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「女神魔王ハンハンパワー」第1話

あらすじ

サラリーマンの半田平は交通事故に巻き込まれ死亡した。
彼が行き着いた先は女神と大魔王が担当の異世界転生エリアだった。本来女神か大魔王どちらかが担当するし善悪の天秤のよって分けられるのだが半田平は両方のエリアの真ん中に落とされた。なんと彼には善と悪がなくそれを見た二人は自分たちのパワーを注ぎ込んで純度100%の善と悪を作ろうと思ったのだがお互いのパワーをピッタリの50%ずつ手に入れてしまった。それが影響なのか地球にいた頃より無表情、無感情になってしまった。成り行きで女神と大魔王のハンハンパワーの能力を手に彼は異世界で冒険者を始まることにした。

本文


私の名前は半田平、24歳のサラリーマンだった。そんな私は仕事帰り交通事故に巻き込まれ死亡。

次に目が覚めた時、私の目の前には女神と魔王がいました。

しかしながらその二人は何故か言い争いをしています。

女神「この子は私が受け持ちますので貴方は引き下がってください」

大魔王「何を言う、この小僧は私のものだ。貴様こそ何処に行くのだ」

半田 ”女神と魔王ってこんな感じなの”

半田「あの〜」

女神・大魔王『何ですの・何だ』

半田「すいません」

女神「あぁ!こちらこそごめんなさい、お目覚めになったのですね。紹介が遅れました。私は女神ハピネスそしてこちらの方が」

大魔王「大魔王ドンケルだ」

半田「よろしくお願いします。あのここは一体何処なんでしょうか」

ハピネス「そうでしたね。ではここは新たな人生を歩むための魂の窓口、ソウルフロント」

半田「ソウルフロント…」

ハピネス「ソウルフロントは二つに分断されており簡単に言いますと良いことをした人がシロ、悪いことをした人がクロにまずは選別されます。その二つの中にも色々な窓口がありまして、シロには楽しく謳歌したい天国エリア、再び地球に戻る輪廻転生エリア、そして私が受け持っている冒険者や魔物などが住む異世界転生エリアなどがあります」

ドンケル「我はクロの中でこの女と同じエリアの担当だ」

ハピネス「各エリアの選ばれ方なのですが、シロの場合、この世に全く未練のない人は天国、やり残したことがある人で尚且つ良い子ポイントが採点基準を上回っている人は輪廻転生。そしてそもそも住んでいた星があっていなかった人には異世界転生のような感じですね」

半田「そして私は異世界と…」

ハピネス「その通りです。貴方は特に地球で問題を起こしていませんしシロは確定していたので私が招き入れました」

半田「はぁ」

ハピネス「あなたは地球でどうも楽しそうにしてなく、何をしても無表情でしたのでもっと刺激のある異世界に行けばその硬い表情も間違いなく崩れること間違いなし」

半田 ”確かにあだ名が能面でしたが感情は結構揺さぶれていたような”

ハピネス「しかしこの異世界エリアだけ特殊でみんなみんな女神に会えるわけではないのです」

ドンケル「まず平等の天秤によって魂の善と悪を比べる。例えば善が75%悪が25%だった場合は女神側。90%ぐらい善だと間違いなく勇者もしくは賢者になれる素質があるは。このように善の方強ければ女神側、悪の方が強ければ魔王側だ」

ハピネス「全員女神軍にしてあげても良いのですがそれでは魔王軍の方達が簡単に滅びてしまうので仕方がなく平等に決めているのですよ」

ドンケル「それはこちら側も同じことだ」

半田「そうなのですね。ですが私はどちらにもあっている」

ハピネス「そうなのよ、貴方を判定し結果を見たところ天秤が1mmも動かなかったのよ」

ドンケル「これは史上初のことだ、どんな奴でも1mmは必ず傾くのだがまさかの善悪がなしとは」

ハピネス「だから丁度女神魔王のエリアの丁度境目の真ん中に落とされて両方ともにあっているわけ」

半田「なるほど、わかりました」

ハピネス「あなたみたいな善悪何もない人はどちらにもなり得る素質があるのだからこっちのエリアに来なさい」

ドンケル「フハハ、あんな女の誘いに乗ることなんてないぞ、お前は間違いなく魔王軍を率いる幹部いや魔王にだってなれる素質を持っている」

ハピネス「あら魔王なんて野蛮なことに誘わないでくれる。あなたには勇者になれる素質がある。ほら私の手を握って光のパワーを注入するわ」

ドンケル「勇者なんて面倒な職業だぞ。常に誰かを守るために己を犠牲にしなければならず自由なんてないものだ。それに比べて魔王は自由だ、己のためだけに生きれるぞ。力、権力、女だって皆強欲に手に入る。こんな楽しいものなんてないぞ。だから小僧我の手を握れ闇のパワーを注入してやる」

両方に手を握られる

ハピネス「クソ脳筋の考え方ね。力っていうのは誰を守るためにあるの、それを忘れないで」

ドンケル「バカだな、力っていうのは自分を守るためのものだ。己のために全てを注げ暴れられる。小僧は今まで体感してないからより素晴らしさがわかると思うがな」

ハピネス「仲間、仲間と共に冒険だって出来る。苦楽を共に未知の物に出会ったり時には喧嘩したり泣いたり恋愛だって出来て本当の愛を見つけることだって、何ものにも代え難い経験が出来るのよ、だからこっちに来なさい」

ドンケル「仲間、恋人、フハハ、笑わせてくれるわ。そんなもの必要などない。己の前にひれ伏す忠実な部下たち、恋愛など子供のママごと性を満たせればそれでも良いお前も男なら沢山満たしたいだろ。イチイチ見つめあって顔赤めてやっぱりって目線を逸らしてドギマギせずもとグッとやってパッとやってしまいだ強欲にな」

ハピネス「フケツ、フケツ、フケツ〜〜〜」

半田「あの〜本当にどちらでもいいので早くして貰えませんか」

ハピネス「この人」

ドンケル「こやつ」

ハピナス•ドンケル『普通あれだけ色々なことを聞くとどちらかに傾くのに』

ハピナス•ドンケル『とんでもない空(うつわ)』

ハピネス「どちらでもいいのなら私の力でこの人を100%にするまでだわ」

ドンケル「こちらも同様だ貴様を悪100%にするまで」

両方の手からお互いのパワーが半田に注ぎ込まれる。

半田「あの〜あの〜」

ハピネス・ドンケル「ぐぬぬぬぬ、ぬおぉ〜〜〜」

半田「あの〜あの〜あ」

半田の体が光と闇で包み込まれ爆発した。

ドッカ〜〜〜ン

ハピネス「これはもしかしてやってしまいましたか…」

ドンケル「少しパワーが過ぎたか…」

煙を舞う中シルエットが出てきた。

ハピネス・ドンケル「!!!」

半田「あの〜もういいですか手を離してもらっても」

ハピネス「とりあえず消滅は免れたようね」

ドンケル「あの爆発で変わったといえば髪の色が銀色になっただけか」

二人とも半田の手を離す。

ハピネス「やりましたは、手の甲に女神の紋章が」

ドンケル「おぉ!こっちの手の甲には魔王の紋章が」

ハピネス・ドンケル『えぇ…』

半田の右手には女神の紋章、左手には魔王の紋章が出現し、両方の力を手にした。

ハピネス「まさか50%50%になるとは」

ドンケル「白と黒が混じり髪の色がそうなったのか」

ハピネス「こんなこと史上初、両方の力にも耐え得るあなたの体は一体どうなっているのでしょうか」

ドンケル「ブハハ、面白い存在だな貴様は」

ハピネス「それにしてもあなた以前より無感情になってませんか」

ドンケル「うむ、我らの力が半々になると感情はより薄くなるのか」

半田はとてつもないパワーを手に入れた代わりにより無感情になってしまった。

半田「あの一応感情は表情に出てますよ、ほら眉上がってますし」

ハピネス・ドンケル『えっ…』

半田をよく観察し二人はお互い顔を見合わせる。

ハピネス・ドンケル ”全然わかんねぇ〜〜〜”

ハピネス「まぁとりあえずこの能力に名前を付けましょうか、これは新種だからってこんなの強すぎるはよ能力として」

ドンケル「うむ、確かにこれでは世界の秩序が乱れてしまう」

半田「ハンハンパワーで名前」

ハピネス・ドンケル『ハンハンパワー…絶妙にダサいし弱そう』

ハピネス「まぁそれぐらいの方が目立たなくていいかも」

半田「あの一体これから私どうすれば」

ハピネス「う〜んどうしようか」

ドンケル「そういわれても」

ハピナス•ドンケル『どっちにもなれるし、なれない』

ハピネス「とりあえず、冒険者になって色んなところを見て回ってきたらいいわ」

ドンケル「何事も経験は大事だ、そこから好きなことをすればいい」

半田「わかりました。じゃあそれで」

ハピネス「あぁ、そうだ。これ付けといて」

皮の手袋を渡された。

ハピネス「この手袋には力を押さえ込む魔法を付与しといたから。しかもその二つの紋章は目立つからね。戦闘時は外しても大丈夫だから」

半田「ありがとうございます」

ハピネス「じゃあ転送するわよ」

魔法陣が半田の下に現れた。

ドンケル「それではな」

半田「では行ってきます」

転送されて行った。

ハピネス「ふう〜行きましたか……!」

ハピネス「勇者になれ、勇者になれ、勇者になれ〜〜〜」

ドンケル「魔王、魔王、魔王じゃ〜〜〜」

果たして半田は冒険者としてやっていけるのであろうか。

バナの森の中

木に寄りかかり眠っている。

半田「空がある、どうやら転送は無事に成功したみたいですね」
  「でもここは何処なのでしょうか?」

起きて森の中を探索することにした。

半田「動物も普通にいるのですね」
グゥ〜〜〜
「お腹が空きましたね。ここに生えているキノコは食べられるのでしょうか」

?「きゃ〜誰か助けて」

女性らしき悲鳴が聞こえた。

聞こえた方向に歩いていく。

ブラックウルフ達「グゥルル、グゥルル」

5匹いる。

?「こっちに来ないでください」

キノコが入ったカゴを持っている女性が木の棒を振り回している。

半田「あの、ちょっといいですか」

?「あぁ〜助けに来てくれたのですね」

半田「いえ聞きたいことがありまして、あなたが背負っているカゴに入っているキノコは食べられるのでしょうか」

?「はい?」

半田「聞こえませんでした。このキノコは食べても害はありませんか」

?「この状況で何を聞いてるんですか!今私襲われているのですよ」

半田「あぁ、これはお取り込み中に申し訳なかったです。それでは終わり次第また聞き直しますので。それではまた」

?「ちょっと待ってくださいよ。どう考えてもピンチの状況なんですよ…かよわい少女が助けを求めたら、お嬢さん大丈夫ですかここは僕に任せて逃げなさいってなるのが普通なの」

半田「取り込み中だったの」

?「わかった、わかったわよ!!!このキノコは食べられますから!!!」

半田「ありがとうございます、では何かお礼」

ブラックウルフ達「ガォォォォォォォ」

?「きゃ〜〜〜もうダメだ」

右手を前に出し唱える

半田「聖なる盾(ホーリーバリア)」

ブラックウルフ達「キュワン」

?「うぅ、あれ大丈夫みたい…」

左手を前に出し唱える

半田「魔王の重圧レベル10(グラビティテンバイ)」

ブラックウルフ達が地面にめり込む。

ブラックウルフを見事討伐に成功。

半田「これが魔物と言うものですか、あぁそういえば戦闘時は皮の手袋外せとか言っていたような」

魔力を抑え込んでもこの破壊力と防御力。

?「あわわ、何この人。めちゃくちゃ変な人だと思ったのにとんでもなく強いなんて」

半田「あのお礼を」

?「お礼は今ので大丈夫です」

半田「そうですか」

?「助けていただきありがとうございます」

半田「いえ、それでは」
ぐぅぅ〜〜〜

?「お腹空いてるなから私サンドイッチ持ってきているので良かったら一緒に食べませんか」

半田「お願いします」

森の中を少し進んで広場になっている草原でサンドイッチを食べることにした。

半田「ではいただきます」

ムシャムシャ

?「美味しいですか?」

半田「はい、美味しいです」

? ”全く美味しそうに見えない”

?「そうだ、自己紹介してなかったですね。私はマリン・ライト」

半田「マリン・ライトさんですね」

?「マリンでいいよ、あなたの名前」

半田「名前ですか…ネスケル・ハンダィー」

マリン「よろしくね、ネスケル」

ネスケル「はい」

ネスケルはマリンという人と知り合いになった。

ネスケル「ごちそうさまでした」

マリン「ネスケルはこの後どうするの」

ネスケル「冒険者になりたいのですがその前に森の中で寝てました」

マリン「あなたちょっと抜けてるのね、ハハハ」

ネスケル「何か面白いこと言いましたか」

マリン「私が面白かっただけ、冒険者になりたいんでしょう。じゃあアドベンにギルドがあるから案内してあげる」

ネスケル「それは申し訳ないです」

マリン「いいの、私もアドベンに帰るからついでついで」

ネスケル「そうなんですね。じゃあ良かったです」

マリン「じゃあ行きますか」

ネスケル「荷物持ちます」

カゴを背負って歩き出す。

マリン「ありがとう」

ネスケル「お礼です」

マリン “全く感情が読めない人だわ、顔一つ変わりない。でも間違いなく良い人ではあるかな”

二人はアドベンまで黙々と歩いていくのであった。

アドベン

町の中には多種多様な人達で賑わっていた。

マリン「ここよ、ここ私が働いているサンって言う酒場よ、入って入って」

扉を開ける

マリン「シアおばさんただいま」

シア「マリン、随分遅かったのね、あらお客さん」

マリン「そうなの、こちらネスケルさん。森の中でブラックウルフ達に襲われていたところを助けてもらったの」

シア「マリン、ケガは」

マリン「うん、大丈夫心配しないで」

シア「ネスケルさん、危険なところを助けてもらって私からも感謝するわ」

ネスケル「いえ、こちら荷物です。それでは」

マリン「ちょっと、せっかくだからご飯食べていけばサンドイッチだけじゃまだ足りないじゃない」

ネスケル「サンドイッチだけで大丈夫です。私はギルドに行きますので」

マリン「あらそう…ギルドはこの店を出て右に曲がったらあるわ」

ネスケル「ありがとうございます。それでは失礼します」

マリン「ぜひ、食べに来てくださいね。美味しい料理でもてなすから」

ネスケル「・・・」

手を挙げて店を後にする。

シア「ウチの看板娘の誘いを断るとは随分無愛想な子だね」

マリン「そうねぇ…」

ネスケルは言われた通り店を出て右に回ると大きな建物を見つけた。

ネスケル「これがギルドですか」

ネスケルの眉と口角が1mm上がった。


第2話

第3話


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