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俺が鶏肉を食えなくなった理由【ばあちゃん伝説④】



※この話は俺がガキの頃の話で、過去に書いたものです!!



あれは、俺が小学校2年のときの事だった。


このとき既にばあちゃんは、病を患い少し不自由な身体になってた。


この1年前にばあちゃんは脳梗塞で倒れ、結果ばあちゃんの利き手側である左半身麻痺が残った。


この頃はまだ、今ほどリハビリとかあまり充実してなくてね、それでもばあちゃんの持ち前の明るさとあの性格で、だんだん回復していき、2ヶ月位で退院し、自分自身で、近所の散歩やストレッチ等をしリハビリをしてた。



そして杖歩行が出来るまでに回復した。


ちょっと話がそれたが、事が起きたのはその翌年の事だった。



この頃俺は、ほとんど毎朝母ちゃんに自転車でばあちゃん家まで送って貰い、ばあちゃん家から学校に通ってた。



帰りはばあちゃん家に帰って、そのままばあちゃん家に泊まる事もあれば、ちょっとばあちゃん家で休憩しおやつを食べて、その頃住んでたボロアパートまで歩いて帰ってた。



このボロアパートからばあちゃん家まで自転車で10分位で、その頃の俺の足で歩いて20分~30分位かかった。まあ、途中の公園で休憩しながら帰ってた。



そんなある日、俺は小学校からばあちゃん家に向かって歩いていて、ばあちゃん家が近付いて来た時俺は、スゲー光景をまの当たりにした。



そう、ばあちゃん家の庭先から道を隔てた所に、ずっと前から🐓にわとりを飼っててそれは、主にじいちゃんが面倒見てた。



その日俺が見たのは、その道の所に首のない一羽のにわとりが、バタバタと歩いてきて、すぐボテッと倒れた。



「アワワワワ!!ヒイェーウウウウヒイェーワワワアヒェイ!!」となって俺は、すぐばあちゃん家に飛び込んで行った。



そこにじいちゃんがいて、じいちゃんは震えていたよ。



「((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル!!!!ヒイェー!!!!!!!!ヒイェー!!!!!!!!ヒイェーウウウウ」



思わず俺とじいちゃんは抱き合って震えていた。「((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル!!!!ヒイェー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



恐る恐る、にわとり小屋の方をもう一度確認すると、ばあちゃんが笑って椅子に座りながら、にわとりの羽をむしってた。



他に3人のおじいさん達がいて、みんな笑顔でにわとりに何かしてた。



俺は、じいちゃんに「ばあちゃん達、何してるの?」と聞くとじいちゃんはボソッと「あれは、にわとりつぶしてる!!」と言った。



にわとりをつぶす、ってことも意味は後で解った。



これも後で解った事だったが、もうじいちゃん達も高齢になり、にわとりを飼い続けられなくなったらしい。



それでばあちゃんが、「じゃあ、みんなで食ってしまおう!!」と言ったらしい。



でもね、あの光景は今でも忘れられないガキの俺には衝撃的場面だった。



この事が決定した時、じいちゃんは「ワシはできねーからな!!」とばあちゃんに言ってたらしい。



はじめっから解ってたばあちゃんは、友達に手伝って貰ってたらしい。



約15羽のにわとりが、犠牲になりばあちゃんが家に帰って来て「hiro、今日はご馳走だぞ!お前の好きな唐揚げしてやっからな、いっぱい食べろ!!ガハハハハハハ!!!!!!!!!!!!」



とばあちゃんが言うけど、俺は、全然食欲がなかった。じいちゃんもそうだった。



そしてじいちゃんが又ボソッと「hiro、今日の飯は漬物で食うか?」と言って来たので、俺はそっと頷いた。



ばあちゃんが不自由な身体を全開で動かし、料理を始めた。



友達のおじいさん達ににわとりを運んで貰って、その友達にもお裾分けしてた。



そしてばあちゃんは俺を呼ぶ。



「おい!hiro、ちょっとこっちこい!!これ見てみろ、旨そうだろ!!」と言いながら丸裸の頭のないにわとりを持ち上げて満面の笑顔でそう言うが、俺は何も言えなかった。



てか、俺はこの時もう吐きそうだった。



そんな事はお構い無しに、ばあちゃんは料理を始めた。


そしてしばらくすると、大量の鶏肉の料理がずらりと並んだ。


俺とじいちゃんは、「頂きます」と言うと漬物と、飯をチビチビと食った。



するとばあちゃんが、「おいhiro、お前の大好きな唐揚げ食わねーのか?」と平然と言う。



俺は「ばあちゃん、もうダメ、鶏肉は食べれないよ!!」と言うとばあちゃんが「あー、そうかお前、
にわとりつぶしてるとこ見たか?でもな、そんな事言ったらバチが当たるぞ!!人間はな、そうして昔からやって来てありがたく頂くんだよ!!」と言うとばあちゃんは、旨そうに唐揚げを食べた。




そしてばあちゃんは「いいかhiro、今はまだ解らんだろうけど、牛や豚、魚だってそうだ、そうやって人間はありがたく感謝して頂くんだよ、残さずにな!!
それがな、生きるってことだ、ちょっと難しかったな!!
ガハハハハハハガハハハハハハ!!!!!!!!!!!!!!!!」



と大笑いしてその日は、鶏肉を食わなかったけど、それ以上ばあちゃんは何も言わなかったし、それ以来無理に鶏肉を進めて来る事もなかった。



その日以来、俺は鶏肉が食えなくなった。


今でも食えない。


ただ、鶏ガラ醤油ベースのラーメンは食える。むしろ大好きだ!ガハハハ



ただ、韓国料理のサムゲタンとかは絶対に食えねーよ!




終わり




【笑顔STA日記部】









笑顔!!

STA!!










by
Merryhiro

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