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あなたのチョコちょうだい

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6年4組、斉藤雪です。好きな食べ物は、アイスとチョコとラーメンです。でも、もっと大好きなのは、1組の、ちょいと風変わりな男の子。大木雅哉くんです!!
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記事一覧

わたしのことが好きな人。

わたしの最近の悩みは、わたしの彼のこと。 わたしの文通相手でもあり、わたしの彼氏でもある…

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素直になれないのよね。

自分の心臓の音が聴こえる。バコンバコンて、胸が肺がどうにもならないくらいに激しく動き回っ…

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笑えなくなる。

くまモンの青いセーターが着れなくなった。それに、蛍光オレンジの毛糸のタイツも。お母ちゃん…

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親愛なるシュバルツ・ベア様

『お元気ですか? わたしは元気です。えーと、それで、わたしは、あのですね。 とにかくは、…

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返事がこないの。

大木雅哉くんに、わたしからの手紙は、もう届いているはずなのに、返事が全くこないの。 わた…

2

わたしの大切な人。

第一回目の詩が公開されたあの日以来、わたしは廊下に出ると具合が悪くなるようになった。だっ…

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君とは誰?

放課後、佐伯くんと一緒に早苗先生のお手伝いをした。詩集の表紙作り。画用紙を折りながら、早苗先生は好きな歌手の話をしていた。早苗先生は、26歳。今年度、よその学校から転勤してきた。 1学期の始業式の日。校庭で5年生のクラスのまま並んでいたわたし達の前に、4人の先生が並んだ。知らなくて、若くて、美人で、優しそうな先生がいた。あの先生のクラスがいい!! そこにいた新6年生は、みんなそう思ったことだろう。 1組から順に名前を呼ばれた。わたしは胸がドキドキしていた。ドキドキの原因は

ダメだダメだダメだ。

『 梅 斉藤雪 梅は咲くといい香り 梅の木に顔を近…

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電車に乗って

授業公開の日、なぜか兄が来た。4組のみんながざわついた。咲ちゃんと萌ちゃんがヒソヒソ話し…

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今年最初の雪

明日は雪が降る。テレビの天気予報にかじりついているわたしを見て、母も兄も、犬みたいだと笑…

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バレンタイン㊙︎大作戦!!

わたしは、お財布の中身と陳列棚に並ぶチョコレート達とを何度も何度も交互に見ながら、ずっと…

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弱虫で泣き虫で甘えん坊でいまもおねしょしてるかもしれないシュバルツ・ベア様

さっきから兄が笑っている。「し、し、し、し、し、し、し、し、し...」兄は、リビングのソフ…

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弱虫で泣き虫で甘えん坊でいまもおねしょしてるかもしれないシュバルツ・ベア様のつづ…

マサカリ対決よ!! こっちは相棒に熊がいるんだからねっ!! はっきり言って、金太郎は熊と…

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イチカバチカノコイ?

シュバルツ・ベア様宛の手紙を佐伯くんに渡すと、佐伯くんはニヤニヤして、「ラブレター?」と。 「####⁉︎⁉︎&&?!$¥€?‼︎‼︎⁉︎」 ほっぺがヒリヒリしているのか、佐伯くんは、右頰をスリスリ摩りながら、トボトボ1組へ。 佐伯くんの後ろ姿を見送りながら、わたしは、「ちょっと待った!」と声をかけるなら今のうちだよと心の中で何度も思っていた。 だって、あんな誹謗中傷な手紙。なんで、わたしは、あんなことを書いたのだろう? あの手紙を読んで、雅哉くんはどう思うかな?