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新聞|「歌人がAIが あなたへ詠む歌」

昨日の朝刊の記事が面白かった。

「こんな短歌を作ってほしい」というお題に、生身の人間が悩みながら生み出す歌と、人工知能(AI)が瞬時に作成する歌はどう違うのか。

2024/05/20 朝日新聞朝刊

事前に出されたお題に対して、歌人が詠んだ歌と歌人の短歌集の内容を学習させたAIが作った歌とを比較してみようという企画。

それぞれが詠んだ歌が紙面に載っているのだけれど、確かに記事の言うとおり、歌人の歌の方が情景が目に浮かぶし、AIの歌はそれっぽい言葉をただ並べただけのように感じた。

でも、正直なところ、事前情報がなければどっちがどっちか分からないかもしれないとも思った。

ど素人の私からすると、それくらいAIの短歌も誰か有名な人が作った短歌っぽかったし悪くなかった。


なんだか楽しそうなので、私も簡易的に真似事をやってみた。LINEのAIチャットくんを使って、お試し。

お題は、「散歩が苦手なミニチュアダックス」。

対して、AIチャットくんの回答。即レスでした。

た、た、楽しい。問いかけたらいくらでもポンポンと答えてくれる。

ちなみに、過去生身の私が作った自由律俳句のようなものは以下。

暑くなく寒くもないのに歩きたくもなく


うーん。AIチャットくんの方が情景がより具体的。比較するの楽しい。一日中遊んでいられる。


楽しくなって色々試しながら、とある教育関係の講演会で聞いた話を思い出した。

デジタルメディアとの正しい付き合い方を啓蒙する講演会だったのだけれど、

そろそろデジタルネイティブの子どもたちが子どもを、つまりは親世代からすると「デジタルネイティブ孫」がこの世に誕生する時代がきているという内容だった。

今現在進行中の子育てで、ゲーム依存や特殊詐欺、レベンジポルノなど多くの危険性があることに心配が尽きないとは思うけれど、

そろそろその次の世代が生まれてきていることに気がついて、理解してくださいということだった。「ChatGPTネイティブ世代」である。

目と耳と感情を持ったAIが生まれながらにして手の平の中にある世代。

そんな子たちに、この世界はどんな風に見えて、昭和生まれの大人はどう理解して接していけばいいのか。

美しい短歌を詠むことができるかと言われれば、AIにはできるけれども私にはできない。
美しい絵画は?小説は?
どれも私にはできないけど、AIにはできる。

たいていの問題に対する答えも私には思い浮かばないけれども、AIなら冷静に複数の解決案を出してくれる。

その講演会では、こういうことも話していた。

世代間のギャップを埋めるのは先に生まれた方。

確かにそうだ。

変わっていく世の中の変化に敏感なのは、変わる前の世の中を知っている人たちであって、
そもそも変わった後の世代からしたら、AI浸透による変化なんて興味がないどころか、認知もしてないかもしれない。

変化?何それ?という感覚だろう。ナチュラルにその時々便利なものを受け入れて、ただ活用していくだけである。

AIが短歌を作ったから、生身の人間が作ったものと比べてどう、ってこれから生まれてくる子たちに尋ねたところで、その歌がよければそれでいいじゃんってなるだけのような気がする。

先述の記事内で、歌人の木下龍也さんがAIでの作品作りに肯定的なコメントをしているのも、そういう世の中の到来を予期しての解釈なのかもと思った。

(ただ、既出の作品に関しての権利は当然守られるべきで、著作権周りは各国と協力して1日も早く整備されるといいなと思っているし、ゼロから物を作ることのできるアーティストやクリエイターの方がリスペクトされる環境は保持されるべきだと思う。)

そうなってくると、「デジタルネイティブ」「デジタルネイティブ孫」に対して、ゼロから物を生み出す能力のない平凡な大人ができることなんてもう何もないような気がしてくる。

せめて、道理に外れた使い方をしなくて済むような人生を歩めるよう、生活の基盤を整え「健康で文化的な最低限度の生活」を送れる権利をきちんと発揮できるようにしておくことくらいだろうか。

つまりは、子どもの「衣食住」を満たすこと。そして、明日が来ることを信じられる環境を用意すること。できることと言えば、もうそれくらいしかないのではないかと思えてきた。

あれ、これどこかで聞いたことのあるような‥。15年ほど前、お世話になっていたベテラン保育士さんが言っていた、子どもを育てる時の基本ルールだ。

なんだ、どれだけ時代が変わってもやるべきことは変わらないんだな。
そうした普通の生活をしてくこと自体が今は大変で、みんな必死なんだけれど。

ということで、取り急ぎ私の使命は子どもたちが安心して過ごせるよう今夜の晩御飯を準備しておくこと。

今日はAIチャットくんおすすめの献立で、大葉とチーズを豚肉で巻いて焼いてみようかと思います。

AIを使ったことば遊び、手軽な暇つぶしにおすすめです。お暇な方はぜひ。


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