楽しいことと、つらいこと
「人生、つらいことのが多いって分かってたら子供産まなかったかもしれない」
私の友人が以前、こんなことを言っていた。
確かに、愛する我が子をつらいことばかりの世界に放り出す必要もない。
かわいい子には旅させろって言葉があるけど、それはつらい目に遭えということではなく、乗り越えられる困難を乗り越える力を養えという意味なんだと思う。
大人の日々はつらいことや大変なことの方が多い。
毎週、週5日働いて、2日休みなら、つらいと楽しいは5対2。(仕事を楽しいにカウントしない場合)
だけど、人間はつらいことはなるべく忘れて、楽しい記憶を上書きするようにできているんだと思う。
自分の過去を振り返ったとき、どう考えてもつらかったはずの思い出も、今となってはよい経験だったと思えたり、なんだかんだ言って楽しかったと思える記憶に塗り替えられている気がする。
もちろん、塗り替えきれない記憶も残ってるけど、その記憶に心が埋め尽くされない程度の楽しい記憶があるから頑張れるようにできているんだと思う。
1日の中でも同じで、どんなに嫌なことがあっても、誰かと笑顔でほんの一瞬会話をしただけで元気になる。1分にも満たないような時間でも、誰かと笑顔で会話を交わせたらその日はいい日として記憶に残る。たとえ、会社の8時間で心に波風が立っていても。
心に波風が立っていると、その瞬間は全部が嫌で苦痛に感じるし、何をやってもうまくいかないような、楽しいとか幸せとかとは程遠い感覚に陥る。
落ち着こうとして必死に自分を抑え、そうやって心を抑えているうちに気分まで落ち込んでくる。
だけど、ちょっと涙が出そうなくらいへこんでいても、一瞬の会話が心を浮かび上がらせてくれる。浮かび上がってしまえば、嫌だったことも「まあ、いいか」と思えて、とりあえず明日も頑張ろうという気分になる。
つらいことの方が多いけど、人間は案外単純だから生きていられるのかもしれない。
少しの笑顔の繰り返しで、人生のつらさは帳消しになるようにできているのかも。
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