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#10人・技量・給料|ベトナム人ネイリストを面接。


■このマガジンについて

ベトナムホーチミン市にネイルサロンをオープンしたのは、2016年8月。
フリーフォトグラファーとして日本で気ままにやってきた私が、ベトナムで1からお店を作って、スタッフを持つなんて考えた事がありませんでした。
でも、あるとき海外でチャレンジしたい病にかかってしまったのです。
それからは、新鮮で刺激の多い日々...。


全てが初めてでどれも大変な作業の連続。落ち込む事も多いけれど喜びの方が多いんです。
だって、毎日楽しいんだもの。


■ベトナム人ネイリストを面接


「ベトナムでネイルサロンを作りたい!」と思い、一番最初に「ネイリストの面接をしなきゃ」と思った私。

サロンオープンを色々手伝ってくれたNgoc(ゴック)さんにFacebookで呼びかけてもらい出張に行く度に面接をした。

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どうしてネイリストの面接が一番最初だったのか?
最初から、日本↔ベトナムの遠隔経営をすると決めていた私にとって、ウエイトがもっとも高かったのが「人材」だった。
物件は予算を決めれば、場所は自ずと見つかるだろう。ネイルの道具はベトナムに無いなら輸入すればいい。
私が作りたいネイルサロンは「旅」がコンセプトだ。
旅ネイルをしに来てくれたお客様の気分を盛り上げるには「働く人」と「ネイルアート」は最優先。
だから、「ベトナム人ネイリストの雰囲気」「性格的な傾向」「私が作りたい旅ネイルアートを描く技量があるか」を見たかった。また、ネイリストのお給料を知って、サロンに必要な固定費の計算もしたかった。

ネイリストの面接では、CV(履歴書)と自分が描いたネイルアートサンプルを持参してもらう。

CVには、高校を含む全ての学歴や職歴、趣味や特技などが書かれていて、日本の「履歴書」と内容はほぼ同じ。

日本語の通訳スタッフは日本の履歴書フォーマットを使用していることが多く、馴染みがあるのでとても見やすい。

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CVを見つつ、用意していた質問シートの内容を聞いていく。

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実はこのシートを作る為に、「面接官必見!面接で使える50の質問集」みたいなwebを参考にさらに40項目ほど質問を作った。

けれど、ベトナムでは通訳者を挟んで質問するし、意図が伝わらない質問も多かった。

答えが返ってこなかった、聞いても意味がないと感じた質問
「どんなスタッフになりたい?」
「ネイルは今後、どうなって行くと思う?」
「あなたにとって美しい女性とは?」
すぐに答えが返ってきた。聞いて良かったと感じた質問
「ベトナム1区でネイルサロンをするにはどこがいい?」
「なぜ日本人オーナーのサロンで働きたい?」
「どんな時にストレスを感じる?」

抽象的な質問より、具体的で率直な質問をしたほうが◎

あと、「給料はいくら欲しい?」と聞くとほぼ全員「いくらでもいい」と返事が返ってくるので、「前職での給料はいくらだった?」と聞くと答えが返てくることも知った。

面接したネイリストたちの印象
・おしゃれが好きな女の子が多い
・通訳がいるとはいえ、外国人を前にして緊張している
・ネイルの技術についての質問は「できます」の即答が多い
・今の職場より自分が成長できる場所で働きたいと思っている

やったことがない事も、「やりたいです!」「私は練習したらできます!」というような前向きな回答が多かった。


持参してくれたネイルサンプルは、ネイル学校で練習した時のものや最近作ったアートサンプルなどもあった。

これらのアートは全部手書きで、よく見るとめちゃくちゃ細かい!

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ベトナム人女性は、3Dの花やグラデーションを利用した花のネイルアートが好みらしく、ネイル学校でもこういったアートを練習するそうだ。

これだけ描く技術があれば、デザインの方向性を変えるだけ。
多様なネイルアートに昇華できそう!

ベトナム人は手先が器用?
個人差はもちろんありますが、ベトナム人は手先が器用な人が多いと私も感じました。爪にあれだけ細かい絵を描けるなんて...。 本当にすごいと思う。ちなみに、ベトナム人の友人やスタッフに家族について質問すると、親族に縫製関係の仕事をしている人が1人はいるイメージがあります。
縫製も器用じゃないとできないよね。




面接してわかった事
・ネイルに絵を描く技術があり、とても上手
・具体的で率直な質問をしたほうが、有意義な回答を得られる
・どうやら日系サロンはローカルに比べ給料が高いようだ
・ベトナム1区でネイルサロンをするならベンタン市場の近くがベスト
・ベトナム人女性たちは、日本のネイルアートはあまり好きではないらしい
・日本のサロンで働く事は、ローカルで働くよりストレスを感じるようだ



■面接したネイリストにアートの課題を出してみた


面接に来てくれて、特にいいな!と思った2人のネイリストに「これをネイルアートにデザインしてほしい」とお願いしてみた。

それは、ベトナムの伝統陶器「バッチャン焼き」だ。

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このバッチャン焼きは全部手書きで、ベトナム土産として観光客にもも大人気。

ベトナムをモチーフにした「旅ネイル」で私が絶対に作りたいネイルアートの1つだった。


私が考案した「旅ネイル」とは↓



◎一人目のネイリストから送られてきた写真↓

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一番左上のネイルがバッチャン焼き柄をネイルアートにしたもの。
その他は、桜や梅の花柄など。
「私、これだけ色々できます!」と送ってきてくれた。

なるほど。私の作りたいネイルデザインかどうかは置いといて...。
描くことは得意なようだ。

しかし、もうちょっとシンプルでいい。
例えば、カラーは白ベースでアートの色もサンプル写真のように青一色で作りたい。

写真を相手に渡すだけでは、デザインする側も色々アレンジしちゃうよね...。

これは「自分の伝え方が悪かった」と反省した。
そしてこの経験を元に、私はもっと自分のイメージを言葉にして伝えた。

二人目のネイリストに伝えた私の作りたいネイルアートのイメージ
・ベースカラーは白のみ
・アートの色は参考写真のような青一色で
・中央には、菊の花を描いて、蔦の模様をバランス良く配置してほしい
・バッチャン焼きの絵師になった気持ちで、ネイルに絵を描いてください


◎二人目のネイリストから送られてきた写真↓

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おお!!まんま「バッチャン焼き」やん!!!(つ、つい関西弁が..)

ちょっと伝えることを丁寧にしたら、思い通りに仕上がった!

もし、私がベトナムに旅行に来て、こんなネイルアートが出来るサロンがあったら、何がなんでも時間を作って行っちゃう!

ベトナム人ネイリストにネイルデザインをお願いしてインプットしたこと
・面接したネイリストは確かに手先が器用だった
・おそらく練習やデザイン画を描かずとも、サクッとネイルアートにできる
(お願いしたその日に写真が来たため)
・デザインの方向性や、色味、ニュアンスをきちんと伝えたらさらに理想のデザインが上がってくる←ここ大事!

これは、嬉しいインプットができたなー。

やっぱ最初に面接してよかった。



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