日本女子大学にちぶんちょう公式note

日本女子大学文学部日本文学科からの発信です。

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最近の記事

【リレーエッセイ】#04「文学との出会い、太宰治との出会い」山口俊雄(近現代文学)

 近現代文学を担当している山口です。私がどういう経緯を経て、文学への関心を深め、文学研究者になったか、綴ってみることにします。  丙午(ひのえうま)の年に奈良市で生まれましたが、すぐに大阪府S市に転居。小3になる時にK市の、駅から遠い自然豊かな土地に作られた新興住宅地へ転居、高校卒業までそこで過ごします。転居したのが春休みで、学校が始まるまでの間、友だちもいない状態で新興住宅地の中をローラースケートで駆け巡ったあのときの解放感と孤独、白紙状態の感覚はいまでも忘れられません。

    • 【リレーエッセイ】#03「社会言語学との出会い」田邊和子(日本語教育学)

       私の専門分野は、「社会言語学」です。社会言語学というのは、言語と、社会の状態や変化との関係を考える学問です。  1992年ごろ、ニュージーランドのオークランド大学で言語学を学んでいた時に、オーストラリアのアボリジニーが持つ言語のヴァリエーション、mother in law, father in law language を知りました。一般的には、「回避発話(avoidance speech)」といわれる言語の種類です。ある特定の親族がいる場面や、その人たちのことを話す時に

      • 【リレーエッセイ】#02「私の履歴書」福田安典(近世文学)

        そうだ、文学部に行こう! 思い起こせば50年前、古典と地続きの地域の旧家で育った私は中学校へ進学した。祖母の里が高安(『伊勢物語』の筒井筒に出てくる)であり、古典文学には馴染みがあり、宴席では伊勢音頭や江州音頭が突然合唱されるような環境で育った私は、その反動から海外文化へ憧れた。ローリングストーンズを聞きながら、カフカ、サルトル、デカルト、キュルケゴールなどを読み、ゴヤやダリの画集を眺めていた。  当然、英語と理系に強い男子校に進学するのだが、その高校時代にもっともはまったの

        • 【リレーエッセイ】#01「能に魅せられて」石井倫子(中世文学)

          前史:古典との出会い たまたま手に取った田辺聖子の『舞え舞え蝸牛 新・落窪物語』があまりにも面白かったので、次々と田辺聖子の古典モノを読み漁った中学時代。それがきっかけで高校では古典漬けの日々を送ります。古文の授業で徹底的に文法を叩き込まれたおかげで、原文で読める楽しさに目覚め、辞書を片手に『竹取物語』『更科日記』『蜻蛉日記』『讃岐典侍日記』『枕草子』など、片っ端から読み、意味の取れないところは先生に質問しまくったものでした。高2の頃には「大学で古典文学を勉強したい!『落窪物

        【リレーエッセイ】#04「文学との出会い、太宰治との出会い」山口俊雄(近現代文学)

          【イベント報告】語り合いの記録「太宰治ワークショップ23〈転生する太宰治・アダプトされる太宰治〉」              

          語り合いの記録 「太宰治ワークショップ23〈転生する太宰治・アダプトされる太宰治〉」 2023年8月2日(水)13時から 日本女子大学 百年館低層棟7階 演習室72  〈参加者〉  A・B・C(1年生)  D(2年生)  E・F(3年生)  G・H・I(4年生)  J(大学院博士課程前期2年生)  K(学術研究員)  山口俊雄(教員・モデレータ) 自己紹介【山口】それでは、ワークショップを始めたいと思います。  ちょうど1年前、マンガ・アニメ・ゲームにアダプトされる太宰治

          【イベント報告】語り合いの記録「太宰治ワークショップ23〈転生する太宰治・アダプトされる太宰治〉」              

          ごあいさつ

          日本女子大学文学部日本文学科に関わるさまざまなことを発信するために note を始めました。どうぞよろしくお願いします。