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シャブ漬けにしろッ!!

こんにちは。にぼこんです。

冒頭の一言、「おいおい黒の組織かぁ?」と思いきや、前職のファームでパートナーが発した一言。

今回はファーム(会社)としての成長と、個人(コンサルタント)としての成長はまた別なんだなーというのをしみじみ感じた、というお話。

1. 決まり手、"DX"

当時(現在も)急拡大中のファームでは、システム・デジタル領域の売上が全体のかなりの割合を占めています。

更にその中でもかなりの割合を占めているのがアプリケーション・アウトソーシングという領域。

横文字にするとカッコイイけど、日本語で書くと保守運用

といっても、一晩中サーバールームにこもってアラートメッセージを確認するような純粋な(?)保守運用というよりは、システムの面倒も見つつ改善提案して仕事をどんどんとってくるような、わりとアクティブなものではあります。

識者「・・・へえ、従来のSIerじゃダメなのかい?」
識者「そっちのほうが安くあがるだろ?」

と思われるかもしれませんが、ここで出てくるキーワードがDX(デジタル・トランスフォーメーション)なのです・・・(私の解釈)

「今までIT部門+SIerにシステム丸投げしてたせいでビジネスに役立たない・スピード感の遅いシステムになってたのです・・・。」
「これから業務部門でシステムを見ませんか?海外の最新SaaSならできますよ。日本で導入できるのはウチくらいですけどね・・・なぜならグローバルのちk(ry」

⇒システム主幹を業務部門によせ、PDCAを高速化する
⇒↑を実現するため、イケてる海外SaaSを導入する
⇒これがDX・・・(私の解釈)

こうして国内ベンダーが長年熟成してきた秘伝のオンプレ・スクラッチシステムは駆逐され、SIerには手に負えない海外SaaSをコンサル会社がカスタマイズ導入することになります。

2. ビジネス的には大成功

システム導入してハイ、おしまい
・・・とはならないのがこの世界。

システムには必ず"守り人(もりびと)"が必要です。

基本的にはユーザーが自力で保守するのはムリなお話。
まず、導入時点でクライアントのIT部門の関与はかなり薄いですし、カウンターパートは業務部門のためシステムには強くはない。

ということで、なし崩し的に導入したファームでそのまま保守を抱え込み、ここに大量の運用保守要員を導入することができます。

ファームの売上って 人月単価×人数 のため、ここでガッツリフィーをいただくことができるというお話。

システム保守要員として、元SIerに加え、スマホアプリ開発者、さらに余裕があれば元デザイナーなどもアサインしてしまう・・・。

ここで出てくるのが冒頭の「シャブ漬け」発言。

なる早で手離れさせてこそ一流のコンサルタントである。
よく、戦コンの偉い人の本を見ると書いてありますよね。

でも、現実問題、例え手離れしたほうがいい場合だとしたらファームとクライアントで利益相反しちゃってるから難しいですよね。

なるべくコンサルに依存するように誘導し、生命線のシステムをガッツリ握る。

これがシャブ漬けなんですね~・・・。

3. 悪いことばかりではないけれど・・・

保守運用についていろいろ書きましたが、悪いことばかりではなく。

・ファーム
保守運用でクライアントとのリレーションを切らさずにいることで、別SI案件やコンサル案件の引き合いがある。保守運用としての安定収入。

・(若手)コンサルタント
クライアントとの関係性が築かれているので、早いうちから部課長レベルと話すことができる。
というか、IT未経験でも入り込める。経験がつめる。

・クライアント
全部丸投げできるし、業務にもある程度理解を示してくれるから楽。
IT部門を通すより早くて正確に作業してくれる。

とはいえ、シャブ漬け(保守運用丸投げ)の代償として1PJに数年単位で固定されてしまうと、やはりコンサルタント個人にとっては弊害が大きく。

たまに1ジョブMgrと言われ、1PJのみでMgrまで駆け上る人がいますが、深みがないというか。

同じ業界で他はどんな施策してるんですか?というクライアントの質問に答えるのとか、これって実は〇〇(他クライアント)と根本は同じ課題なんじゃないか?とか考えるのはムリなんですよね。色々経験していないと。

・・・あと純粋に職務経歴書も寂しくないですか?


ということで、ファーム(会社)としての成長と、個人(コンサルタント)としての成長は別だよね、そういう会社で働くときは、流されずに確固たる意志で別プロジェクトも経験したいですと言い続けるべきだよね、って話でした。

まあ私の失敗談なんですけどね。
(おしまい)







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