見出し画像

「この生活が続くのが嫌だ」と思っている方へ

「入社6年目。営業ばかりやっていて先が見えない。今を変えたい、勉強したいけれど何をやったら良いか分からない」という質問を頂きました。

私は入社して5年目までLSI設計のエンジニアをやっていました。ひと月の残業は平均80時間、多い時には140時間でした。当時は横浜駅から歩いて15分くらいのところに住んでいたので、朝8時15分の横浜駅発のぎゅうぎゅう詰めの東海道線に乗って通勤していました。ふらふらになりながら職場に着き、それからぶっ通しで夜11時頃までずっとプログラムをしている、そんな毎日でした。

休日出勤もありましたし、休みの日は疲れて昼過ぎまで寝ていました。画面を見すぎて顔面神経痛になり、顔の片方はひきつっているし、全身にじんましんが出て病院で検査してもらうと「原因は不明です。ストレスですかね・・・」と言われました。誰よりも親が心配していました。

「今を変えたい、このままじゃいけない。死んだ魚の目をした大人になりたくない」と思った私は、とにかく思いつくかぎり、自分のやりたいことを探しました。これらは本当にやったことです。

・インテリアが大好きで、インテリアコーディネーター試験を受ける
・海外に行きたくて自費で2000万かけてパイロットの免許を本気で考える
・自衛隊の幹部候補生(パイロット)に応募をする
・弁理士を目指してLECの教材を買って勉強してみる
・不動産鑑定士の勉強する
・宅建の試験を受ける

どれも長い道のりですし、始めてみるとしっくり来ませんでした。そしてようやく決めた道は「英語を勉強してアメリカに移住する」でした。

それからというもの、来る日も来る日も、ずっと「どうやったら海外に移住できるか」を考えました。リクナビに海外転職のサイトを毎日見ていました。

私が描いたプランが、
①TOEICを取って、海外と仕事をする部署に移動させてもらう
②海外の仕事に転職をする

それからというもの終電で家に帰ってきてから夜中の2時、3時頃まで、英語を勉強しました。TOEIC関連の書籍を問題集を3冊買ってきて何周もしました。TOEICを連続で4回受けました。初めて受けたTOEICが715点、次が735点。社内の報奨金を4万円もらいました。次が755点を2回りました。社内の設定で最高レベルの730を超えて、報奨金を5万円もらいました。「最初のテスト、出し惜しみしたんじゃないのか?おめでとう」と事業部長が笑って言ってくれました。

いよいよ、上司に直談判します。「今の仕事はもう5年なので、新しいことをやりたい。英語を使って仕事をしたいから海外の部署へ移動したいです」

当時、半導体の技術職はどこも人で不足でしたから、転課はすぐに認められました。そしてすぐにアメリカのサン・ディエゴの展示会に出張で行かせてもらえることになりました。空いた時間ができたのでサンディエゴのロマ岬に立ち寄ったのは、2004年の5月29日でした。

ロマ

アメリカの圧倒的な大きさと豊かさ。今までとまったく違う景色がそこにありました。その時に思いました。

「1年後、ぜったいにここに戻ってくる!」

日本に戻ると必死に仕事をしました。人の仕事を貪欲に取りに行きました。そてい、なんとかしてアピールできる機会を探しました。アメリカのパートナー会社の社長が日本に来た時はべったりアテンドしました。そしていよいよその方に直談判のメールを書きました。送信ボタンを押すのを何時間もためらいながら、ついに決心をしてメールを送りました。

「アメリカで働きたいので、私を雇ってもらえませんか?」

ドキドキしながら過ごしたこの数日を今でも忘れません。返信がきました。

「出張に出ていて連絡が遅くなってごめんなさい。メールありがとう!ぜひチームの一員になってほしい」

翌日さっそく会社に相談しました。「アメリカに行きたいので転職します。〇〇社の社長が雇ってくれるというので」しかし日本企業でこんなことがまかり通るはずはありません。「アメリカに行きたいのはわかった。ただ会社は辞めるな。駐在で行けるように交渉してやるから。」事業部長はアメリカに長く住んでいた方で、グリーンカードを持っているくらい渡米には詳しかったのです。また直属の上司や同僚も「みんなでアメリカに送るよ」と会社を説得してくれました。そして晴れて駐在員として渡米しました。

そして、あれからちょうど1年経った2005年の5月29日

私は本当にサンディエゴのロマ岬に立っていました。ちょうど昨年に続いて同じ時期に開催された展示会に参加して思い出の地に立ち寄ってみたのです。よく考えてみたらなんと昨年とまったく同じ日だったのです。

人生はときどき素敵なことが起こるものです。

これらは決して私一人の力ではありません。私の夢を一緒に応援してくれた、たくさんの諸先輩、同僚、家族、みんなのおかげです。

今度は私がみなさんの夢を応援する番です。私は今まで経験してきたことをみなさんにシェアしていきたいと思っています。夢は一人で叶えるものではありません。あなたの一生懸命に夢を追う姿をきっと応援してくれる人がいます。私の夢は、皆さんの「ロマ岬」応援することです。

おわりに
ニックの29の質問では、みなさんからの質問を受け付けております。
こちらのインスタグラムよりメッセージをお願いいたします。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?