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TKC #4 「LA行きのチャンス」


映画の撮影があり更新が滞っておりました。今週から復活して、また毎週更新していきます。

前回は芸大時代に、できるフリをして意思決定のタイミングを後ろにづらし、
聞きまくり、調べまくりで乗り切ってきた、という話を書きました。

そんな東京芸大で過ごす時間は実習まみれでして、
GWに短編を2本作り、梅雨明けに1つ上の学年の劇場公開映画の撮影を手伝い、
真夏に16mmフィルムで短編を2本作る、というような過密スケジュールでした。(僕の時はそうでした)

そんな怒涛の実習ラッシュで、多忙な時間を過ごすのですが、ふとしたことに気がつきました。そういえば、ロサンゼルス行きたかったよね?と。

ふと思うのはもちろん自由なのですが、ロサンゼルス行きに対して現実的な問題が3つありました。

1. 時間がないし、ツテがない。
前述の通り実習まみれの生活なので、間を縫って短い期間で行くしかないんですが、なんのツテもなく言ってもただの旅行になってしまう可能性が高い

2. 英語力がない。
何を隠そう大学受験以来英語の勉強したことありません。ちなみに会社入社時の研修で受けたTOEICは200点台でした。

3. お金がない。
前々回に書いた通りみなとみらい線の電車賃をケチっているわけですから、飛行機に乗れるわけがない。

この3つの問題をクリアしないといけないわけですが、

まず1。

ロサンゼルスに何のツテもない中でちょっと言ってもただの観光になってしまう。友達も1人もいなかったですから。何かないかなーと思ってそれはもうノリノリでネットサーフィンをしていたら、偶然見つけてしまいました。経済産業省の研修で、UCLAに短期留学できるプロデューサー派遣という事業の募集をしていました。しかも締め切り直前!急げ!

続いて2。

で慌てて応募したんですが、当たり前ですが、英語が話せることが前提です。向こうの講義は全て英語だし、それを学んできて報告レポートと発表を出さなければいけないわけですから。通訳なんてもちろん同行しません。だから英語話せない人が参加したら、その報告は、「すいません!なんか英語全然分からなくて何もわかりませんでした!でもハリウッドの風は感じました!感謝です!」ってなるわけです。それでは許されないですよね。税金だぞ!舐めんな!

応募項目に留学経験やTOEICやTOEFLのスコアを書く欄がありました。これで英語力がどんなもんか参考にしようっていう意図が見え隠れしてますね!留学もTOEFLもやってないので書けるのはTOEICだけだなーと思いましたが、でも書けるわけがない!200点だぞ!舐めんな!

ということで、意図的に何も書かずに提出しました。

募集要項には英語力のチェックをする可能性があります、、、、と書いてありましたが、気にせず提出しました。そこ以外は熱心に書きました。実績と熱意を気持ち120%で書きましたので、無事に選んでいただくことができました!

ただ、

「英語力だけ確認させてもらえませんか?」と連絡が来たのです。

「大丈夫です。」

って僕は返事しました。心配してくれなくて大丈夫です、って意味です。それはこっちでなんとかしますから。大丈夫です。お気になさらず。ってことですね。

でも、通じないんですよ。いえ、こっちが大丈夫じゃなく、とかいうんですよ。心配しているのは向こうなので。そっちで判断されてもっていう感じで困惑していました。今ならその困惑も理解ができます。理解はできますが、こっちも困ってしまうので、

「いや、大丈夫ですよ。ほんと心配してくれなくて」

ってまた返事したんです。ただ、お前の心配してねーよ、っていう気持ちが先方から溢れかえっているんですよ。話が前に進まないので、こりゃ仕方ないなって僕も諦めてじゃあ英語で会話でもしますかってなったんです。

もちろん今は無理です。断固拒否しました。

そしたら、面談するから来てくれというんです。でもね。

馬鹿野郎!!こっちは作品制作で無茶苦茶忙しいんだ!そんな時間あるかよ!

って状況じゃないですか、僕。だから面談なんて受け入れられないんですよ。なので強気でクレームをしました。不思議ですね。昔のことはよく覚えていません。どうしてそんなことができたのか、とても不思議です。

で、協議の結果、電話で英語力を測ることになったんです、、、、

さあ困った。もちろんこの応募資料を見つけた時から勉強は開始しています。ひたすら毎日10時間以上スピードラーニング聞いてました。てかむしろ本番までもそれだけで行きました。スピードラーニング学習をこの世で最も効果を得たのは僕だという自負があります。(その話は次回少し)

ただ、でもとはいえ付け焼き刃ですからね。色々知恵を絞って、芸大の1つ上の期の作品のライブハウスでの撮影日の余裕があるタイミングで電話面談をお願いしました。

なぜか?①(自ら日時を設定したくせに)撮影日なのでバタバタしているから手短にしてくれと逆ギレ!②よく聞き取れなかった時に電波のせいにしやすい。ライブハウスで電波悪いですすいません、と言って何回か聞き返した。(実際は無茶苦茶電波よかったです)

まあ時効ですよね?

とにかくどうしても行きたかったんです。なので必死で関門をクリアしました。後で担当の方に僕の英語力低いのってバレてました?って聞いたら、もちろんバレてました。でもここまで必死にやるんだからちゃんと本番までに死ぬ期でやってくるだろうということで伸び代含めてでOK出したとのことでした。やる気、は大切ですね。必死になればなんとかなるものだと学びました。

もちろん裏切らないように死ぬほど勉強して、その日を迎えました。スピードラーニングでね。

そして、最後に3。

前々回に書いたギリシャのせいで全てを失ったのが、このLA行きが決まってから、本番までの間の時期でした。UCLA行きが決まった後に、僕全財産(というか借金した現金)を失ったんです。なので一円もない。

UCLAは寮生活で、学費と寮費を支援してもらえるので、自分で支払わなければいけいないのは、現地に行く費用a.k.a飛行機のチケット代だけ。しかし払えない!

まさか泳いで行くわけにもいかないしな、、、、そういえば僕、水泳部だったけど。

で、途方に暮れているときに、そういえば、離婚したことも会社を辞めたことも祖母に報告していないことを思い出しました。

僕ちょっと複雑というかシンプルな家庭環境で。とある職業一家なんです。でまあ僕もその職業につくよう求められていたわけだけど、反発したわけです。なのであんまりっていうか全く家族や親戚に頼りたくないんです。(親に頼んで家に戻してもらっておいてなんだけど)

ただ、もう人間追い込まれると、恥も何もないですから。報告がてら、速攻で頭下げました。絶対に逃しちゃいけない人生のターニングポイントだから、どうしてもロサンゼルスに行きたいので飛行機代を貸して欲しいと。

実際このLA行きは自分の中で多分最も重要なターニングポイントになったと思います。その話を次回。

そういやそのお金まだ返してないや、、、(書いてて思い出した)


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