運命を自分で操っていますか。
ソクラテスの言葉に、「世界を動かそうと思ったら、まず自分自身を動かせ」とあります。自分で操れとの言葉です。
将来に向かってこの言葉をもう一度試してみませんか。
「自分自身を動かす」方法について、世界のナンバーワンコーチと言われるアンソニー・ロビンズの著書、本田健、訳・解説『一瞬で自分を変える法』(三笠書房)に「行動を変えるには、信念を変えるしかない」とあります。
人間の歴史は信念によって創られたとし、その代表として、キリスト、マホメット、コペルニックス、コロンブス、エジソン、アンシュタインを挙げている。
人は、自分の価値観に対して困難や悲しみに遭遇したとき、価値観を回復するために信念を持って行動する。その時の信念の熱量に応じて「自分自身を動かす」ことになるとのこと。
拙い私の自分史の例で恐縮ですが、信念を貫いて運命を操った青春時代があったことを披露させていただきます。
私は、家業を継ぐのが嫌で高校卒業と同時に家を出ることを決めました。決意してからは、人間関係や物事に対する解釈が大きく変わった記憶があります。今から50年前以上の出来事ですが、リアルに思い出せます。
自分の出自や運命を悲しんで怠惰に過ごしていましたが、決意によって新しく頼れる人が見えることになって、視野が広がり、無我夢中で目標に向かって取り組むようになりました。
目標に近づくようになると、やがて、育ててくれた親に感謝できるようになりました。
特に記憶に濃く残ったのは、職場の理解によって長期休暇をもらい、通信課程の大学の課す面談授業に出席して卒業できたことです。
青春時代のひとときでしたが、運命を変えたのは、無意識で夢中になっていた信念によるものです。大学での読書習慣が、自分の運命を長期に操ることになったと思っています。
成功哲学や自己啓発の第一人者とされるナポレオン・ヒルが、「あなたが何かを強く望むなら、それは必ず手に入る」「あなた自身の人生と成功者たちの人生を注意深く観察してみると、最高のチャンスは、逆境の時に訪れることに気づくはずです」の言葉を経験した青春時代でした。
大山泰宏著「感情・人格心理学」(放送大学教材)では、米国心理学者マイケル・ルイスの感情の発達モデルを中心に解説し、生得の基本的感情は、「困難」「満足」「嫌悪」「興味」であるとしています。
私の青春時代を検証してみると、逆境の悲しさの中で、強い信念を持つことができて、この4つの感情の組合せを偶然上手に調整して、満足を得るまで取り組むことができたのです。
自分の価値観に合わない困難を感じ、悲しみを抱いたときは、チャンス到来として、強い信念で、感情をゆったりと保ち、運命を操る取組みをしたい。
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