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ドライブパスを活用せよ!夏の中国三県弾丸ツアーの開幕だ!!①【松江城編】

日本の主要な高速道路の大半は有料であり、その通行料金はお世辞にも安いとは言い難い。
ここで高速道路料金の是非等について語るとキリがないのでやめておくが、1円でも安く利用したいと思うのは人情というものだろう。
特に年間走行距離が2万キロを超す私のようなドライブジャンキーにとっては、高速道路をいかにオトクに利用するかは死活問題といってもいい
そういうわけで、常日頃から安く高速道路を使う方法を意識しているのであるが、その具体的な方法の一つこそ高速道路周遊パスなのだ。

高速道路周遊パスとは高速道路の定額乗り放題プランであり、予め指定されたエリア内の高速道路においては、何度乗り降りをしても追加料金がかからないサービスの事を指す。
高速道路会社やプランの内容によって「ドライブパス」や「フリーパス」、あるいは「ドライブプラン」などと名称が変わるが、本質的には変わらない。
ただし、サービス内容や利用条件についてはプランによって差があり、特に後者については注意が必要だ。

NEXCO西日本公式サイトより

上図は私が利用した「ぶらり中国ドライブパス2022」(現在は終了している)だが、これは周遊エリアの他に発着エリアについて指定があるプランとなっており、予め指定したエリア内のICで退出入をしないとプランが適用されない
つまり、発着エリア外から高速道路を利用する場合は、発着エリア内に入った時点で一度退出し、その上で再度発着エリア内から乗り直す必要がある
これは、発着エリア内のICで高速道路へ入場したという記録をつけないと、発着エリア内から利用したという条件を満たさないことによる。

私の場合は上図の京滋大阪エリア発着プランを選択したのだが、私が高速道路へ入るのに使うICは発着エリア外の岐阜羽島ICである
その為、発着エリア内から最も岐阜方面に近いICである蒲生スマートICにおいて一度退出し、ただちに乗り直して蒲生スマートICから利用した

こういうちょっと面倒な事をしないと適用されないプランではあるのだが、そもそも発着エリア内に居住する利用者をターゲットにしており、発着エリアよりも更に遠方から来る私のような人間は想定していないのだろう

今回はそんな中国ドライブパスを活用して高速道路をオトクに利用し、二泊三日の行程で中国地方を巡ることにした。
目的は島根県にある国宝松江城、そして出雲大社のほか、山口県の青海島と日本最大の鍾乳洞である秋芳洞だ。



1日目(7月16日)

神代そば

自宅を出発して松江に到着したのが午後1時過ぎということで、まずは昼食を取ることにした。
上司に勧められた出雲そばの名店、神代そばだ。
松江城からもほど近い位置にある。

実は上司が松江人なので、旅行の予定を話してオススメの飲食店やお土産について教えてもらっていたのである。
ただし、このお店は上司が訪れたことがある店ではなかった。
地元民だからこそ知るような隠れた名店を教えてくれるのかと思ったのだが、私から尋ねられてわざわざ調べてくれたのだという。
それはそれでありがたいご厚意なので、素直に感謝している。

この写真は飲食後に撮影したので人がいないが、私が店に到着した時は既に何人もの客が並んで待っていた。
立ち食いそばやラーメン屋のように客の回転が早いわけではないだろうから、こればかりは仕方なし。

ごちそうさまでした

注文したのは、なめこ蕎麦、たまご蕎麦、とろろ蕎麦という三種類のそばが楽しめるセットだ。
これらは割子そばと呼ばれるもので、割子というのはこの朱色の平たい漆器のことをいう。
小分けされているため食べやすく、色々な味を楽しむことが出来た。

ちなみに松江到着時は小雨が降っていたのだが、店に到着する頃にはすっかり止んでしまった
私は相変わらず運が良いようだ。


松江城

現存12天守の一つであり、国宝天守5城の一角をなすのがこの松江城だ。
家門(親藩)たる松江藩松平家18万6千石の居城として威容を誇るこの城は、何と言っても黒塗りの無骨な外観が目を引く。

堀尾吉晴とは、松江城を築城した事実上の松江藩初代藩主だ
手前の附櫓から入る

附櫓

これは附櫓から天守への入口の写真だが、なんと隅櫓の内部へ向けて狭間が設けられていた。
本来は城の外部への攻撃のために設けられるべき狭間を城の内部にも備えているのは、附櫓の内部まで侵入した敵を撃退するために他ならない。
このような機構は、松江城がいかに実戦を意識した戦闘力の高い城であるかを示すものの一つとして紹介されていた。

物を落としそうで怖い

城内には井戸まで設けられていた。
籠城戦においては食料もさることながら、水の供給は死活問題である。

天守最上部

望楼型天守である松江城の天守最上部は見晴らしがよく、松江の街と宍道湖を一望することが出来る。
現存天守の中でも天守最上部の床面積が広く感じるのは、廻縁高欄が内部に取り込まれているからだそうである。

廻縁というのは天守最上部におけるベランダ部分のようなものであり、本来は屋外にあたる。
同じく廻縁を有する犬山城や高知城では屋外となっており、天守最上部からの眺望という観点では格別といってよいほどだ。
犬山城と高知城には及ばないとはいえ、松江城の天守最上部の景色はこれらに次ぐほどよく見渡すことが出来るものだったと思う。

宍道湖を一望できる
意外と新しい国宝指定書
コスプレしているおじさんは案内係の人

写真を見ればわかるが、私が松江城に到着して天守内部の見学をしている間は曇天だった。
しかし、なんと天守から出ると晴天になっていたのだ

松江につくやいなや雨は止み、雲は晴れ快晴となった。
もしかすると、私は天に愛されているのかもしれない。
さすがは神の国出雲である。
ありがたいことだ。

入母屋破風

松江城は正面から見てもいいのだが、個人的にはこの側面から見える巨大な入母屋破風も見どころだと思っている。
非常に迫力があり、その威容に圧倒されてしまう。

葵御紋

先述のとおり、松江城を居城としたのは家門たる越前松平家であるため、入母屋破風の頂点には葵御紋があることを確認できる。
ただし、松平家が入封した当初は桐紋を用いていたそうで、越前松平家の家祖たる結城秀康が桐紋を用いた豊臣秀吉の養子であったことに由来するという。
その後、葵御紋の使用が許されたため、桐紋から葵御紋へと変更されたそうだ。

二の丸櫓群(復元)

明治に解体された二の丸の櫓を一部復元したものであり、いわゆるレプリカだ。
内部も見学することが出来る。

格子があるので眺望はよくない

興雲閣

松江城の敷地内にある洋館で、明治時代に建設された迎賓館だったという。


松江城堀川遊覧船

松江城の周囲には水堀が張り巡らされており、この水堀で運行されているのが松江城堀川遊覧船だ。

松江城石垣
武家屋敷が見える
この後、屋根が下がる

堀川には複数の橋が架橋されており、水面から橋までの高さはかなり低い。
そのため遊覧船の屋根が昇降式になっており、橋の下を潜る際にはこれが降下するようになっている。
その際には乗船する船頭及び乗船客も身をかがめる必要があり、とてもスリリングな体験をすることが出来るのも見どころの一つだ。

橋の下で羽を休める水鳥
船上から見る松江城

宍道湖

宍道湖しんじこは大和しじみが特産品として有名な汽水湖だが、美しい夕陽が見られる点も見どころのようであり、湖の周囲には夕日スポットが点在している。
行政機関もこの夕日スポットを観光資源として着目しているようで、湖の周囲を走る国道9号には「宍道湖夕日スポットとるぱ」と称した駐車場が用意されていた。

宍道湖夕日スポットとるぱ

あいにくの曇天で夕陽は見られなかったが、雲の裂け目から光が差し込み神々しい景色を見ることが出来た。
これはこれでいいタイミングだったのかもしれない。


玉造温泉

宍道湖の絶景を堪能し、初日の行程は終了した。
この日の宿は歴史ある玉造温泉の保性館という旅館で、国指定有形文化財とされている木造の別館は昭和天皇が宿泊されたことがあるそうだ。


ちょうど区切りがよいので、2日目以降の記録については次の記事で書くことにしよう。

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