「女神魔王ハンハンパワー」第2話
ギルドの門を開ける。
冒険者達『ガヤガヤ』
冒険者ギルド内は想像の何倍も広くそれなのに沢山の冒険者でひしめきあっていた。
鎧を纏った屈強そうな男達、杖を持っているのは間違いなく魔法使いだろう。
まずは冒険者ギルドに登録するために受付に向かった。
受付「冒険者ギルドへようこそ!本日はどのようなご用件で」
ネスケル「あの、冒険者になりたいのですが」
受付「新規登録の方ですね。本日担当をさせていただきます、シュシュです。それではこちらの水晶玉に30秒手をかざしてもらい、魔力測定をさせていただきます。冒険者適性基準値を超えればギルド登録をさせていただきます」
ネスケル「なるほど」
“手袋はしたままの方が良いでしょう”
水晶玉に手をかざそうとした時
バンとうるさい音を立てながら入ってくる男達がいた。
ギルド内は瞬く間に静かになる。
ザコ兄貴「ここが冒険者ギルドか」
ザコ子分1「そのようですな兄貴」
ザコ子分2「オラオラ、兄貴が来てるんださっさと道を開けな」
見るからに悪そうな3人組が列を崩し割り込んできた。
戦士「あれはドロ一味だ。初心者冒険者を脅して報酬を無理やり強奪する悪い奴らだよ」
魔法使い「あまりにも素行が悪いためギルドから停止処分を言い渡されていたはずだけど」
ドロ「謹慎がようやく解けたが、再登録からとはな」
ザコ子分2「兄貴ならすぐランク上げらますぜ」
ザコ子分2「今日はお祝いをしましょうサンで」
大盛り上がりをしながら受付へ
ドロ「ギルドの再登録をお嬢さん」
シュシュ「ルールを守れないあなた方に再登録は出来ません。もう一度お並びを」
ドロ「並ぶってみんな譲ってくれたんだ、無理やり入ったわけじゃない」
ザコ子分1「そうだろう、誰も文句言ってないじゃないか」
ザコ子分2「それとも何か言いたい奴がいるのか、名乗り出ろ」
冒険者達「・・・」
ドロ「特になしっとじゃあいいよな、再登録を」
シュシュ「こんなのおかしいですよ…」
ドロ「ごちゃごちゃうるせぇ、いいからさっさとしねぇか」
シュシュの顔を掴む。
ドロ「よく見たらいいツラしてるな、ねぇちゃん。これ終わったらちょっと付き合え」
シュシュ「助けて、誰か」
ネスケル「あの、これでいいのでしょうか。シュシュさん」
シュシュ「ネスケルさん…」
ドロ「はぁ、なんだテメェ」
シュシュの顔から手を離す。
シュシュ「きゃっ」
ネスケル「あなたには聞いてません。シュシュさんこれでいいんですか」
ドロ「なに無視してんだよ!!!」
ドロは思いっきりネスケルの腹に前蹴りを入れ、ネスケルは壁に吹っ飛んだ。
シュシュ「あぁ…ネスケルさん!」
シュシュはネスケルに近寄る。
ザコ子分1「ドロの兄貴に刃向かうからこうなるんだ」
ザコ子分2「シシシ、そうだそうだ」
ドロ「まだ怒りが収まらんなぁ〜」
ナイフを取り出しこっちに向かってくる。
シュシュ「もういいでしょう、謝りますから」
ドロ「両方ともあの世行きだ」
ナイフが二人に振り下ろされ、目を瞑り絶体絶命。
バン
門から誰かが入ってきた。
シュシュ「うぅ…あれ」
ゆっくり目を開けると。
ドロ「イタタ…テメェは」
?「随分物騒なことになってるね。シュシュ」
シュシュ「リエル兄さん…」
冒険者「リエルってあのSSランク冒険者で噂によると最近勇者の仲間に加わったとか」
リエル「ナイフなんて振りかざして…危ないなぁ」
思いっきりドロの手首を強く握る。
ドロ「ぐわぁぁぁ」
ナイフ地面に落ちる。
ドロ「わかった許してくれ」
リエル「よろしい」
手首を離してあげ、ドロは床に倒れ込んだ。
ザコ子分1・2『あ、兄貴〜』
子分達はドロを抱えて出口に向かう。
リエル「大丈夫かい、シュシュ」
シュシュ「リエル兄さん、私は大丈夫だよ。でもネスケルさんが私をかばってお腹と背中を強く打ったと思うの」
リエル「そうか、それは大変だ早く治療を…」
ネスケル「・・・」
ムクっと起き上がり落ちているナイフを左手で拾う。
ネスケル「あの、落とし物です」
そう言われたドロはナイフを奪い。
ドロ「チッ、覚えてろよ」
そう言って帰って行った。
シュシュ「ネスケルさん…体は大丈夫ですか」
ネスケル「はい、なんとも」
リエル「一応調べておこう、体を見せてみて」
体を隅々確認するが一切の負傷部分なし。
シュシュ「軽傷どころではなかった思ったのですが、まさか何も無いなんて奇跡ってあるんですね」
ネスケル「そんなことより、終わったんですけど」
シュシュ「えぇ…あぁそういえば計測中でしたね。確認します」
リエル「なに!まだ冒険者にするなっていないのか…もしかするととんでもない才能があるのかもしれない」
シュシュ「はい、確認しました。合格基準ラインです」
リエル「この子は人よりスゴイ魔力を持っているのか」
シュシュ「いえ、至って普通の方ですわ」
リエル「そ、そうか」
ネスケル「じゃあギルドに登録出来たのですね」
シュシュ「そうです。こちらがネスケルさんのギルドカードになります」
ネスケルはギルドカードを手に入れた。
シュシュ「冒険者ランクは下からG.F.E.D.C.B.A.S.SS.SSSの10段階で依頼達成ごとにポイントが貯まりランクアップできます。受けられる依頼は自分のランクから一つ上までです。ネスケルさんは最初のGランクからなので受けられるのはG.Eの二つです。カードをもしも紛失した場合もしくは失効になった場合は再登録になりますが再度Gランクからのやり直しになることをご理解ください」
ネスケル「これがギルドカード」
シュシュ「もしもパーティーを組みたい人が見つかった時はギルドカードを触れさせることでお互いの連絡先を交換することができます」
ネスケル「なるほど」
シュシュ「以上で説明は終了させていただきます。本日は助けていただいてありがとうございました」
ネスケル「別に何もしていません。あとこの依頼を受けたいのですが」
シュシュ「いきなりですね。わかりました。ポーションの原料になるウマソウの採取。これは特に納品日は決まっていませんのでいつでも大丈夫です」
ネスケル「わかりました。それでは」
シュシュ「ちょ、ちょっと今度お礼させてくださ〜〜い。行っちゃった…何考えているのかさっぱりわからないな」
リエル「確かに、全く表情や感情が一定だ。しかもあれだけのことがあっても冷静でいられる。怪我もなし。なんだか少し気になる存在だね」
シュシュ「そうね、それにしても何しに来たの」
リエル「今日は休暇を頂いたので可愛い妹の顔を見に来ただけだ〜〜〜シュシュ」
シュシュ「やめなさい」
リエル「あぁ、イタッ」
バナの森に向かう道中
ネスケル「まさか変な奴に絡まれるとは危ないところでした」
なぜ怪我を負わなかったのかそして魔力数値が平均だったのか
ギルドに戻る。
ドロ「なに無視してんだよ!!!」
前蹴りが来た瞬間
ネスケル「天使の衣(アーラベール)」
透明な翼が背中とお腹を一瞬で覆いダメージを無効化した。
ネスケル「ビックリしたかも」
目と1mm上がり、口が1mm開いた。
魔力数値が平均だったのは、シュシュが揉めているうちに本来は30秒計測しないといけないところを1秒で終わらせたからだ。
30秒かざしていたら力を抑えていたとはいえ間違いなくAランク以上は確定していて間違いなく目立つ存在になっていたに違いない。
あと正直どうでも良い話なのだがナイフを拾って返した際眉間にシワが1mm出来ていた。
彼がこの後どうなったかは私にとっては何も思わない。どうでも良いことである。
裏路地
ドロ「クソォ、醜態を晒してしまった」
ザコ子分1「まさか、リエルが偶然来てしまうなんて」
ザコ子分2「まぁまぁ今度はあの男だけがいる時に襲撃しましょうぜ」
ドロ「あぁそうだな。あの男はまだ冒険者なりたてのクソルーキー。厳しさを教えてやらんとな」
冒険者「うわぁ、ドロ一味だ」
ドロ「おぉ、そうよ。兄ちゃん俺は今日ムシャクシャしてるんだ、金よこしな」
ナイフを出す。
冒険者「やばい、逃げろ」
ドロ「待ちやがれ」
逃げる冒険者を追うドロだったが段差でつまずき持っていたナイフが右胸に運悪く刺さってしまった。
ドロ「ぎゃあぁぁぁ」
ザコ子分1・2『兄貴〜〜〜』
ナイフにはある呪いが付与されていた。
ネスケル「悪戯の贈り物(トリップレ)」
ドロ一味当面の間活動不可。
異世界エリア
ハピネス「ハァ〜何とか頑張っているぽいけど。優しいのやら怖いのやら本当にどっちもあるのね」
ドンケル「ふむ、無というのはある意味一番最強だからな」
ハピネス・ドンケル「それにしても…何考えているかさっぱりわからない」
二人でネスケルのことをモニター越しに観察している。
バナの森
ネスケル「着いた、ウマソウ取るぞ」
バナの森、初心者冒険者が必ず訪れる森。ポーションに必要なウマソウや食材などが多く取れる。そして比較的に魔物が弱いため初心者でも安全なのだ。
ネスケル「これが、ウマソウですか、もぐもぐ、もぐもぐ。ちょっと青臭いですね」
緑色の光が体を包む
ネスケル「これが回復したということでしょうか。もぐもぐ、もぐもぐ。マヨネーズが欲しいところです」
味を確認終えたところでここは無我夢中でウマソウを取りまくりカゴに入れまくった。
スペースボックスというアイテムがあるらしくそれにはカゴ数十倍の素材を入れることが出来るらしいのだがとんでもなく高額らしくS級以上じゃないと持ってないくらいレアアイテムらしい。貧乏な冒険者はカゴをいっぱいにするしかないのだ。
そんなことを考えながらウマソウを探しながら歩いていると森の深いところまでいつの間にか来てしまった。
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