【リレーエッセイ】#01「能に魅せられて」石井倫子(中世文学)
前史:古典との出会い たまたま手に取った田辺聖子の『舞え舞え蝸牛 新・落窪物語』があまりにも面白かったので、次々と田辺聖子の古典モノを読み漁った中学時代。それがきっかけで高校では古典漬けの日々を送ります。古文の授業で徹底的に文法を叩き込まれたおかげで、原文で読める楽しさに目覚め、辞書を片手に『竹取物語』『更科日記』『蜻蛉日記』『讃岐典侍日記』『枕草子』など、片っ端から読み、意味の取れないところは先生に質問しまくったものでした。高2の頃には「大学で古典文学を勉強したい!『落窪物