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人はランダムに選ぶことができない【偏りが必ず発生する】

人はランダムに選ぶことができない【偏りが必ず発生する】
ブリストル大学の学生の研究

適当に選んでいるつもりでも、完全にランダムに選ぶのは難しい
その難しさを博士課程の学生が調べてくれた

インターネットの掲示板サイトに簡単なアンケートを投稿して、どの程度人はランダムに選択できるのかを調べた
問題数は4問
どの問題も簡単な質問である
1問目、1~10の数字が書いてあるので、適当に数字を選ぶ(チェックボックスにチェックを入れるだけ)
2問目、1~50の数字の中で、適当な数字を自分で直接入力する
3問目、A~Zのアルファベットの中で、適当な文字を自分で直接入力する
4問目、1~10の数字の中で、適当な数字を自分で直接入力する

あなたなら、どの数字や文字を選ぶだろうか?

分析の結果
1問目と4問目で、一番選ばれた数字は同じで、それは『4』だった
逆に選ばれなかったのは『1』と『10』であった
次に選ばれなかったのは『5』と『6』であった
どうやら、人は適当に選ぶ場合、キリのいい数字、端っこ、真ん中を無意識に避ける傾向が確認された

また、4問目では10が選ばれる割合が大きく減った
その理由として、面倒くささが上げられている
10だけ唯一二桁である
数字を二つ入力するのが面倒なため、10が避けられたと考えられる

2問目で一番選ばれたのは、キリの悪い『37』で割合は5.8%だった
理論上の平均が2%なので、大きく逸脱した結果である
逆に選ばれなかったのは『30』で、0.5%しか選ばれなかった

やはりキリのいい数字は選ばれにくく、10の倍数である『10』『20』『30』『40』『50』が選ばれた割合は、期待値の10%に遠く及ばず、全体の4.3%に留まった
一番選ばれた37を含む、一桁目が7の数字、『7』『17』『27』『37』『47』は全体の18.7%も選ばれた

3問目のアルファベットでは、『J』『K』『F』がよく選ばれ、続いて『G』『H』が選ばれた
他にも、『Q』『A』『Z』も多く選ばれた
この結果について、キーボードの配列で説明できる
よく選ばれたのはQWERTY配列の中心に位置する文字、もしくは左ですぐに押せる文字である
パソコンを操作する時、通常は右手でマウス、左手はキーボードにそのまま置いている場合が多い
マウスでカーソルを操作して、そのまま左手で押せる文字を押したのである
4問目で10が選ばれなかったように、人は適当に決めていいいと言われると、手間を省きたくなるのだ
結果として、すぐに押せる文字に人気が集まったのである

ランダムに選ぶのが不可能なのは何となく理解していたが、その理由が怠惰だとは思わなかった
今後アンケートに回答する時は気にしたい
簡単に選べる選択肢があれば、それは選ばせたがっている選択肢かもしれない
逆に、選びにくい選択肢があったら、それは都合の悪い選択肢かもしれない
もしかしたら、こうやってアンケートの結果を操作しているのだろうか?

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参考文献
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