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「鏡顔。④」/毎週ショートショートnote

僕達は最新技術のクローン。

制作者がこだわりのある人で。

クローンと呼ばず鏡顔と名づけた。

1号2号とつけていたが

次第に数が増えるにつれて。

番号は省略に。

クローン技術の進展は著しい。

クローンとは。

いわゆるコピー。

コピーを重ねると

劣化していくものだ。

最初は寿命が短かったりと問題が多々あったが。

制作者が開発した鏡顔クローン技術は。

完璧にオリジナルと同じだ。

だからなのか。

数が増えるにつれ、鏡顔たちは

自分こそ、オリジナルだと主張するようになった。

誰かのコピーとは存在意義を見失ってしまうものなのか。

僕はと言えば。

あまり深く考えず。

たくさんの兄弟がいるようなものと思っていた。

でも、鏡顔たちで殺しあいが始まった。

まったく。

僕には迷惑もいいところだ。

せっかくの命。

人生を謳歌したいのに。

隠れて生きるなんて。

そう考える僕は完璧なコピーでないようだ。

それで僕たちの偉大なる

オリジナルは、鏡顔0号と呼ばれた男でとっくの昔に自殺した。

ますます調子づいている、いとうをお許しください。
たらはかにさん、感謝感謝です。


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