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天気が悪くなると体が痛くなるのは、気のせい!

天気が悪くなると体が痛くなるのは、気のせい!

雨が降ると膝が痛む、気温が下がると関節が疼く…。
そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
「天気痛」として広く知られるこの現象は、低気圧や気温の変化に伴い体調が悪化すると言われています。

しかし、本当に天気と痛みには関係があるのでしょうか?
今回は、天候と痛みの関係についての研究結果を紹介します。

◆ 天気と痛みの関係性を探る

シドニー大学が行った研究では、過去に発表された11件の天気と痛みに関する研究を集め、メタ分析が行われました。

この分析には15,315人の参加者から集められた28,010件のデータが含まれ、気温、湿度、気圧、降水量、風の強さといった天候要素が考慮されました。

◆ 驚きの結果:天気と痛みに関連なし

多くの人々が信じている「天気が悪くなると痛みが増す」という認識ですが、このメタ分析の結果、天気と痛みには明確な関連がないことが示されました。

雨が降ったり気温が下がったりしても、関節痛や古傷の痛みが増すというリスクは確認されなかったのです。

◆ 唯一の例外:痛風の悪化

ただし、一つだけ例外がありました。

それは痛風です。

気温が高く乾燥した日には、痛風が悪化することが分かりました。
これは、痛風が関節炎や腰痛とは異なるメカニズムで痛みを引き起こすためです。
高温で乾燥した環境下では、脱水症状が進行し、血液中の尿酸濃度が上昇して痛風が悪化するようです。

◆ 天気と痛みの誤解の原因

では、なぜ多くの人々が天気と痛みを関連づけてしまうのでしょうか?

これは主に「思い込み」によるものと考えられます。

例えば、「雨が降ると頭が痛くなる」という認識が既にあるため、実際に雨が降ると無意識のうちに体調不良を感じてしまうのです。
また、天候が悪いと家にこもりがちになり、運動不足が慢性痛を引き起こすことも要因として挙げられます。

◆ 正しい知識で健康的な生活を

天候が悪くなると体調が悪化するというのは、必ずしも事実とは言えません。
大切なのは、思い込みや不健康な生活習慣を見直し、正しい知識を身につけることです。
健康的な生活を送っていれば、どんな天気でも元気に過ごすことができるはずです。

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参考文献
Come rain or shine: Is weather a risk factor for musculoskeletal pain? A systematic review with meta-analysis of case-crossover studies
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0049017224000337

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