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学生時代、岡山の老舗企業の「両備すごい」と思った話


※写真はイメージです。

表題の通り、私が学生時代にあったニュースに関して思い出す機会があり、「改めてあれはとても印象的な出来事だったなぁ」と感じたので、認めてみました。知識が浅くてお恥ずかしいのですが、どうしても紹介したかったので。

最近も、「地方の公共交通に携わる事業会社の多くが赤字路線の保持に苦心しており、限界を迎えそうである」ということがちらほらと話題にのぼってきます。最近ではJR西日本、東日本が赤字路線の運営状態を明らかにしたことで注目されました。
今日紹介するのは、これらのニュースが出る今年から4年前の2018年に巷でちょっとざわつかれていた、岡山県のある企業の動きについてです。


1. 岡山県民と地方公共交通業界に激震、走る(2018年)


2018年、食卓で夕方のニュースを観ている私の目に、こんなニュースが飛び込んできた。

「両備ホールディングスグループ2社が運行する31路線を廃止」

↓関連記事(2018年3月22日付、東洋経済オンライン)

両備ホールディングスとは、明治期に岡山県における鉄道事業に端を発し、現在ではグループ売上高1,559億円(2021年度)、社員数9,000名(2021年度)の規模となっている、創立から110年以上を誇る老舗企業である。現在では全国とアジアの一部に事業所を持ち、公共交通を中心として都市開発、DX事業、スーパーマーケット経営などの暮らしづくり事業を行っている。

これほどの大企業であるので、両備ホールディングス傘下にある「両備バス」「岡電バス」が運行する路線でさえも廃止になるということは、バスが街に出る唯一の手段だった地域の住人からすると、生命線を断たれることに等しい。

そして、このニュースが一際話題を呼んだ要因として、路線廃止の届出は「地方の公共交通の在り方に関して、国に一石を投じる」ことも目的としていたという事がある。

先に引用した東洋経済オンラインの当時の記事を大まかにまとめると、

  • 2002年の道路運送法改正により「需給調整規制」が撤廃され(=規制緩和)により都市部のみに新規参入者が現れ、既存の企業は都市部路線が減収してしまったため、赤字路線の運行に回す資金が無くなってしまった

  • 1970年代から地方バスには行政から補助制度があったが、近年になってマイカーが普及するなどの理由によって事業者の経営が悪化、自治体の財政負担も増えてしまったので、本気で取り組み始める自治体が増えてきた

  • 一方で、頑張りすぎても「地方バス」ありきの交通対策が出来上がってしまい、結局維持できず撤退、という(より悪い)結果になりかねない

  • 超高齢化社会が進む中で、地方の公共交通を見直す良い機会とするべきだ

と言ったもの(分かりにくいので余裕があればイラストを作成します)。

当時、自身は「路線バスが交通手段の最後の頼みの綱!」という地域には住んでいなかったため、当該住民の不便さを本当には理解できなかった。しかし、学生の私にとっては電車がそれに当たっていたので、それを電車に置き換えると、不便さが痛感された。

そして、私は両備ホールディングスの「国に訴えかけたい」という思いにも納得できた。なぜならば、私の地元で運行している路線バスは、

  • 一日4本

  • バス停はあるものの、待っている人を見たことが20年弱の間で片手で数えるほどしかない

といった状況だったためだ。流石に子供ながら、

「バスどうやって経営成り立っとんじゃろう…。大丈夫なんかな。」

と思っていた(ちなみに:地方にはバスに限らず、経営を思わず心配してしまう企業が沢山ある)。

ということは、誰もがそう思っていたんだろう。しかし、バスを利用する住民の強い願いと、事業者の責任感を持ってして何とかなり立たせていた。そして、みんな目を瞑っていた。

だからこそ、ここで岡山県だけではなく全国にこの社会課題を大々的に提起した当該企業に対して、私は当時「本当の真心」を感じたし、「誇らしく」も思った。

2. 地方公共交通に関するニュース(2022年)

翻って、最近の話題。

2022年8月15日付(日経新聞)

2022年10月7日付(日経新聞)


先述の両備ホールディングスの乱(?)から4年。その間に新型コロナウイルス蔓延という鉄道網への大打撃となる出来事があり、ますます地方の公共交通は経営が難しくなった。超高齢化社会も予測通り進んでいる。

そして、国はやっと重い腰を上げ始めたのかな、と感じられる。少子化、超高齢化社会、都市部への一極集中という問題は何十年も前から話題に登っていたはずだったが、ずるずると引きずってしまっていたが急激に考えてくれるようになったので(私もそういう時があるから共感してしまうが…、ここは共感してはダメか)、こういう面ではコロナ禍という荒くれ者が場を乱してくれた事は、良かったのかなと感じる。

今回はバスだけだったけれど、鉄道においても地方路線の赤字経営は課題だ。

2022年7月28日付

2022年8月1日付

2022年8月21日付


今度こそ、私が唯一の拠り所としていた鉄道も、最寄りでは走らなくなるかもしれない。

その事自体にはとても悲しみを覚えるけれど、もう20年以上地元に活力がなくなっている姿を見てきているので、私個人としては心の準備はできている。

大事なのは、これからどうしていくべきかだと思う。

歴史を振り返ってみると、13世紀にはモンゴルが世界で覇権を握っていたが、その後いち地方だったヨーロッパが世界の中心になったり。日本、それも岡山県に目を向けてみると、古代では吉備国が大変な有力地域だったけれど、今はいち都道府県となっていたり。
盛者必衰の理をあらはす。栄枯盛衰ある。これは世の摂理だから、適応するしかない。と考えている。

でも、個人的な、無知で無責任な意見としては、

  • 使う人だけ税金を取って、公営でバスを運営するか

  • もう諦めて、地域住民で頑張ってマイカーで乗り合わせなどしてもらうか(シェアリングサービス立ち上げ?)

くらいしか思いつかない。

やっぱり中長期的な課題、特に人間の思いやりが絡むと解決は難しいね。

でも、ちゃんと考えていきたい。

という意見、感想文でした。稚拙な文章を最後まで読んでくださってありがとうございました。

最初から意見文は重すぎたなぁ。次はライトなものを紹介します。

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