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秋めく季節 お腹もなる

 ここ数日、パワーサラダなるものを夕食として食べています。

 3年ほど前、まだ母と一緒に暮らしていたときは自分の食べているものなんて特に気にしてきませんでした。寧ろ食について無頓着だったというべきでしょうか。その分、私自身の身体にも負担をかけていたように思います。
食べれるもの、口に入って咀嚼することができるもので、その日生きながらえれば申し分なかったのです。

 母の作るご飯は美味しく、小さいころから慣れ親しんだ味は、私の舌をいとも簡単に喜ばせてしまいます。反対に自分でご飯をつくる苦労も知るのが遅れていました。

 一人暮らしを始める少し前に、今後の生活資金や固定費を計算している中で、できるだけ節約したかった私は自炊もしなければと思い立ちました。そんな中、体も絞らなければならなかったので(昔はコスプレやランジェリーのレビューなどもしていた)、ダイエットも兼ねてみようとしたのです。
この時ばかりは極端なダイエットをしてしまい、体は絞れましたが健康上良くなく、果物一つと芋類、プロテインだけでは補いきれない栄養分がありました。

 しかし、そこで私が頼ったのが煙草だったのです。
煙草に含まれるニコチンには、食欲を抑制する働きがあります。そのためご飯を食べる前に煙草を吸い、ダイエットでの暴食を抑えていました。

※ちなみに今も煙草は吸いますが、気が向いた時だけになっているので月に6本くらい。最早なんで吸ってるの?と聞かれる始末です。

 野菜だといいはりポテトチップスを食べているような生活のまま、一人暮らしを始めた矢先、現在の仕事の話をもらったのですが、
「この宿では朝食も夕食も作ってるよ」
と、前宿主から言い放たれ、
絶対このままじゃだめだ!と、そこから料理をはじめ今に至ります。

 一人で暮らしていた一年間、外食費は月10,000万にし、1週間に1回の買い出しを2,000円と決めて生活送っていました。最初のころは簡単なものしか作れず時間もかかっていましたが、繰り返すことで慣れてきたのか、2か月たつ頃には今日は何を作ろうかと自転車を漕ぎながら機嫌よく考えるまでになっていました。

 ある日の夜、どうしても南蛮漬けが食べたくなり、クラシルでレシピを調べ、材料を買い込み作ったことがあります。いつも母が作ってくれた味より少し甘くなりましたが、私でも作れるのかと感動したことを覚えています。
ご飯は人に作ってもらうもので、私には作れないものとばかり思っていたことに気づき、母に甘えていたことや思っていたよりも簡単なことだったこと、洗い物が多く出ることなどの気づきや、色んな感情が織り交ざったまま食べた南蛮漬けは、私の自信になってくれました。

今ではご飯を提供する側に立ちましたが、未だに劇的な変化だなとふと思うことがあります。
食べた人が美味しいと言ってくれることが、こんなに嬉しいことだということを私は知らないままだったかもしれない。見える世界がまた一つ広がったことは、私の人生を以前より少し、鮮やかにしてくれています。

今日も鳴くお腹の虫は、私が私の手で満足させてあげられるよう手懐けているところです。

食欲の秋、今日の晩御飯はもう決めましたか?

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