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あぶらの真実:健康に良い油、悪い油、そして賢い選択 #食事編6

さあ、今回は「あぶら」について話していきたいと思います。油や脂肪と聞くと、健康やダイエットの観点で「なるべく取らない方がいい」というイメージを持っている方もいらっしゃると思います。
一方でオリーブオイルは健康に良いイメージを持っている方もいると思います。ではあぶらは控えた方がいいのか積極的にとった方がいいのかどちらでしょう。今回はそんな複雑で興味深い「あぶら」の驚くべきパワーについて学んでいきましょう。


あぶらの基本を知ろう

まずはあぶらの話をする前に、用語の整理をしておきましょう。
皆さんもよく聞く「脂肪」や「脂質」とは

  • 脂肪:内臓脂肪や皮下脂肪のように体の組織の名前として使われます。

  • 脂質:炭水化物とタンパク質並んで3大栄養素として栄養素を表すのに使われます。

更にあぶらといっても「油」や「脂」など様々なものがあります。
ここでは栄養素として摂取する脂質の中で主成分の「脂肪酸」を中心に解説していきます。とは言っても、これだけでも充分、健康面での「あぶら」の重要なポイントを押さえることができるので安心してください。

まずは脂肪酸の種類について表で示します。

脂肪酸の種類:飽和脂肪酸&不飽和脂肪酸

下記の表をご覧ください。
脂肪酸には大きく分けて飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。

「健康になる技術大全」より

更に不飽和脂肪酸の中に一価不飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸(必須脂肪酸)やトランス脂肪酸などがあり、それぞれが健康に異なる影響を与えます。上の表にわかりやすく脂肪酸の分類がまとまっており、それぞれの食品や油の種類が記載されているのでご覧ください。皆さんにも馴染みのある油も多いと思います。一方でそれぞれの種類が健康に与える影響について見ていきましょう。

飽和脂肪酸を控える

日本人を対象にした研究では、欧米を対象にした研究と比較して、飽和脂肪酸が多くても少なくても、何らかの疾患リスクが高くなる傾向が確認されています。具体的には下記の結果です。

  • 飽和脂肪酸が多いグループ:心筋梗塞のリスク高い

  • 飽和脂肪酸が少ないグループ:脳卒中のリスクが高い

これら結果の理由は飽和脂肪酸による直接的なものか、他の環境要因なのかはっきりしていませんが、国立がん研究センターでは望ましい飽和脂肪酸の摂取量を1日20g程度にしています。この量がどの程度かというと、牛乳200g(コップ1杯)、肉75g程度。それら以外からも普段飽和脂肪酸を摂取していることを考えると、多くの人にとって、飽和脂肪酸は控えるべきあぶらといえます。

特定の不飽和脂肪酸をできるだけ摂取する

一方で不飽和脂肪酸はできるだけ摂取しましょう。不飽和脂肪酸は飽和脂肪酸と違い色々と種類があります。皆さんにも馴染みのあるあぶらも多いと思います。

不飽和脂肪酸の摂取が多い人ほど様々な病気のリスクが低い傾向があります。具体的には動脈硬化や血栓を防いで血圧を下げてくれたり、血液中のコルステロールを下げる効果があると考えられています。

*注意:オメガ6系脂肪酸

上の表でもわかる通り、多価不飽和脂肪酸は大きくオメガ3&6系脂肪酸の2種類に分かれます。簡単な特徴として、オメガ3系は細胞膜を柔らかくし、オメガ6系は固くします。どちらかに偏ると細胞膜のバランスが崩れてしまい、バランスが崩れると、様々な病気への原因になります。
とはいえ、現代ではオメガ3系に比べてオメガ6系に偏った食生活になることが大半で、加工によって酸化されたサラダ油などを摂りすぎると、様々な不調の原因にもなると報告されています。できるだけそのようなあぶらは減らして、オメガ3系の魚やえごま油など、またはオメガ9系のオリーブオイルなどは酸化しづらく、オメガ6系の代替品として意識して摂るのが良いでしょう。

トランス脂肪酸には要注意

トランス脂肪酸は、自然界では少量しか存在しないものの、工業的な加工によって食品中に多く見られるようになっています。その健康への悪影響のため、特に注意が必要なあぶらの一種です。

1.健康への影響

トランス脂肪酸の摂取は飽和脂肪酸のと比較しても、心臓病のリスクを上げるだろうと報告されており、糖尿病などの発症リスクも高めるとされています。

2.トランス脂肪酸の製造方法とどのような食品の中に含まれているのか

マーガリンやショートニングなどの加工油脂と呼ばれるものを製造する際にトランス脂肪酸が生成されます。トランス脂肪酸を含んだ加工食品は安価に長期期間の保存が可能だったり、食感が良くなったりするために、食品業界や外食産業で広く使われてきました。

トランス脂肪酸が比較的多く含まれている食品は、マーガリン・ショートニング・ファットスプレッド・クリームなどの洋菓子・クッキー・パイ・ケーキなどのビスケット類・スナック菓子などの菓子類・フライドポテトなどの揚げ物などがあります。

3.各国と日本の状況

世界各国ではデンマークが2003年に世界で初めて工業的なトランス脂肪酸を含んだ製品の販売を禁止し、アメリカやオランダでもマーガリンの販売、食品への添加が禁止されています。またヨーロッパやカナダをはじめとする様々な国でも規制がされており、WHOは2023年までにトランス脂肪酸の根絶を目標にしていましたが、まだ達成はできていません。

一方で日本では、日本人の平均的なトランス脂肪酸の摂取量が、WHOの目標値であるエネルギーの1%より低いことが主な理由で、特に政府主導での規制は行われておらず、食品会社による自主的な規制があれば良い方といった状況です。

4.トランス脂肪酸との付き合い

日本では、トランス脂肪酸に関する成分表示が義務化されていないので、難しいところではありますが、トランス脂肪酸が多いとされる食品は食べ過ぎに注意したり、食品表示で「植物性油脂」「植物性食用油」を使った食品加工物はトランス脂肪酸を含んでいる可能性が高いことにも注意しておきましょう。

どのようにあぶらを摂取していくか

ここまでで摂取した方が良いあぶらと控えた方が良いあぶらについてわかってきたかと思います。

  • 不飽和脂肪酸を摂取して(オメガ6系の油には注意)

  • オリーブオイルなどのオメガ9系(一価不飽和脂肪酸)の油も良い

  • 飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を控える

とはいえ、自分で調理をしない限り、どんなあぶらをどの程度使っているかわからないですよね。自分でも調理をする場合には、健康に良いと言われる不飽和脂肪酸の油を使用するようにしましょう。
私の場合は、料理によって米油・オリーブオイル・ごま油を使用しています。また、普段からできるだけ揚げ物や菓子類か加工品は控えるようにしています。

外食が多い方も、できるだけ脂身の多い肉類・乳製品や揚げ物・菓子類などの飽和脂肪酸やトランス脂肪酸が多く含まれている食事を避け、たまには肉から魚を食べるようにしたり(魚中心の方は失礼しました)すると良いかと思います。

でもわかってはいるけど、簡単には今の食生活って変えられないですよね。そこで悪い習慣や行動を改める有効なテクニックを2つご紹介します。

悪い習慣や行動の対策テクニック

先延ばしを有効活用する

先延ばしはと聞くと嫌な印象を受けると思いますが、先延ばしは上手に使うと悪い習慣を避けるために非常に有効です。例えばお菓子を食べたいと思っていたとしましょう。理性の部分では食べると太ったり、健康に良くないとわかっていたとします。その場合、タスクが終わったらお菓子を食べよう、10分経ってから食べよう、などのように一旦悪い習慣・行動を少し先延ばしにするのです。不思議なことに一度時間先延ばしされた行動というのは、そしばらくすると、そのとき感じたほど行いたいとは思わなくなるのです。これは様々なな習慣化の研究からも報告されていますので、一度お試しを。

物理的な距離を取る

これは文字通り、したくない習慣や行動を引き起こす物から物理的に距離を取ることです。例えばスマホをいつもいじっている人は、遠くの部屋に置いていたり、お菓子もいつもいるリビングに置いていると食べたくなってしまうので、目の届かない場所に置いておくと効果的です。手にするまでのハードルが高くなればなるほど、上でも説明した先延ばしの効果も加わり、「まあ後でもいっか」、「そんなお腹すいてないか」など悪い行動や習慣を諦めやすくなります。こちらもぜひ試してみてください。

さあ、今回は「あぶら」について学んできました。次回は「砂糖を減らそう」です。ではまた次回!






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