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人間の嗅覚は侮れない

人間の嗅覚は侮れない

今回は、匂いに関する興味深い研究をご紹介します。

ご紹介する研究は、匂いそのものではなく、匂いを嗅ぐ人間の嗅覚についてです。
人間の嗅覚というと、犬などの動物に比べて劣っていると思われがちですが、実はそうでもないのです。
カリフォルニア大学バークレー校の研究チームが、人間の嗅覚とトレーニング効果を調べたのです。

・人間は匂いを追跡できる?

研究チームは、32人の参加者に、芝生の上に撒かれた匂いを嗅いで追跡する実験を行いました。
距離は10mで、参加者はアイマスク、イヤーマフ、膝当て、肘当て、軍手を着用して、嗅覚以外の情報を制限しました。
どれくらいの参加者が匂いを追跡できるかを調べたのです。

結果、多くの参加者が匂いを追跡できていました!

32人のうち、21人がゴールまで辿り着くことができていました。
人間の嗅覚はバカにならないのです。匂いの追跡が可能なことが判明したのです。

・嗅覚は鍛えられる?

さらに、研究チームは、嗅覚のトレーニング効果も調べました。参加者に三日間の嗅覚のトレーニングを実施しました。

すると、トレーニングをした参加者は、ゴールまで辿り着くスピードがアップしていました。
匂いを嗅ぎ分ける能力は鍛えることが可能だったのです。嗅覚は使えば使うほど、磨かれます。

鍛えることで、犬のような嗅覚を得られるかも?(無理です。犬は最短生後二日で匂いの追跡が可能)

・鼻の穴の数は関係ある?

最後に、研究チームは、鼻の穴の数が嗅覚に影響するかどうかも調べました。
参加者の片方の鼻の穴をテープで塞ぎ、匂いを嗅いでもらいました。
そして、鼻の穴一つと二つで嗅いだ場合の精度を比較しました。

その結果、鼻の穴一つよりも二つのほうが正確に匂いを嗅ぎ分けることができました。

ただし、二つの鼻の穴を使っても、精度が落ちる場合があります。
それは、同じ匂いを嗅いだ場合です。

研究チームは、両方の鼻の穴に同じ匂いを送り込める装置を使って実験しました。
不思議なことに、匂いを嗅ぎ分ける精度が落ちていたのです。

人間の嗅覚というのは、左右の鼻の穴に入ってくる匂いを比較することで分析しているのです。両方とも同じ匂いだと比較ができません。
そのため精度が落ちるようです。

匂いは私たちの生活に欠かせない要素です。
嗅覚を鍛えて、匂いの世界を楽しみましょう。

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