「情景が浮かぶ」とは


こんにちは。中日新聞人材研修事業「ビズトレ」講師の今村です。
文章を書くコツについて、ゆる~く伝えています。
今回のテーマは情景描写について。

まずは私の経験談から。
かつて戦後経済史の連載で取材に行く時、
寡黙なデスクからたった一言、そう言われました。
「いいか。部屋の様子を聞くんだぞ」
え?部屋の様子・・・?

なんとかかんとか取材を無事に終わらせて、
原稿を書き上げ、デスクが手を入れて記事が完成。
そこで初めて、冒頭の言葉の意味が分かりました。

文章を読むと、ストーリーが展開されていく空間そのものが、
さーっと脳内でイメージできたんです。
ロの字型に並んだ白い長机、静まりかえった窓もない会議室。
緊迫感の漂う空間で、登場人物が生き生きと動き始めました。

こういうのを「情景が浮かぶ」っていうんだなあ・・・。

例えば、単に「2人で向かい合った」より、
「2人は茶色のソファに向かい合って腰掛け、
ウイスキーのグラスをそれぞれ手にとった」
の方が断然、臨場感ありますよね。
ゆったりした空気が行間ににじみます。
情景を伝えるために、「部屋の様子」は欠かせない要素だったわけです。

市民向け講座「文章力とコミュ力アップ講座」を名古屋で開催しており、
「文章力基本Ⅱ」で、この情景描写トレーニングがあります。
担当講師(東條)に話を聞きました。
「講座では、情景描写の際は『あなたが見たこと、感じたことを読み手に伝わりやすいように具体的に書く』ように話しています。この『具体的に』のイメージが沸かずに悩む方が多いのかな、という印象を持っています」
ふむふむ。

「何も難しいことではないのですが、例えば晩秋の山を描写する時、単に『紅葉が美しかった』で終わらせるのではなく、赤が多かったのか、黄色が主体だったのか、色のコントラストを加えるだけでも効果はあります」
その風景が読み手の脳でイメージできるように、具体的に書くんですね!

「ポイントは、視覚、味覚、聴覚など『五感に訴えかける』ということです。こうした点を意識しつつ、日々、見たことを日記風に記すだけでも、文章力アップにつながりますよ」

より上達したい皆さん、
次回の「文章力とコミュ力アップ講座」へぜひお越しください!
絶賛予約受付中。おかげさまで最近は数日で完売しますので、
ぜひお早めのお申し込みをお待ちしております。

日時:2月4日(日)15:40~17:50
場所:栄中日文化センター
  (名古屋市中区栄4-16-36 久屋中日ビル 受付10階)
詳細・お申し込みはこちらから↓
https://www.chunichi.co.jp/info/nib/individuallearning20240204


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