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マルチタスクが得意な人はいない

マルチタスクが得意な人はいない

◆ 性別でマルチタスクの得意不得意は決まるのか?

マルチタスクについて、よく言われるのは、男性より女性のほうがマルチタスクが得意だということです。
これは本当なのでしょうか?
ドイツのアーヘン工科大学が行った研究によると、性別はマルチタスクの得意不得意に関係ないことが明らかになりました。

◆ アーヘン工科大学の研究

研究者は、マルチタスクが得意な人の特徴を調べるため、48人の男性と48人の女性を対象に実験を行いました。

参加者には、文字や数字を規則に従って分類するという二つの課題を同時に行ってもらい、その反応速度や正確性を測定しました。

◆ 研究結果:マルチタスクが得意な人はいない

研究の結果、男性も女性もマルチタスクが得意ではないことがわかりました。

シングルタスクを行った場合と比べて、マルチタスクを行った場合は反応速度が遅くなり、ミスも増えるという結果が出ました。
性別に関係なく、人間は等しくマルチタスクが不得意であることを示しています。

◆ マルチタスクの幻想

あなたはマルチタスクが得意だと思っていませんか?
それは幻想かもしれません。多くの場合、マルチタスクが得意だと感じるのは、実際にはタスクを素早く切り替えているだけなのです。
この切り替え作業が多くなるほど、全体の作業効率は低下し、ミスも増えます。

◆ マルチタスクが得意な人は本当にいるのか?

ただし、少数ではありますが、本当にマルチタスクが得意な人も存在します。
手と目と口をバラバラに動かしても、作業速度が変わらず、正確性も落ちない人たちです。
しかし、このような本物のマルチタスカーは非常に稀で、人口の約2%程度しかいないと言われています。

◆ シングルタスクの重要性

世の中にはマルチタスクができる人がすごいという風潮がありますが、本当に素晴らしいのはシングルタスクです。一つ一つの作業を順番に集中して行うことで、作業効率が上がり、ミスも減少します。
マルチタスクができると自称する人も、実際にはタスクの切り替えによって効率が低下している可能性が高いのです。

◆ まとめ

マルチタスクが得意だと思っている人も、実際にはシングルタスクに専念するほうが効率的です。マルチタスクの幻想にとらわれず、一つ一つの作業に集中することで、より高い成果を上げることができるでしょう。
次回からは、一度に一つの作業に集中してみてください。その方が確実に、迅速かつ正確に物事を進めることができるはずです。

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参考文献
Putting a stereotype to the test: The case of gender differences in multitasking costs in task-switching and dual-task situations
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0220150

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