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シアワセって 大変な事なのよ!


久しぶりの一人寿司

老老介護の日々が続いている

夫は今日は出張で帰ってこない
母には夕飯を用意してあるので
たまにはゆっくり
一人で過ごしたいなと思い
仕事帰り
寿司屋に立ち寄った

母とはけっして仲が良いわけではない
ホントは 
適度な距離があって丁度良い関係

でも今は
同居の老老介護

母は軽度認知症だが
一緒に暮らしていて
あらためて わかる事がある

母は
食べる物がない状況に
不安を覚えるらしい

我が家にある物は
なんでも食べてね と言っているのに
言った事を忘れるので
空腹になると混乱する

私達の帰りが遅くなった 先日
食べる物が無いと思い
不安に襲われらしい

帰ると
強張った表情で

玄関の外から
自分の名前を呼ばれたけど
出なかった
たまこに 
誰が来ても インターフォンがなっても
出なくていい って言われているから
出なかった と言う

我が家は
オートロックマンション
勝手には入れないし
表札は出していない

母の言うシチュエーションは
ほぼ 考えられない

なので
そんな事あるわけないよ!
と言うと
母はムキになって否定する
あー 
認知症に否定はいけないのに・・
言ってしまった 
なのに
私もついつい言い返すラリーが続き
さすがに 
これ以上言ってはいけない!
と思い 場を離れた
すると 母が
小さな声で 憎々しげな表情で
バーカ!と言っている

なんてこった!

その姿を見ていて思った

元々気の強い母
昔から言葉がきつく
それで生きてきた人・・・

認知症になり
ああ 本性出たり かと 力が抜け
コレが
エスカレートしていくのかと
怖くなった

なんだか
暗澹たる思い

コレからやっていけるか
心配になり
夫に話すと
病気だからね 仕方ないよ
そう思って 
否定せず優しく言葉掛け
それしか無いからさ
と 優しくさとされ

悶々する中で
布団に入った

明日から夫は出張で不在
やっていけるかな
不安は募る

そうした思いでいると
夫から
「お母さんは 病気だからね
  仲良くやってね」
と 穏やかに言われた

その言葉には
なんとも言えない
優しいエールがあった

わかった 頑張るよ 
と 答えた

それからは
夫の「病気だからね」との言葉が
母の認知症に出会うと思い出される

先日は
名医が主役のドキメンタリーを
3人で見ていた
なかなか考えさせられる内容で
終わった余韻に浸っていた

すると 母が
私さ 18の時に
大学病院で心臓の手術を受けたの
名医でね 
だから お陰様でね
今はなんとも無いのよ
と 懐かしげに言ってきた

エエっー!?
何をおっしゃる!
あなたの歴史に
そんな事はなかったです!

母の感慨深い感動の表情
私には 遥か彼方に
母がターンバックしていく様にみえた

否定の言葉も出なかった

「そうね」
と言うのが精一杯だった

母は
なんだか眠くなってきたから
寝るね

そうね おやすみなさい

あー 認知症!
本人は シアワセ カモ
だって
人生をシアワセな歴史に
塗り替えられるんだもの

この事があってから
病気だから仕方ない の言葉が 
私の中に 深く刻まれ

カナリ
耐えられる様にはなった

でも
一緒にいると言う事は
いつも
病気だから 仕方ない を
ココロに留めておく事

コレって
慣れても 結構キツイ

母には悪化しかない
子どもの発達障害なら 成長がある

雲泥の差

よく考えると クラクラするので
いつか終わるさ!と
自分に言い聞かせている

一人寿司
その思いをあらたにする時間 
と なりました

人生は
最後まで
行方知れずですね

夫と母
神社に
明日のシアワセを祈りに行ってます






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