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「女神魔王ハンハンパワー」第3話

ネスケル「ここは一体どこなんでしょうか、うん?あそこに何かいる」

キバイノ「ブヒィィィ」

?「このブタ、ユキやるぞ」

?「スミにぃわかった」

ネスケル「ワンちゃん!」

2匹の犬っぽい何かがイノシシっぽい魔物と戦っている

ネスケル久しぶりにテンションが上がる。何故かというと地球にいた時唯一好きだったことが犬と戯れることだった。

ネスケル「中型ぐらい…白色が妹で黒色が兄か…兄妹」

スミが前足の爪でキバイノの顔を切り裂いた。

スミ「よし、今だ。ユキ噛みつけ」

ユキ「わかった!ガオォ」

キバイノ「ブヒヒィィィィ」

暴れ怒り狂ったキバイノ牙を振り回しそれがユキに直撃する。

ユキ「きゃ〜〜〜」

スミ「ユキ!テメェ」

ユキに標準を定め突進してきた。

スミ「危ない!」

スミはユキを庇ってダメージを負った。

スミ「グハァ」

ユキ「スミにぃ、起きて起きてよ」

キバイノ「ブヒヒヒィィィィ」

ユキ「あぁ〜〜〜」

ネスケル「魔王の重圧レベル5(グラビティテンバイ)」

キバイノ「ブヒィ」

キバイノ討伐成功。

ユキ「どうして急に!ニンゲン!!!ガルルルルゥ」

ユキ「近づくなニンゲン、スミにぃに」

ネスケル「怪我してる。治療しないと」

ネスケル「癒しの回復(ヒールラックス)」

ユキ「傷が治っている」

ネスケル「もう大丈夫。今は疲れて眠っているだけさ」

ユキ「ありがとう、ニンゲン」

ネスケル「今度は君さ」

ユキの顔に手を当て傷を治す。

ユキ ”あぁ、とても暖かくて優しい手です”

ユキはネスケルに安心して身を任せた。

スミ「うぅ〜俺は寝ていたのか…!そうだユキ、ユキは無事か」

ユキはネスケルの膝で倒れている。

スミ「ユキ!ニンゲン、ユキになにした!!!」

ネスケルに向かって思いっきり走ってきた。

ユキ「きゅ〜ん♡」

ネスケル「ヨシヨシ」

スミ「ダァ〜〜〜」

ズッコケた。

ユキ「あぁ!スミにぃ」

スミ「ユキ、なにしてるんだ。こいつはニンゲンだぞ」

ユキ「なに言ってるの私達を助けてくれたのはこの人なんだよ」

スミ「なに!そういえば体がなんともない。だがこいつはニンゲンだ。漬け込んで何か悪さするはずさ」

ユキ「そんなことないわ、だってスゴイ優しさを感じるの」

頭をスリスリする。

スミ「ユキ…おいニンゲン名前なんて言うんだ」

ネスケル「ネスケルだよ」

スミ「俺はスミでこっちが妹のユキだ。一応お礼を言っておく」

ネスケル「お礼なんて、そんなことより毛並み触ってもいい」

スミ「毛並み?まぁ良いけど」

ネスケル “嬉しい、手袋外そう”

右手でユキ、左手でスミを撫でる。

ネスケル「ヨシヨシ、ヨシヨシ、ポワ〜ン」

ユキ “うわ〜やっぱりあったか〜い”

スミ “なんだコイツこの手からとてつもない何かを感じる。これは逆らったらダメだ”

ユキ祝福の時間。

スミ緊張の時間。

ネスケル最高の気分。ほっぺが5mm上がった。

手袋を付け直す。

ネスケル「どうして魔物なんて」

スミ「いけねぇや、母さんが待ってる。ユキ帰るぞ」

スミはキバイノを背中に乗っける。

ユキ「ネスケルさん、私の背中に乗って、道中で話します」

スミ「コイツ連れていくのか」

ユキ「命の恩人ですし、母様に会わせたいです」

スミ「ったく、しっかり捕まってろよ」

ネスケル「うん」

ユキの背中にまたがり移動する。

ネスケル「お母さんって?」

スミ「母さんはユキを出産したばかりで体力が落ちてる。だから兄妹で母さんの食料を狩っていたわけさ」

ネスケル「なるほど、でも生まれたばかりでかなり立派な体格してる」

ユキ「だってフェンリルだもん私達」

ネスケル「フェンリル…」

スミ「母さんは俺らなんかよりも何倍も大きくて麗しくそれに向かう所敵なし」

ユキ「母様がこのバナの森を守っているから弱い魔物しかいないんだ」

ネスケル「絶対的強者の前には強者は現れないか…」

スミ「我々は本来姿を表に晒すことはない、森の深い奥の奥で密かにプレッシャーを出し続けている。だから魔物や賢い冒険者は近付くことさえないさ」

ネスケル「じゃあ私は鈍感なのか…」

ユキ「ハハハ、そうかもね」

森の奥で爆発音。

ネスケル・ユキ・スミ『!!!』

ユキ「今のなに?」

スミ「母さんがいる方向だ、急げ」

森の中を奥へ奥へ進むと少し開けている場所が出てきた。

神々しく美しい大きなフェンリルが倒れ込んでいる。

スミ・ユキ「母さん!・母様!」

付き人「やりましたな、さすが坊っちゃん」

貴族「そうだろう、爆裂魔法で一発だ。しかもかなりレアだな。見ろこの毛並み間違いなく上玉だ。フハハ〜」

母フェンリル「油断しましたわ…まさか気配を消して不意打ちをしてくるとは…ハァハァハァ」

森の中から飛びして近付く。

付き人「坊っちゃん、子供もいましたよ」

貴族「これはラッキーだ。しかも2匹、コイツらは剥製にして私の部屋に並べよう」

母「スミ、ユキ。危ない来たらいけません」

貴族「エクスプロ」

ネスケル「聖なる盾(ホーリーバリア)」

爆発音と共に煙が上がる。

ネスケル「!!!」

母「ガルルルルゥ…ガルゥ」

バタン

ユキ「母様!!!うぅ…ワウォ〜〜ン」

貴族「クソ、あの野郎まだ生きてたのか。仕留め損なったぜ。だが今度は決める確実に」

スミ「ニンゲン!!!許さんお前らは絶対に…ガルルルルゥ」

無言のまま手袋を外し、母フェンリルに近づき右手を当て

ネスケル「… 月の雫(ムーンドロップ)」

ボロボロになった容姿が綺麗。

ネスケル「…」

ユキの頭に右手を置く。

ユキ “泣いてる…とても悲しい”

ネスケルはもちろん表情は変わっていない。

今度はスミに近づき

ネスケル「母親の元へ」

スミ「あんたは黙っていろ。俺がコイツら」

ネスケル「母親の元へ今すぐ…」

ネスケルは左手を置く

スミ ”前に感じたのとは遥かに超越したパワーをこの手から伝わってくるが…怒りを通り越したその先、冷酷無情”

スミ「あんたに任せるよ…」

付き人「坊っちゃん、人ですぞ」

貴族「おい、そこのお前。邪魔だすぐにそこをどけ」

ネスケル「ウルサイ」

禍々しいオーラが溢れんばかりに放出されている。

付き人「ぼ、ぼ、坊っちゃ…」

貴族「おぉまぁ、まぁ…オ…オレは…え.えらインだぞ。ぱパ二田野辺haお舞え名なン…テ」

呂律が回っていない、無理やり言葉を出しているだけ。

ネスケル「無限夢幻(ムゲムゲ)」

貴族「うぐぅ…zzZ」

その場で倒れ込み眠った。

付き人「坊っちゃん…」

ネスケル「悪魔のメモ(ディアメモ)」

・このまま坊ちゃんを担いで連れ帰る

・ベットに寝かせたのち今日の記憶を改ざん

坊ちゃんを抱えて森の中に消えていった。

手袋を付け直し2人の元へ。

ユキ「ネスケル、母様を助けて、助けてよ」

ネスケル「…ごめん」

ユキ「ユキ達の傷を治したみたいに、ねぇどうして、どうして」

母「やめなさい、ユキ…私の命ぐらい私が一番わかっているわ、それよりも二人とも顔を見せて」

 「ユキ、ごめんね…ほら泣かないでよ。最後が泣いている顔なんてあなたは笑っている方が可愛いだから」

ユキ「うん…」

母「スミ、あなたは強い子だからユキを守って」

スミ「約束するよ…絶対に」

母「そしてあなた、私の傷を治してくれて感謝するわ。あなたがいなければ私はこの子達と話すことさえ出来なかったわ。この子達を守ってくれたこと本当にありがとう…あなたは信用出来るニンゲンだからこの子達のことおねが…」

ユキ・スミ「ワォォォォォン〜〜」

とても悲しい声が森の中で響く。

母フェンリルの体が光始め天に昇っていき消滅した。

スミ「母さん…ネスケルありがとうな。あの時母の元へ向かわせてくれて」

ユキ「クスゥン、ありがとうネスケル」

スミ「それにしてもどうしてあの2人を逃したんだ」

ネスケル「アイツらは貴族、消息不明になったら間違いなく探し回り面倒なことになる。だから殺さない。その代わりに呪いをかけた。無限夢幻。夢を見させる呪い。だが悪夢は見せない。眠っている時にも顔に出るからな、そうしてしまうと呪いを解こうとする。もし解かれたら間違いなくこの森のことを喋ってしまう。最悪の場合この森ごと燃やしかねない。だから良い夢を見せる。たとえ解こうと思っても夢の中が最高すぎて現実に戻ろうと本人がしない。悪夢を見せるのは奴がこの世からいなくなる時の一瞬だ。だからこの森は大丈夫、勇敢な聖なる神獣(せんし)が守り抜いたこの美しいバナの森はなぁ…」

スミ・ユキ『うん!ワォォォォォン』

再び森の中に響く声、しかし今度は決意に感じられる。

スミ「母さんがいなくなったからこの森を今度から守るのはオレ…」

ユキ「頑張ってね、スミにぃ」

ネスケル「あぁ、実は母フェンリルの毛を頂いて技を発動させておいた」

ネスケル「聖なる残影(ホーリーゴース)」

毛を媒体に母フェンリルの強い気配だけをこの森に留めることにした。

ユキ「スゴイ、感じるは母様の気配を」

スミ「オレにはまだ早いってわけか…そしたらユキ!」

ユキ「うん」

二人は私の足元に近づき。

スミ・ユキ『我ら兄妹はあなたさまをわが主と定め、命に代えてもあなたに尽くすことをここに誓います。我らの頭に手を』

二人の頭に手を置くとそこから光が発生し契約が成立した。

ネスケル「命に代えてまでなんて言わないでよ。怒られてしまいますあなた達の母に…ユキ、スミ」

ユキ、スミが仲間になった。

冒険者ギルド

ネスケル「ご依頼のウマソウです」

シュシュ「あの〜両肩に乗っているその子たちは」

ユキ「ユキです」

スミ「スミだ」

ユキは右肩、スミは左肩にちょこんと座っている。

ネスケル「仲間になった。それだけです」

小さくなったのは目立つのを防ぐためだ。

シュシュ「そうですか…それにしてもGランクのあなたがいきなりテイムできるとは」

ネスケル「あの報酬の方を」

シュシュ「そうでしたね。こちらが今回の報酬です」

ネスケル「ほぉ〜」

ユキ「喜んでいます」

シュシュ「この顔で」

スミ「文句はないらしい。怒りを感じない」

スミ、ユキは何故だかネスケルの気持ちを感じ取ることが出来るようになった。

ネスケル「ほぉ〜」


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