平成22年度大谷高部員写真_072

きっかけをくれた本

人生に迷った時。

何かに没頭したい時。

自分を見つめなおしたい時。

答えを求めたい時。

時間をつぶしたい時。

移動中の時。

気分を変えたい時。


あなたはどういった時に、本を読みますか?



一冊の出会い


『超訳ニーチェの言葉』

という本を知っていますか?


僕が高校3年の時、今から10年位前に出版されたものなんですが、

テレビなどで取り上げられていたのを覚えています。



当時、僕は高校球児でした。

高校野球に憧れ、甲子園が人生最大の目標だったので、

文字通り野球に打ち込む日々を送っていました。

そして無事に完全燃焼することができ、

一切何の悔いも残すことなく

10年間の野球漬けの日々を完結させることができました。



で、引退を迎えた後に起こったことがあって。



最初は野球から解放された勢いで遊びまくって、

それはそれで新鮮でめちゃくちゃ楽しかったんですが、

だんだんと日々が進むにつれて


「あれ、俺はこれから何のために生きたらいいんや?」


って気持ちが出てきて。

燃え尽き症候群とも言いますか。



右肩にはカバンをかけない(当時の常識です)

右手で缶ジュースを開けない(指を切るから)

右肩を下にして寝ない

深爪に注意する

油ものは控える


などなど、

それまで日常の一つ一つのすべての行動の先にあった「野球」が

明日から何の関係もなくなる、となった途端、


俺から野球とると何もないやん


って思って。



大学も協定校推薦で早々と決まり、

余生を楽しむかのように残りの高校生活を楽しみつつ、

たらたらとしていました。



そんなある晩、よく観ていた深夜の「ビーバップハイヒール」っていう番組で、

ドイツの哲学者でニーチェって人が取り上げられていて。


それまで本にはほとんど触れてこなかった僕でしたが、

考えること自体は好きでした。


そして番組を観て、

人生で初めて、「この人の本買ってみよう」と思いました。

いわゆる「ピンときた」ってやつです(下記参照)。




はっ!そうか!

『ニーチェの言葉』は大きな章立てがある中で、

1ページごとに短文で完結されていて、

活字に苦手意識があった僕にはとても読みやすいものでした。


「ふんふん、なるほど、確かにそうかも」

などと思いながらぺらぺらとページを進めていると、

「生について」の章の中のある言葉が目に留まって。




今のこの人生を、もう一度そっくりそのままくり返してもかまわないという生き方をしてみよ。






「ああーーーーーーー」

って言葉にならない反応が脳内で起こって。当時の僕にガツンときて。


「これやわ」と。

「おい俺、のうのうとしてられへんぞ」と。



この言葉に出会って、自分の「生き方」を

真剣に意識するようになりました。





10年後の今


それから約10年がたつ今、

当時の僕には想像もつかなかったところにいるわけですが。


正直、少々の「ああしとけばよかったかな」はあります。

皆さんもそういったことはあるんじゃないでしょうか。


ただ、それは”後悔”とはとらえてなくて、

その時その瞬間の「自分の悔いのない選択」をしていたと思っていて。


月日がたてば考え方・見方も変わって

当時は見えてなかった視野で見えてきたりして、

結果その時思ってもいなかった方向で物事考えたりしていて。

「あーあの時は何もわかってなかったんやな」

ってことにはじめて気づけて。




逆にその時その瞬間、その選択をしていなかったら??

今ここにはつながっていないと思います。




今のこの人生を、もう一度そっくりそのままくり返してもかまわないという生き方

をするには??


今日一日、今この瞬間に向き合う



事かなと。


今をないがしろにして生きて、

死ぬ間際に「うーん俺の人生最高やったなあ」って多分言えないです。


だから、今目の前が一番かなと。



そんなことを思ったりします。







この本の一節で最後を。

「脱皮しない蛇は破滅する。人間も全く同じだ。古い考えの皮をいつまでもかぶっていれば、やがて内側から腐っていき、成長することなどできないどころか、死んでしまう。

常に新しく生きていくために、わたしたちは考えを新陳代謝させていかなくてはならないのだ。」








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