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超短篇小説17 "走り出す"



私は超全力で走り出す。


私は会社で嫌なことがあった時は、走ることでストレスを発散している。


コツはダラダラ走るのではなく、超全力疾走で倒れるくらい走ることである。


そうすることで余計なことを一切考えなくて済むからである。


超全力疾走をすると、いつも見えている景色と違う景色が見えるのも楽しみの一つでもあるかもしれない。


目に映っているものが全て線になっていく。
現実が現実でないような気分になる。


今日も会社の上司から理不尽に怒られてしまった。


私は超全力で走り出す。


見える景色の変化と比例して気分が上がってくる。


ただ、このストレス発散に関して、ただ一つ注意点がある。


超全力疾走だと、"ぶつけたり"転んだりすると怪我をしてしまうこと。


あと、"社内で走る"奇人だと噂されてしまうこと。


今日もデスクの前で超全力で走り出す。


人とぶつかり、書類が散乱する景色が線になっていく。

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