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新聞|『動標 高瀬隼子の「かくす」』

今日の朝刊の小説家高瀬隼子さんの寄稿が面白かった。

人それぞれ「変な癖」を持っていて、みんなそれを恥ずかしいと思いながら必死に隠して生きている、と。でも、小説家になってからの高瀬さんは、なんでもつい書きたくなってうっかり書いてしまい、うまくそれを隠し通せなくなってきてしまったという。

そう言われると、私もイラついた時についしてしまう恥ずかしい癖があって、決して人(家族にも)に見られるような場面ではしないようにしているんだけど、そういうのってみんなありますよねというお話で。

見渡す限りのひとびとみんな、隠しごとを持っているのだと思うと、さみしさを抱くと同時に、あたたかい気持ちにもなる。

2024/04/07 朝日新聞朝刊

人はみんな他人に知られたら少し恥ずかしいようなことをたくさん抱えていて、だからこそそれが文章化されて表に出てくると共感したり反感を覚えたりやたら興味深くて、人は人の書いたものをつい読みたくなるということなのかもしれない。

そんな身を削るような作業を生業とする「作家」という職業への尊敬の念が一層増すと同時に、なんて消耗する仕事なんだろうとも思った。幼稚な言い方しかできないけど、作家さんてほんとにすごい。高瀬さんの本ももっと読みたくなりました。


ちなみに、高瀬さんの癖はちょっと面白い癖だったので、気になった方はぜひ紙面でご確認ください。


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