください。ディープな台湾グルメを知れば知るほど、きっと台湾の夜市にハマること間違いなしです。次回はもう少し日本人にも馴染みのある夜市グルメを紹介したいと思いますので、こちらもお楽しみに!


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