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戯鳥
2022年10月20日 14:22
一 改札前で子供が泣いていた。未就学児程度の身長に見える男児だ。 マ゛マ゛ァ……マ゛マ゛ァァァああうううああうあおえんうぅぅ……、のような、擬声語化するとともすれば滑稽に見えてしまう、悲痛な叫びだった。 この目で見た光景は全く笑えるものでもなかった。私が券売機の操作に四苦八苦している十分弱の間、彼は現れることの無い「母親」をずっと喚び続けていたのだ。勿論彼は独りではない。父親らしき人物が彼の肩