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人は、生きる意味がないと死ぬ

定年によって給料が下がる、人間関係が途切れる、私生活も大きな影響を受け、ついつい生きる意味について考えてしまう。

生きる意味とは、自分の全体における存在感や生きる目的のことであり、目標となり、ライフスタイルとなる。

有名俳優で社会貢献活動家の杉良太郎氏が「なぜ生きるか」の題で、東京都江東区民60歳以上が参加できる自悠大学の2023年8月の開校式で講演した。

講演のなかで、「人間は生きる意味を持たなければ死んでしまう。自殺がその例。犬猫は生きる意味がないからといって自殺したという話は聞いたことがない。餌があれば生きていける」などと、生きる意味についての含蓄のある言葉を多数披露した。

同氏の重篤な腰痛などを披露し、老化予防をしなさいなどと会場を盛り上げてくれた。
同氏の社会貢献の前提は「先ず与える」であり、スケールも大きく、検索すると解る。

15歳の時から刑務所のボランティアを開始し、上京してカレー屋で奉公したことなど、苦労話に止めず、誰かのためにという目標を持って、生きる意味としていたことを語った。

生きるのが辛いとき、認知を修正する手がかりになるのが、ビクトール・フランクルの「あなたが人生に絶望しようとも、人生があなたに絶望することはない。何かや、誰かのためにできることがきっとある。時が、あなたを待っている」という言葉です。
考え方は、最も悪い予想をしながら、最善を望む、「防衛的悲観主義」です。

この言葉を理解するためには、宇宙から自分を俯瞰する気持ちを持たなければなりません。

エリクソンの人生の発達理論によると、60歳からの老年期についての生きる意味は「成功か、絶望か」のいずれかになるとしている。

大川一郎著『中高年の心理臨床』(放送大学教材)から抜粋すると、「自分のこれまでの人生を振り返り、失敗や絶望した経験、未解決な問題等も自分の人生を作りあげる重要なものとして受容し、人生に意味づけとして、統合していくことを求められることが、老年期であると考えたのである」としている。

共同研究者であった妻のジュアンは、…超高齢期である老年的超越を想定し…最後の課題を設定している。失敗や絶望の中から生きる意味を見出し人生に統合せよということです。

フランクルも同じで、根拠のない楽観主義は危機管理ができていないので虚しい結果となる。
最悪を想定し、危機を予防できる防衛的悲観主義は、人生を充実させることになる。人生の最終的な自己評価は、「成功か失敗か」「充足か虚しさか」であるという。

失敗や困難は、成功のための触媒であり、人生の生きる意味を見出す大切な要素としています。


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