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オーガニックはアリかナシか!?:野菜と果物の健康メリット#食事編8

さて今回は野菜や果物について話していこうと思います。
普段から野菜や果物を摂っている方もいらっしゃると思いますし、仕事が忙しく外食や惣菜が多くて中々野菜や果物を食べられていない方もいらっしゃるかと思います。

健康を考える上で欠かすことのできない「野菜」と「果物」。

野菜や果物が健康に良いなんてことは前から知っているよ!
という方もいらっしゃると思いますが、改めて基本的なポイントから役にたつ豆知識まで、できるだけ簡単にお伝えしていきますので、この機会にしっかり「野菜」と「果物」について整理してみましょう。

ではいってみましょう!


野菜・果物は本当に健康にいいの?

日本と欧米での研究結果はそれぞれ違っていたりするのですが
欧米では、

  • 野菜や果物を摂取している人ほど、死亡率が低くなる傾向

ある一定の量(1日あたりの野菜と果物それぞれの食べる量)までは死亡率も低くなる傾向にありました。

一方で日本では、

  • 野菜と果物の摂取量がそれぞれ多いグループは、少ないグループに比べて死亡リスクが低い

全体的に、

  • 血圧を下げる

  • 消化器管の働きを助けて便秘を防ぐ

といったように、もちろんメリットはありますが、日本人なら特に気になるがんのリスクや死亡率に関する強いエビデンスも限られています

また、野菜や果物といってもたくさんの種類があります。そのため国や研究者によっても、野菜や果物の分類の方法が異なるために、様々な野菜をそれぞれどの程度食べるのかという研究の方法自体が難しく、異なる野菜を食べた時の組み合わせによる効果を測ることは、正直困難だからでしょう。
野菜や果物を様々な種類食べた方が健康に良いというエビデンスは限られています。

では野菜や果物は食べる必要がないかと言われるとそうではありません。

上記で書いた通り、死亡率や死亡リスクを下げてくれるのはもちろんのこと、野菜と果物が良いのは、栄養学的にも食物繊維やカリウム、ビタミンなど豊富な栄養素が含まれていますし、ファイトケミカルも考慮すると野菜や果物の恩恵はかなりあると考えられます。

やはり、色とりどりの野菜や果物を取ることは健康にたくさんのメリットをもたらすと考えてよいでしょう。

*ファイトケミカルとは
植物が自然に生成する化学物質で、主に植物の色や香り、味をつける役割を持っています。これらの化合物は、植物が病気や害虫から身を守るために作り出す防御メカニズムの一部です。人間がこれらの植物を食べることで、ファイトケミカルが健康促進や病気予防に役立つ可能性があるとされています。
代表的なファイトケミカルには、フラボノイド、カロテノイド、フィトステロールなどがあります。
ファイトケミカルにはさまざまな種類があり、それぞれが健康上の利点を持っています。例えば、抗酸化作用、抗炎症作用、免疫系の強化、対発がん性物質などです。

野菜ジュースや果物ジュースを飲むのは健康にとってアリか?ナシか?

みなさんの中にも、手取り早く野菜や果物の栄養素を摂取できる野菜ジュースや果物ジュースを飲んでいる方もいらっしゃると思います。
結論から言うと、野菜ジュースや果物ジュースと疾患との明確なエビデンスはないようです。エビデンスが弱く、例えば100%の果物ジュースは糖尿病の発生率が高くなりやすいが、1日100ml〜200ml程度の少量なら脳卒中のリスクが低くなるなど、玉石混合の状況です。

そうであれば、現時点では野菜ジュースや果物ジュースに頼るよりも、野菜や果物をたくさんの種類食べる方が健康に良さそうと言えます。
とはいえ、普段から清涼飲料水などのジュースを飲む人は、代わりに野菜ジュースや果物ジュースを飲むのは悪くないかもしれませんね。

オーガニックは本当に健康に良いの?

みなさんの中にも食品を選ぶ際に「有機」や「オーガニック」やと書かれているものをできるだけ買ったり、惹かれたりすることってありませんか?
そんな気になる「オーガニック」や「有機」について少しまとめてみました。

オーガニック市場

オーガニック食品市場は右肩上がりに年数%程度成長しており、国内市場は推定約1850億円に達しています。世界的にみても欧米を中心に10%程度の成長率を持ち、10兆円を超えるとても大きな市場です。

健康との関係

オーガニック食品と健康について考える時に大きく3つのポイントがあります。

  1. 残留農薬と重金属:オーガニック食品は一般的な食品に比べて、残留農薬や重金属が少ない研究もありますが、これが長期的に健康に良い影響を与えるかは不明です。かつ各国でも残留農薬などが健康に影響が及ぼさないように厳しい基準が設けられています。

  2. 農薬を使用しないことでのデメリット:オーガニック肉類ではバクテリアが発見されるという報告もあります。一方で肉以外では差異がないともされています。

  3. 栄養価:飼料への工夫を凝らし、特定の栄養素が増えるようにして、健康に配慮した商品などもありますが、大きくはオーガニック食品が通常の食品より栄養価が高いというエビデンスは限られています。

エビデンスの不確実性

上記も踏まえて、現時点ではオーガニック食品の健康効果に関する長期的で質の高いエビデンスは未だ不足しています。
オーガニック食品の健康への研究が難しいのは、例えば元々健康への関心が高い人々がオーガニック食品を買っていたりもするため、オーガニック食品の影響で健康になったかなど判断がつきづらいのが現状です。
今後の更なる研究が期待されますね。

オーガニック食品を選ぶかどうか

もちろんオーガニック食品は健康だけの話ではありません。お財布とも相談ですが、環境配慮という側面などからも、農業の製法や生産者の思いを知る機会があることも大事です。各個人、優先順位に応じてオーガニック食品を選ぶのが良いのではないでしょうか。
私の場合は顔の見えるオーガニック野菜を買ってみたり、妻の妊娠時や赤ん坊の食品に関してはできるだけ残留農薬が少ないオーガニックを選ぶことも多いです。

オーガニックという響き

みなさんも経験があるかもしれませんが、オーガニックという言葉の響きで、その食品が実際よりも健康そうに見えたり、価値があると思ったりしたことってありませんか?この認知バイアスをハロー効果とも言いますが、オーガニックという言葉に偏った先入観を持ってしまうことを意識して、オーガニックという言葉を過信しないようにしましょう。私もついつい過信しがちですので。

野菜や果物を増やすために

さて、色々と野菜について学んできましたが、結論としては
色とりどりの野菜や果物を食べることが健康にとって望ましいです。

では、どうやって野菜や果物の量を増やすかということですが、各々の環境によって野菜や果物を食べやすいかどうかに違いを生むと考えています。

・自炊することが少なくて、ついつい外食になってしまう
・野菜や果物のコストが高い
・野菜や果物を入手しづらい
・料理をしづらい環境にある

などなど、たくさんの要因によって、野菜や果物を取りづらくなっていますが、私が試してみて良かったと思うのは、自宅でできるだけ料理をするです。そんなのできたら苦労しないよと思うかもしれませんが、料理を始めると味はもちろんのこと、量や具材、栄養や健康のことを考えるようになります。野菜や果物も必然と食卓に並べる機会を作りやすく感じます。最近では色々な調理家電も豊富で、色々な料理を試してみたくなると思います。もちろん外食の日や惣菜の日があっても良いと思いますし、そんな時はいつもより少しだけ季節の野菜や果物も加えてみるのも一案かもしれません。

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