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#13 朝比奈切通し-鎌倉の外港を繋ぐ道を往く-

 鎌倉は何度行っても面白い!

 休みの日には”鎌倉行こうかな”と周りに言いたくなるし、なぜか ”かまくら” という発音を何度もしたくなります(ちなみに、発音時に舌が口蓋にあたる感触がとても心地良いせいだと勝手に思ってます。。笑)。

 ともあれ、久しぶりの連休を得たので鎌倉を再訪しました。

金沢八景駅を出発

 鎌倉を訪れるにあたって、中世社会の武士や商人などが通ったルートを自分の中で再現したいと思い、金沢八景から行くことにしました。

 金沢八景には六浦という鎌倉の外港があります。当時の人間たちはここから鎌倉まで行くわけですが、行く手を山と海が阻んでいます。

 金沢の地から鎌倉に行くには船か山越えをしなくてはなりません。しかし、鎌倉の海は遠浅であり良質な港がなかったので、やっぱり徒歩で行く必要があります。

 そのため、山を切り開いて道を作ったのです!それが朝比奈の切通し。ここを通って鎌倉中心街まで歩いて行きました。

上総介塔

 金沢八景駅から朝比奈までの道のりに上総介広常を祀る塔がありました。
 こんなところにひっそりと。

朝比奈切通し到着!

入口より
旅の安全を祈って

 切通し、圧巻です。

 いまから800年も前に3代鎌倉執権が陣頭指揮をとり工事をしたようです。

 相当な工事だったでしょうから、犠牲者も多数出たはずです。通行するだけでも落石落盤など、危険にさらされたと考えられます。

 その証拠に、途中多くの碑が立っていました。

仏さんが岩に

 岩壁に仏様が彫られていました。長い年月をここで過ごしてきたのでしょうか。

切通しの途中にある熊野神社

 切通しの途中にはこんな看板がありました。

 興味が湧いたので、そこに向かって歩きました。
 
 しかし、歩いても歩いてもおよそ建築物なんて見当たらず、どこまで連れて行かれるのかと、とても不安な気持ちでいっぱいになりました。

林立とはまさにこのこと。

 

 でも、進んだ先に見えました。

 鳥居を見て安心したのは初めてです。
 


 きっと鎌倉時代の人間たちも、私と同じ気持ちになったのだと思います。

 いつ崩れるかわからない道、いつまでも続く薄暗い林、他の生き物たちがカサカサと枯れ葉を踏む音。

 ここを歩き続けるとなんとなく心が休まらない。そのような感覚がありました。

 そんなとき、神社で目をつぶり合掌して、祈りを捧げ一休み。

 きっと安息の場所であったに違いありません。

 少なくとも私にとってはそうでした。

賽銭箱もない無人の神社でした。
一段高いところから

いよいよ鎌倉へ!

 朝比奈切通しはあと少し!

 終わりが見えてきて、不安な気持ちから一転、ここを抜けたら鎌倉のどこにいこうか。

 まずは小町通りにいって生しらす丼を食べようかな。
 いやいや、若宮大路のクルミっ子が売り切れる前に買いに行こう!
 それともやっぱり食事やお土産の前に鶴岡八幡宮にご挨拶しよう!

 そんなことを考えながら、鎌倉に胸を膨らまし、足早に切通しを抜けていきました。


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