見出し画像

仕事中の運動は健康を害する

仕事中の運動は健康を害する
デンマーク国立労働環境センターの研究

運動が健康にいいのは百も承知である
しかし、いつでも、どこでも運動が健康にいいとは限らない

身体活動のパラドックスという言葉がある
これは、仕事中に運動をすると、心拍数と血圧を上昇させ、むしろ健康に悪い、というものだ

はたして、身体活動のパラドックスは本当に正しいのだろうか?
研究者が調べてくれた

研究チームはデンマークの疫学調査データを使用して、デンマークに住む20歳~100歳までの10万4046人を対象にした
対象者の、仕事と余暇の運動について調査した

仕事では仕事の内容を
座りっぱなしか(低)
時々歩く(中)
力を使うか(高)
重労働か(極高)
の4つに分類した

余暇の運動では対象者の運動量を
週に2時間未満のかなり軽い運動(低)
週に2時間~4時間の軽い運動(中)
週に4時間以上の軽い運動または週に2時間~4時間の激しい運動(高)
週に4時間以上の激しい運動または週に数回の激しいスポーツ(極高)
の4つに分類した

その後、対象者を平均10年間追跡して、仕事の内容が健康に与える影響を調べた

分析の結果、当然だが、余暇に運動をしている人は、心血管疾患と全死亡リスクが減少していた
中程度以上の運動をしていうと、14%~61%のリスク減少が確認された
(年齢、性別、BMI、学歴、収入、喫煙、飲酒、糖尿病、血圧、結婚などの心血管疾患と死亡リスクに影響を与える因子を調整している)

一方で、仕事中に運動をしている人は心血管疾患と全死亡リスクが上昇していた
高程度の運動をしていると、15%~35%のリスク上昇が確認された

運動はいつでも、どこでもいいからすればいい、というものではない
仕事中に激しい運動をしていると健康にはマイナスである
運動をするなら、休日だ

アスリートやスポーツのインストラクターは要注意だ
日常的に仕事中に激しい運動をしている、もしかしたらその業務遂行が命を縮めるかもしれない

仕事中の運動が健康に悪い理由は分かっていない
個人的には疲労が関係している、と考えている
ただでさえ仕事は緊張もあって、心身共に疲労する
その上、さらに運動をして肉体疲労をプラスしたら、回復が追い付かなくなる
回復していない体で無理を続けていれば、ガタがくるのも当然である
仕事中に運動をした日は、ゆっくり休むほうがいいのではないだろうか?

#研究
#論文
#運動
#仕事中
#余暇
#休日
#健康
#MACE
#死亡リスク

参考文献
The physical activity paradox in cardiovascular disease and all-cause mortality: the contemporary Copenhagen General Population Study with 104 046 adults
https://academic.oup.com/eurheartj/article/42/15/1499/6213772?login=false

よろしければサポートをお願いします。 これからも良質な記事を投稿できるように頑張ります。