私が好きな人は私のことを好きではなくて、私のことを好きな人を私は好きじゃない
どうしたって変えられない真理だと思う。
私が好きな人は私のことを好きではなくて、私のことを好きな人を私は好きじゃない。
私は毎回の返信に悩むのに、あなたは私からの連絡を何時間も放置して気が向いたときにふと返す。
私はSNSを駆使して探偵のようにあなたのことを調べるのに、あなたは私の連絡先さえも知ろうとはしない。
あなたの一挙一動を目で追ってあとで脳内再生を繰り返すのに、あなたは特に私を見つめることなく、ただの「女の子A」として私を存在させる。
甘い言葉をもらっても、嬉しくなる一方でそんな言葉が簡単に出てくるあなたを恨めしく思う。他の人にもそう言ってるんでしょ、と。
それなのに、あなたは私のことをたくさん知ろうとして、私はきっと好きになれないだろうなと思いながら返信を遅らせる。
あなたは「君の声が聴きたくなって」と言うけれど、私はあなたじゃなくてあの人だったら良かったのにと最低なことを考える。
会いたいとか、好きだよとか。あなたじゃなくて、あの人からの言葉だったらと思う。
そんなこと、叶うわけない。
いつも私が好きな人は私のことを好きではなくて、私のことを好きな人を私は好きじゃない。
あなたの真ん中に映る女の子でいられたらと、私だけに笑う顔でいてほしいと、強く願う。
あなたの好きなタイプや性格を知るほどあなたの隣にいるのは私ではないと理解するけど、それでも私だったら、と思う。
ちょろい女子大生の川添理来です。