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「向田邦子」の魅力とは?

本・読書が好きです。はしです。
今日もお読みいただきありがとうございます。


本に限らず、「好きすぎ」て、なかなか言葉にできないことってありませんか。

言葉にすると陳腐な感じがして、なかなか書けずにいましたが、いつかはこの作家さんのことをnoteで書きたいと思っていました。

それは「向田邦子」さんです。
小説・エッセイ・脚本を書き、航空事故で51歳の若さで他界。

50代以上の方でしたら、「寺内貫太郎一家」の脚本を書いた作家と言うとピンとくるかもしれません。


向田邦子との出会いは、15年位前に読書に夢中になり始めた頃、
当時の話題の本以外を読みたくなり、太宰を読み、三島由紀夫を読み、芥川を読んだ。
そんな中で、子供の頃に飛行機事故で亡くなったとニュースで知った作家の名。
何かが降りてきたように、急に「向田邦子って、どんな感じだろう」と思い、最初に手にしたのが、「思い出トランプ」だった。
この作品で向田邦子の魅力に憑りつかれた。
そこから、向田邦子の作品、エッセイ・小説・関連本などいろいろと読んできた。

向田邦子をオマージュした男
爆笑問題の太田光「向田邦子の陽射し」という本を書いている。
その本の力を借りて、向田邦子の魅力を少しでも書きたい。

随分前にこの本を読んだ。
今回、再度手に取るまでに向田邦子の作品を数回繰り返し読んでいる。

「向田邦子の陽射し」を再読し、繰り返し読んだ向田作品の内容をさらに深めてくれた。

爆笑問題の太田光、テレビの印象とは異なり、鋭く、冷静、それでいて熱を持って「向田邦子」の作品について語っている。
いくつも共感する部分があった。

向田邦子の魅力 情景を想起させるうまさ
言葉に出しつくさず、表現しきらない。
ストレートに表現せず、間や行間からその様子を語る。

相手に好意があることを表現するにも、直接書かずに、「声の調子」や「顔の色」で表現し、前後の文章と合わせて読むと関係性が分かり、その雰囲気を読み取ることができる。
こういうところがうまいと思う。

普段の生活の延長の様な話は、「あるある」と思う。
さらに、日常では人に言わないような心の機微を表現し、日常のリアルさに人間味を感じる。

人間のどうしようもない不完全さ、未熟さみたいなことを描いている作品に惹かれます。

向田邦子の陽射し 太田光著 P208

騒動になるほどの気がかりもある、けれどおなかも空くし、毎日の生活や自分の恋愛もある。
毎日の生活で、「今日はこの部分だけ」に気持ちを傾ければいいわけではなく、どれもこれも同時に起きるし、たくさんのことを抱えて生きている。
そんな私たちの生活を書き、主役以外の人の生活も大切だと言ってくれているようだ。

この本で向田邦子の魅力を思う存分共感することができる。
太田光が選ぶ、向田邦子ベスト10もある。

向田邦子ファンには、復習、振り返り、ファン仲間として読むことができる。

向田邦子の作品をまだ読んでいない、数冊しか読んでいない人にも、入門書的にも読むことができる。


私の向田邦子作品の一部


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