空が夕闇に変わる頃【第21章】
黎明
午前8時30分 ─。
いつもより早く起きたわたしは清々しい気持ちでカーテンを開けたが、空はどんよりと灰色の雲に覆われていた。
昨日まで晴天が続いていたのに、決意した日に限ってこんな天気とは。まあ、決意といってもランニング程度の話だが。
最近は鬼火の怪我から始まり、泳斗くんや春香の事もあって心身共に疲れていた。だから走る気になれなかった。そうやって自分への言い訳はしっかり成立していたのに、──空舞さんめ。
"あなた、最近走らないわね。怪我も治っているのになぜ?それに