鎮魂歌 ーレクイエムー
こんにちは。にぼこんと申します。
今回も何年か前のこと。
突然ですがシステム開発に携わる皆さん、システム開発のどんなフェーズが好きですか?(なんだこの質問・・・)
コーディング? 要件定義?
チッチ・・・私は本番移行(リリース)です。
あの独特の緊張感・・・
深夜に差し入れられるレッドブル・・・(私はモンエナ派)
なんていうか、システム開発・夏の甲子園って感じですよね。
そんな本番移行ですが、その準備も含めて休日出勤になることも多く。
そんなときに起きた事件のお話です。
当時のプロジェクトは、顧客データの機械学習分析に耐えうるよう、稼働中本番データ100万件+αを整理・圧縮する、というものでした。
データ同士のリレーションも複雑に張り巡らされており、土日で作業を完了させ、顧客業務のはじまる月曜9時までに整理が終わらないと大変なことになる。そんな移行。
数か月にわたる要件定義・検証の中で数々の考慮漏れが見つかり、当初移行日を大幅に遅延、複数回にわたる統括本部長への土下座が発生、精神的にも肉体的にもわりと追い詰められていました。
そして本番移行準備のため20連勤を迎えた土曜日。
要件定義書・設計書・ER図・SQLを凝視して3時間。
移行テスト用SQLの実行ボタンを押し、あとは結果を待つのみ。
何か自分の中で抑えきれないものを感じ、居ても立っても居られなくなりました。
会議室(お客さんのオフィス)の窓際に立ち、
脳内ミュージックにあわせ、団長になりきりエア指揮をとる・・・
「〇〇(客の情シス課長)さん、聞こえますか?」
「オレ達からあなたへの鎮魂歌(レクイエム)です」
完全に脳内ではオフィス街(というか、ヨークシンシティ)が旅団の蜘蛛たちによって破壊されています・・・。
「ククッ・・・最高の眺めだ・・・」
余韻に浸りつつ、ふと目をあけると向かいのビルの休日出勤している人たちがなぜか手を振っているではありませんか。
私が鎮魂歌(レクイエム)をしているとは露知らず、同じ休日出勤組に手を振ってエールを送っているように見えたようですね。
こちらの移行チームのメンバーも気付き、手を振り返す始末。
お互い名前も知らぬ者たちの、束の間の交流。
なんていうか、日本も捨てたもんじゃないな。
わたしも団長になってないでがんばろう。そう思いました。
ほんとうに仕事がキツいときは、アニメキャラクターになり切ればいいことあるよってお話。
ちなみにプロジェクトではガチの基地外扱いされるようになりました。
(おしまい)
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