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泳ぐのに、安全でも適切でもありません

4月の逗子の海を泳ぎました。

逗子在住のスイムコーチによると、年に2回あるかないかの風と波で地元でないサーファーが多く、水温も低いとのことでした。

エマージェンシーフロートはマスト。
冷たい海に入ります。

水温17℃ぐらい。冷たい。波もある。
まずは、アップでブイからブイをぐるぐると10分間泳。

いつも、えいっ!と海水に顔をつけるのに勇気がいる。ゴーグルを通して見る逗子の海は透明度は低く、波もあるけど怖さはない。練習会という安心感がある。

泳ぎはじめると身体が温まってくる。

海を泳ぐのに重要なのは、ヘッドアップです。自分がどこを泳いでいるのか、頭を水面から出して前方確認し、その後水中に顔を戻します。ヘッドアップのドリルのあと、最後にまた10分間泳。

ヘッドアップしても波が高いとブイが見えません。
見えなくってもいい、見えなくっても焦らない。
何度かに1度見えればいい。見えたときに方向確認できれば。

波!

久しぶりに波の洗礼を受け、塩辛さを感じました。
泳いでいるうちに、寒さも波も気にならなくなります。
慣れてきました。

         ◇ ◇ ◇ ◇

江國香織さんの短編集、『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』は、「安全でも適切でない」海に飛び込んだ女性たちのお話しです。そこは人生や恋愛の海で、彼女たちもヘッドアップして方向確認しているのだけど、潔く躊躇わない。

人生は、安全でも適切ではない。

それを知り、経験することって大切なことなのかもしれません。人生でも、スイムでも。

水温は低いし、波もあるしサーファーで海は混んでいるし。だけど泳ぎだしたら身体は温まるし、波があっても腕と脚を動かしていれば前に進みます。

江國香織さんの小説の中の彼女たちのように、強く潔くもがく。もがくことって格好悪いけど、格好良いのかも。

トライアスロンは、人生に必要なことを教えてくれます。それは机上の理論だけではありません。身体を使います。

身体を使うことは、身につくと思います。

It’s not safe or suitable to swim.

No swimmingではありません。

泳げるところは、泳いでいたい。息継ぎして、ヘッドアップして、もがきながら。

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